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防災グッズ 2次災害を防ぐマストアイテムとは?
災害大国日本に住む私たちは、過去の災害から命を守る知識や知恵を学ばねばなりません。NHKで『震度7 何が生死を分けたのか ~埋もれたデータ 21年目の真実~』という番組が2016年1月17日に放送されました。阪神・淡路大震災の発災当日に亡くなった5036人(全体の死者の97%)の死体検案書のデータを当時最新の技術で解析し、首都直下地震への課題にアプローチする、という内容でした。この番組では、救えたかもしれない命に焦点をあて、今、私たちにできることを考えさせる多くのヒントを与えてくれました。
当時、10万棟という建物が全壊し、多くの人が建物の中で亡くなりました。即死の割合は意外なことに8%。61%にあたる2116人は窒息死でした。これは地震発生からある程度の間は生きていたことを意味します。発災直後は「助けて!」という声が建物内から聞こえてきたといいます。では、地震における窒息死はなぜ起こるのでしょうか。倒れた柱や家具によって腹や胸が圧迫されることで「外傷性窒息」を起こし亡くなる方は、高齢者に限らず、20代という若者でも160人という多くの方が被害に遭いました。これを防ぐには建物の耐震化しかないと言われています。放送当時、震度6強で倒壊の恐れのある建物は全国に900万棟あるとされていました。少なくとも先に述べた家具の固定なら、今すぐにでもできる対策ですので、ぜひ検討してみてください。
首都直下地震でも想定される火災。阪神・淡路大震災では、地震発生から1時間以内に113件の火災、1時間以降に92件が起きたと言われています。そのうち、通電火災の疑いがあるのは39件でした。通電火災とは、地震による停電の後、電気が復旧した時に起きる火災で、地震によって倒れた電気ストーブに再び電源が入ることなどよって被害が増えました。
これを防ぐには、安全装置のある電気ストーブを選ぶ、感電ブレーカーを設置する、など未然に防ぐ方法があるので、ぜひ検討してみてください。
この番組内では、地震発生から5時間後、まだ500人の方が生きていたにも関わらず、救助の手が不足したために亡くなってしまったとも放送していました。原因は震災当日のマイカー利用による渋滞でした。現在はその教訓から、非常時の一般車両の交通規制も行っているそうですが、東日本大震災の時、帰宅困難者が車道を歩きだし大渋滞が発生したことから、いまだに教訓が生かし切れていない点にも警鐘を鳴らしていました。いまは帰宅困難者による一斉帰宅の抑制も条例で定められています。備えがあったら救える命もあることを意識し、一人一人が取るべき行動をある程度知識として頭に入れておく必要があるのかもしれません。
防災&災害時に役立つ無料アプリ
スマホで情報を収集して、緊急時に役立つ機能などをチェックしておけば、いざというときに強い味方になってくれること間違いなしです。ここでは無料アプリをご紹介します。(アプリ内の課金はあります)
【 総合防災アプリ 】
Yahoo!防災速報
緊急地震速報や豪雨予報などの災害情報をプッシュ通知で知らせてくれる。また防災手帳の機能では、避難場所の登録、ハザードマップ、防災用品の確認や普段の備えに活用することができる
特務機関NERV防災 App Store
特務機関NERV防災 Google Play
地震・津波・噴火・特別警報の速報や洪水や土砂災害といった防災気象情報を、利用者の現在地や登録地点に基づき最適化して配信
LINEみんなで考える防災
災害が起きる前の準備や起きた後にどんな方法があるのかをみんなで考えるアカウント
【 地震対策アプリ 】
ゆれくるコール App Store
ゆれくるコール Google Play
地震の発生をプッシュ通知で受け取ることができ、震度マップで周囲の震度も一目で把握できる。また体感した震度をシェアできるという機能も
もしゆれ App Store
今自分がいる場所で大地震の揺れに見舞われたらどんな被害が想定されるかを写真を撮ってシミュレーションするアプリ
【 水害・地盤調査アプリ 】
河川カメラ-国土交通省 App Store
全国8200か所以上の河川情報を掲載。最新の気象情報がキャッチできる
防災リスマ-災害リスク・ハザードマップ App Store
洪水・土砂災害の防災に便利なハザードマップ。自治体が公開しているハザードマップにアクセスできる
地盤サポートマップ App Store
地盤サポートマップ Google Play
調べたい土地の地盤・防災・生活情報が地図上で確認できる。地震時の揺れやすさや液状化の可能性、活断層帯などを調べることができる
【 位置情報確認アプリ 】
Life360-子どもの見守り App Store
Life360-子どもの見守り Google Play
GPSを用いて位置情報の共有ができる。グループ内でのチャット機能もあり。スマホの紛失や盗難時に追跡や監視も可能。東日本大震災時にも活躍した
LINE、Twitter、Facebookなど一般的なSNSも災害時の情報収集ツールとして非常に有効的なので、ぜひ活用しましょう。また災害時はデマも発生しやすいので注意が必要です。
災害時の情報収集に有効なツールとして、ラジオで地域の情報を得たり、ツイッターの官公庁関連のアカウントをフォローするのも有効手段です。
なお、被災地域にのみ臨時に利用可能となる無料Wi-Fiがあるのをご存知でしょうか?「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)をタップすればインターネットが無料で使用できます。ただしセキュリティは保証されておらず、個人情報など流出の恐れがあるため、最低限の利用にとどめましょう。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
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昭文社旅行ガイドブック編集部にて編集歴約20年。関西在住の編集者。アウトドア、サブカル(特に漫画はジャンル問わず!)、文学、映画、雑学、オカルト、なんにでも興味津々。旅行・おでかけネタを中心にミックスカルチャーな情報を発信します。