旅のおみやげに欠かせないご当地名物。とはいえ、数ある有名店のなかからどれを選んだらいいか迷ってしまうもの。
この連載企画では、みやげセレクトの参考に厳選したメーカーの味、大きさ、価格などを比較・分析。
初回の4月は、京都みやげの大定番「餡入り生八ツ橋」を徹底比較！比べてみると餡の甘さやニッキの強さなど、各メーカーの個性が明らかに。
どの「餡入り生八ツ橋」がお好み？
取材・文：千原 礼子
餡入り生八ツ橋
京都みやげの大定番！生八ツ橋を食べ比べ
八ツ橋は、京都で考案された和菓子で、その起源は江戸時代に遡るとされています。もともとはニッキ風味の薄い生地を焼いたものでしたが、現在八ツ橋といえば、焼かずに餡などをはさんで折りたたんだ餡入り生八ツ橋が一般的です。
八ツ橋ってどんな食べ物？
八ツ橋も生八ツ橋も、特徴的なのはふんわり香るニッキの香り。ニッキは、シナモンの一種で八ツ橋の生地に練り込まれています。
八ツ橋という名前の由来には、琴の名手八橋検校にちなんだ琴の形からという説と、伊勢物語の舞台「三河国八橋」の橋板の形とする説の二つがあります。
水上 勉の『五番町夕霧楼』の主人公・夕子に因んで名付けられた京都銘菓。もっちりとした「生八ッ橋」としっとりとした「つぶあん」がよく合う、京都ゆかりのおみやげです。
しっとりやわらかな米粉の生地に甘さ控えめのつぶあんが上品な和菓子。300年の歴史を誇る名店の一つです。
上品な甘さの自家製つぶあんは、北海道産の小豆を厳選し丁寧に炊き上げたもの。しっとりとした生八ツ橋との相性も抜群です。
風味のよい桂皮油を使用していて、薫り高く鮮烈なニッキの風味が特徴。特注の白いきな粉をまぶした見た目も美しい餡入り八ッ橋です。
今回、編集部では、京都に14社あるメーカーの中から有名４社を厳選。各メーカーのニッキ風味でつぶあんタイプの生八ツ橋を、編集者２名、カメラマン１名の合計３名で実際に食べ比べしてみました。
皮の柔らかさ、ニッキの強さ、餡の甘さ、価格、一個あたりの重さの５項目について、それぞれを比較しています。
食べ比べてみた印象
夕子（井筒八ッ橋本舗）
４つの中で一番皮がうすくてやわらかな口当たりでした。ニッキもはっきりと香り、餡の甘さが強めで濃厚な味わいです。
あんなま ニッキ（本家西尾八ッ橋）
甘さ控えめの上品な餡で、皮は程よい弾力としっとり感があります。ニッキの香りは４つのなかでは中程度。全体のバランスがよく、飽きのこない味わいです。
聖（ひじり）ニッキ
（聖護院八ッ橋総本店）
皮は程よい弾力としっとり感があり、餡の量が４つのうちで一番多く食べ応えがあります。ニッキは微かに香る程度でシナモンの風味が苦手な人向きです。
つぶあん入り生八ツ橋（東山八ッ橋本舗）
４つのなかでニッキの香りが一番強く、食べると口のなかにシナモンの風味が広がります。皮が一番白く、特注の白いきな粉をまぶしているので見た目も美しいです。
好みの餡入り生八ツ橋は？
＊価格は値段が安いものから順に5～1、重さは重いものから順に5～1、ニッキ・餡の甘さは強いものから順に5～1、皮の柔らかさは柔らかいものから順に5～1としています。
今回の試食で、八ツ橋の糖度や皮の柔らかさ、ニッキの強さにはそれぞれ違いがあることがわかりました。甘いものが大好きな方は井筒、ニッキがお好きな方は東山と、好みや用途に応じて、チョイスしてみてくださいね。
＼お取り寄せもできます／
本家西尾八ッ橋
聖護院の森近くにあった「八ツ橋や梅林茶店」がルーツ。江戸時代・元禄年間（1687）年創業で、創業当時は「白餅」が東海道の旅人の携帯食として重宝されていた店」にさかのぼります。
- かぐわしき八ッ橋
ニッキ 5個・抹茶 5個
聖護院八ッ橋総本店
元禄二年（1689年）創業。琴の名手・八橋検校の墓参に訪れる人たちにむけて八ツ橋を作り販売したのがはじまり。カラフルで新しい八ツ橋の新ブランドnikinikiも展開しています。
- 聖護院八ッ橋総本店 聖・抹茶詰合
10個入
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