まっぷる、ことりっぷの撮影のため日本をはじめ、海外も駆け回る編集部カメラマン☆Hoshi。一度の取材の撮影枚数は千を超えることもしばしばです。けれども頁数に限りのある誌面に使われるのは、いいとこ十数枚。担当編集が泣く泣く落とす写真も多いのです。
数ある取材写真のなかからカメラマン☆Hoshiが直近で撮影した、とっておきの一枚を撮影エピソードとともにお届します!
カメラマン☆Hoshi
昭文社の唯一無二の社内カメラマン。国内のみならず海外ロケにも引っ張りだこ。カナダ在住経験があり英語も堪能なことから、コーディネーター的な役目を果たすこともしばしば。そんな頼りになるカメラマン☆Hoshiも50代後半、さすがにそろそろ弟子を育てねばと思うとか思わないとか。
北海道・松山湿原えぞ沼
大空を映す鏡池ならぬ鏡沼。標高が800mほどある湿原には、高山植物や湿原植物が静かに咲き、風が気持ちよく吹いていました。帰り道を思い、ぞぞぞっとして撮っていたことは秘密です(北海道美深町 松山湿原)
こんにちは!☆Hoshiです。いよいよ夏が到来!夏休みのプランは進んでいますか?
先月に続いて、今月も北海道の風景をお送りしますね。今月の一枚は、夏に撮影した「松山湿原のえぞ沼」。稚内に近い道北エリア、美深(びふか)町にあり、夏季限定でゲートが解放されるというなかなかの秘境です。撮影した日は天候もよく「沼」とついていますが、とても麗しい風景でした。
とは言え、ここは北海道の道北。山はヒグマの住処です。鈴を鳴らしながら歩く、複数人で歩く、クマ除けスプレーを持って歩く。ご存知のように、北海道の山では厳守の基本ルールです。
実はその昔、カナダに住んでいたことがありまして。クマ対策は万全!と意気揚々と向かいましたが…大自然の山には他にも見落としていた敵がいたのです。
松山湿原へ出発!
天竜沼の駐車場に車を止め、新刊「北海道辞典」の担当編集と一緒に松山湿原へ向かいました。リュックにつけたクマ除けの鈴を、大げさに鳴らしながらのスタートです。そこへ。
ぶいん!ぶうううん!
黒いでっかい虫~⁉
なにこれ~!ええ⁉アブちゃう⁈チカッ!
いたっ!刺されたら痛いやつやん!
見たことのない大きさのアブが、集団でぶいんぶいんと集まってきます。まさに密になって追ってきて、手で払ったら逃げていくレベルではないのです!ごちそうが来たとでもいうように群がってきます…いや、そうか。ごちそうが来たのです。
高原湿原である松山湿原へ行くには、駐車場から高度にして200mほど上っていきます。ふたりで叫びながら小走りで進んでいくと、いつのまにかアブたちは消えていきました。標高が上がり、風が絶え間なく吹いてきたのです。助かった…
皆さま、野生のヒグマももちろん、野生のアブも大敵ですので、お出かけの際はご留意を。(帰り道?ご想像の通りです。)
下山後、駐車場近くの滝も撮影の必要があり…。アブに囲まれながら猛ダッシュしてシャッターを切りました。…この写真、ご披露できて救われます
夏に見たいのは、こんな景色⁉
冬の景色で涼みましょう!
さて、気を取り直して次へいきましょう!
この冬は、札幌の雪まつりと支笏湖の氷のまつりへ伺いました。その時の様子を少しお届けしましょう。
支笏湖氷壽まつりの氷の回廊に佇む、アイスピアノにアイスシャンデリア。テーマは「氷の美術館」
1月末から2月にかけて行われる千歳・支笏湖氷壽(しこつこひょうとう)まつりの制作は、晩秋から始まるそうです。最初に骨組みを創り、支笏湖から汲み上げた水をスプリンクラーで吹き付け、2カ月ほどかけて出来上がる氷の世界。大自然と人が創り上げた氷の美術館です。
さぁ、皆さんの頭のなかのアブもいなくなり、少し涼しくなってきましたか?
次は、さっぽろ雪まつり。今年は札幌市制100周年記念で、雪まつりのイベントは73回目でした。ネット上でもバーチャル雪まつりがあったり、VRで参加できたりと、どんどん進化しています。公式サイトでは受賞作品がアップされていますよ。
みごとな雪の造形が建ち並びます
夜はプロジェクションマッピング
大谷翔平さんいらっしゃいました!
人も雪だるまも大賑わい!
氷と雪ばかり見ていると、かき氷が食べたくなってきますねえ。
先月からお届けしてきた北海道の夏と冬の風景。楽しんでいただけましたか?夏休みが待ち遠しいこの季節。夏バテにお気をつけてお過ごしくださいね。来月もどうぞ、「今月の一枚」をのぞきに来てください。
支笏湖氷壽まつりの後は厚別川橋梁へ。この区間は2021年に廃線となり、2年と少し経ちます。橋梁と並行して国道が走っていて、冬だけでなく夏も絶景のスポットです
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