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「ザ・ローリングストーンズ」ってどんなバンド?-後編

ザ・ローリングストーンズは2023年に発表したニューアルバムの「ハックニー・ダイアモンズ」(Hackney Diamonds)まで、オリジナルアルバムを30枚以上(イギリス版、アメリカ版などで枚数が異なるため、正確な数は解釈によって変わります)、ベスト版などコンピレーションアルバムを含めると悠に50枚を超えるアルバムがあり、全世界での総売り上げ枚数は2億枚を超えるといわれています。

何もかもが規格外のモンスターバンドのストーンズですが、ほぼ同時期にデビューしたザ・ビートルズに比べると音楽的な独創性や創造性といった部分で、圧倒的に地味な存在だったといえるかもしれもしれません。ブルースをベースにしたブルース・ロックがスタートというところは同じでも、その後、そんな垣根を悠々と超えていったビートルズに対してストーンズは、どこまでも原点となる黒人音楽に固執して、その世界観を突き詰めて昇華していったといえます。ビートルズに比べてより不良っぽい印象が強いストーンズは、その音楽感においては、ある意味とても真面目で、そのアイデンティティを大切にしながら今日までやって来たといえます。そして、それが私個人としては、ストーンズの最大の魅力だと思っています。

『「ザ・ローリングストーンズ」ってどんなバンド?』前編はこちら

 

 

ドライブで聴きたいローリング・ストーンズのアルバム⑥ It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)

ドライブで聴きたいローリング・ストーンズのアルバム⑥ It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)
画像:楽天

1974年にリリースされたオリジナルアルバムです。「たかがロックンロール、されどロックンロール」の格言?をこれだけ堂々と言い切られると、もう誰も何も言えません。
このアルバムは、ミック・テイラーが参加して以降のザ・ローリングストーンズで、ある意味、一番まとまっていて完成度が高い仕上がりのアルバムだといえるかもしれません。そして、このアルバムを最後にミック・テイラーが脱退、次のアルバムからストーンズは友達のロン・ウッドを加えた馴れ合いバンドの時代へと進んでいくことになります。
このアルバムではオープニングから最初の3曲の畳み掛けるような流れが圧巻です。この時代に、このアルバムの中で見られるような独特の緊張感漂う世界が展開されたのは、ある意味、異分子的存在のミック・テイラーがいたからこそなのではと、私個人は勝手に思っています。彼がストーンズに在籍した時代に発表されたアルバムはこのアルバムを含めてわずか5枚でしたが、この時代こそがストーンズの頂点だった言うのが私個人の意見です。

■収録曲

A面
1, イフ・ユー・キャント・ロック・ミー(If You Can’t Rock Me) 作詞・作曲Jagger- Richards
2. エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ (Ain’t Too Proud to Beg)  作詞・作曲Norman Whitfield-Eddie Holland
3. イッツ・オンリー・ロックン・ロール(It’s Only Rock’n Roll (But I Like It)) 作詞・作曲 Slim Harpo
4. ティル・ザ・ネクスト・グッドバイ(Till The Next Goodbye) 作詞・作曲Jagger- Richards
5, タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン(Time Waits for No One) 作詞・作曲Jagger- Richards
B面
1. 快楽の奴隷(Luxury) 作詞・作曲Jagger- Richards
2. ダンス・リトル・シスター(Dance Little Sister) 作詞・作曲 Jagger- Richards
3. マイ・フレンド(If You Really Want to Be My Friend)  作詞・作曲 Jagger- Richards
4. ショート・アンド・カーリーズ(Short and Curlies) 作詞・作曲 Jagger- Richards
5, フィンガープリント・ファイル(Fingerprint File) 作詞・作曲Jagger- Richards

It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)必聴曲①:イフ・ユー・キャント・ロック・ミー(If You Can't Rock Me)

オープニングチューンはストレートで少しヘヴィーなロックナンバーです。余談ですが、このアルバムが発売になった当時、LPを予約するとおまけでポスターがもらえたという記憶があります。イラストで描かれたミック・ジャガーが万年筆のようなペンを自分の胸に突き立てているといった内容だったと思うのですが、そのショッキングな絵柄と、アルバムのオープニングチューンの世界観が自分の中で不思議とリンクして、なぜか鳥肌が立つような高揚感を覚えたことを記憶しています。

It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)必聴曲②:エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ (Ain't Too Proud to Beg)

1960年代に人気だったアメリカのソウルコーラスグループ“テンプテーションズ”のカヴァーで、1曲目からの流れの勢いをそのまま維持するようにストレートなロックナンバーに仕上がっています。3曲目へ繋ぐブリッジのような役割を果たすのと同時に、曲単体で見ても実に完成度が高い仕上がりで、アルバムからの2枚目のシングルカットナンバーにもなっています。

It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)必聴曲③:イッツ・オンリー・ロックン・ロール(It's Only Rock'n Roll)

このアルバムでは、3曲目にタイトルチューンが収録されています。2曲目の「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ」が終わって、間髪入れずにこの曲のイントロがはじまる感じが何ともカッコよくて、思わず前のめりで聴き入る状態に陥ってしまいます。うねるようにスイングするリズムが、T-REXの「ゲット・イット・オン」を彷彿とさせるて、思わず身体が動いてしまうロックンロールナンバーに仕上がっています。
当時のプロモーションビデオでザ・ローリングストーンズのメンバー全員が船乗りの格好(セイラー服)で演奏するシーンが印象に残っています。

It's Only Rock'n Roll(イッツ・オンリー・ロックン・ロール)必聴曲④:フィンガープリント・ファイル(Fingerprint File)

アルバム最後に収録されているこの曲は、その後のザ・ローリングストーンズの方向性を暗示するナンバーです。伝統的な黒人音楽から、コンテポラりーなブラックミュージックへの移行を模索している感じが如実に現れた楽曲になっているのでチェックしてみてください。

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