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大人デートで聴きたいポール・マッカートニーの名曲⑦: Band on the run (バンド・オン・ザ・ラン)

1974年にリリースされたアルバム『Band on the run (バンド・オン・ザ・ラン)』のタイトルチューンで、オープニングナンバーです。ウイングス時代の代表曲で、ライブでも必ずといっていいほど演奏されます。

アルバムの発売当時「バンドは荒野を目指す」といった邦題がつけられていたように思うのですが、歌詞の内容としては、おそらく牢獄から逃げ出す囚人の歌です。曲調としては、2回曲調がガラッと変化する3部構成で、ポールお得意のパターンです。

スタートは囚人が牢獄の中で「ママに会いたい」と泣くシーンをスローなテンポで。曲調が少しファンキーな感じに展開し、脱獄を決意するシーンへ。そして、疾走感あふれる曲調に変わる後半には脱獄に成功して荒野を走り抜けるシーンと、まさにドラマ仕立ての構成です。12弦のアコースティックギターのカッティングがとても爽やかな響きで、自由を手に入れた男の解放感が見事に描かれている名曲です。

大人デートで聴きたいポール・マッカートニーの名曲⑧:Coming up (カミング・アップ)

1980年にリリースされたアルバム『McCartneyⅡ(マッカートニーⅡ)』に収録された1曲です。ビートルズ脱退後最初に発表したソロアルバム「マッカートニー」から10年の時を経てリリースしたこのアルバムも当時と同じように、基本的に全ての楽器をポールが一人で演奏しています。

アルバムからシングルカットされた「カミング・アップ」のPVでは、様々な服装や髪型をしたポールが10人ほど同時に登場して、少しおどけながら演奏するという合成映像が見られます。

ポール・マッカートニーという人は、とにかく昔からおふざけやジョークが好きなことで有名で、このPVでもその精神がいかんなく発揮されています。ポール扮するギターリストやドラマー、キーボディストなどが皆どこかで見覚えがる“あのミュージシャンたち”のパロディであることは明らかで、彼の遊び心が目一杯詰まったPVは、彼の性格を知る上でも一件の価値ありです。

時はテクノポップ全盛期で、ポールがそんなテイストをしっかり取り入れて作ったこの曲自体もある意味パロディと言えるのかもしれません。それでも、冒頭でも言った通り、当時流行っていたどのテクノポップの名曲たちよりカッコいい仕上がりになっていて、パロディがいわゆる“本物”を超えているのが、ポールのポールたるゆえんでしょう。

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