ポールの曲といえば、イエスタデイやレット・イット・ビーなどに代表される美しいメロディのポップなナンバーをイメージする人が多いと思いますが、実は、彼の音楽は驚くほど幅広いのです。

ブルースやリズム＆ブルース、ロックンロール、ハードロック、フォークソング、カントリー、クラシック、イギリス民謡などあらゆるジャンルの音楽を取り込んでおり、何よりすごいのが、その全てにおいて、それぞれのジャンルの“本物”を超えるクオリティであるということです。

ビートルズ時代の『ホワイトアルバム』に収録されている「ヘルター・スケルター」などは、どんなにヘヴィーなハードロックバンドでも、ここまでヘヴィーな演奏はできないないでしょ！というほど迫力満点のサウンドを作り上げています。

同じ人物が歌っているとは思えないほどバリエーション豊富な歌声を持ち、すべての楽器を巧みに弾きこなす彼の圧倒的な才能は、言葉に尽くせるものではないと断言できます。

左利きのポール・マッカートニーはまだ生きています（2024年7月現在）。というより、82歳になりましたが、一歩間違ったら今後も来日公演を見るチャンスがあるかもしれません。

もちろん、今は全盛期のバイタリティはないでしょう。それでも、もしも彼がライブをするとしたら、ビートルズを聴いて育った世代にとっては、自らが生きた証として、やはりそこには立ち会わねばならないでしょう。

そして今後は、彼が残した偉大な功績が今の若者たちや、次の世代の人々にも受け継がれることを願ってやみません。