更新日: 2023年4月10日
おすすめのミュージカル映画! 話題作から不朽の名作まで20作品+αをご紹介!
いつの時代も、ミュージカル映画は人々を楽しませてきました。
歌い踊るという非日常的なことからこそ得られる感動や興奮。
一見華やかで陽気な、その裏に隠された悲哀。
そういったものがミュージカル映画の魅力と言えるかもしれません。
この記事では、
◎2010年代以降の話題作
◎意外と観てない? 定番の作品
◎一度は観ておきたい! 不朽の名作
の3つに分けて、20作品をご紹介します。
お好きなタイプの作品と出会えますように!
目次
ミュージカル映画新時代! 近年の話題作
おすすめのミュージカル映画1. ラ・ラ・ランド
王道ミュージカルと見せかけた、ビターな作品
間違いなく2000年代以降を代表するミュージカル映画の一本。ただし、タイトルの語感ほど「陽気」な作品ではありません。ハリウッドやロサンゼルス(LA)のことを指す俗語「la-la land」には、そもそも「現実から遊離した精神状態」などという意味もあるのです。そしてこの映画は、比較的そういう映画です。
それはそれとして、本作の魅力のひとつにはデイミアン・チャゼル監督の「好き」が詰まった「無数の名作オマージュ」が挙げられます! ここを入り口に、過去の様々なミュージカル映画に触れてみるのはいかがでしょうか。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2016年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | デイミアン・チャゼル |
出演者 | ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン ほか |
時間 | 128分 |
おすすめのミュージカル映画2. グレイテスト・ショーマン
オリジナル脚本でヒットしたミュージカル映画
19世紀、サーカスなどの興行で成功を収めた興行師「P・T・バーナム」の人生を描いた作品です。『ラ・ラ・ランド』でも高く評価されたソングライターコンビ、パセク&ポールが音楽を手掛けました。「ザ・グレイテスト・ショー」「ディス・イズ・ミー」といった力強くエモーショナルな楽曲は、テレビで耳にする機会も多かったのでは。
なお、『レ・ミゼラブル』でも圧倒的な歌唱力を見せた主演のヒュー・ジャックマンは、鼻を80針も縫う大手術の直後、傷口が開く勢いで本作に臨んでいたのだそう。彼もまたグレイテスト・ショーマンと言えましょう。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2017年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | マイケル・グレイシー |
出演者 | ヒュー・ジャックマン/ザック・エフロン/ゼンデイヤ ほか |
時間 | 105分 |
おすすめのミュージカル映画3. ウエスト・サイド・ストーリー
あの歴史的名作が巨匠の手で蘇る
泣く子も黙る映画の神様スティーヴン・スピルバーグ監督が、泣く子も黙る名作ミュージカル『ウエスト・サイド物語』を1961年以来の再映画化! 口笛の音が鳴り響くオープニングから「これが“映画”だ……」と恍惚の表情になってしまうような、超一級の作品が誕生しました。
新録音で蘇ったレナード・バーンスタインのトラックもまた、泣く子も黙る名曲だらけ。一般的なミュージカルナンバーとは一線を画する「マリア」「トゥナイト」などの歌曲が、ニューヨークのスラム街を舞台にした「ロミオとジュリエット」的物語をより切なく美しく引き立てます。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
出演者 | アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー/リタ・モレノ ほか |
時間 | 156分 |
おすすめのミュージカル映画4. イン・ザ・ハイツ
リン=マニュエル・ミランダの名前、テストに出ます
常時プレミアチケットとも言われる超人気ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』。そのクリエイター&パフォーマーであるリン=マニュエル・ミランダが手掛けたもう一つのビッグタイトルが『イン・ザ・ハイツ』です。
本作の特筆ポイントは、まず全編通して「ラテン音楽のミュージカル」であるというところ(意外と珍しい!)。そしてひたすら完璧に、一瞬の隙もなく作り込まれたエンタテインメントであるところ。圧倒的なサウンドと圧巻のパフォーマンス、その上で語られる移民の国アメリカにおけるリアルを、全身で体感してください!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジョン・M・チュウ |
出演者 | アンソニー・ラモス/メリッサ・バレラ/レスリー・グレイス ほか |
時間 | 143分 |
おすすめのミュージカル映画5. SING/シング
動物たちの夢追いショウビズ物語
『ミニオンズ』のイルミネーションによる人気シリーズ。スティーヴィー・ワンダーからきゃりーぱみゅぱみゅまで幅広い音楽が登場し、全年齢向けのアニメーション作品でありながらディズニー・ミュージカルとは大きく異なる個性を打ち出しています。蔦谷好位置プロデュースの日本語吹き替え版も評判を呼びました
2021年公開の続編『SING/シング:ネクストステージ』では、一気にスケールアップしたショウビジネスの世界を、圧巻のグラフィックと相変わらず愛くるしいキャラクターたちで見せてくれます。B’zの稲葉浩志が声優に初挑戦したことも話題に!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2016年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ガース・ジェニングス |
出演者 | マシュー・マコノヒー(声)/リース・ウィザースプーン(声)/スカーレット・ヨハンソン(声)ほか |
時間 | 108分 |
おすすめのミュージカル映画6. キャッツ
ご唱和ください、猫は人にあらず!
『オベラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド・ウェバーによる作品。日本では劇団四季の人気タイトルとしても知られていますが、同じく四季人気作の『ライオン・キング』『アラジン』などと違い「映画版」が存在しなかったため、この映画化で初めて内容を知った人も多かったのかもしれません。そのシュールな世界観への戸惑いが、SNSを一時期騒がせました。
しかし本作、元々かなり珍妙な作品なのです。その名の通り、猫による猫のための物語なのです。名曲「メモリー」の響きに騙されてはなりません。変な映画だと覚悟して観れば、きっと楽しめるはず。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2019年 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
監督 | トム・フーパー |
出演者 | ジェームズ・コーデン/ジュディ・デンチ/ジェニファー・ハドソン/テイラー・スウィフト ほか |
時間 | 110分 |
おすすめのミュージカル映画7. アナと雪の女王
食わず嫌いはもったいない。続編も必見!
日本中に「アナ雪」旋風を巻き起こした大ヒット作。『Frozen』という原題を『アナと雪の女王』に変えたこと、主題歌「レット・イット・ゴー」の歌詞を「ありのままの」と和訳したこと、吹き替えキャスティングなど、全てがうまく転じた奇跡的な作品です。
2019年公開の続編『アナと雪の女王2』では、前作の3年後を描きます。アナとエルサの「すれ違い」がもどかしかった前作に対し、強い信頼関係が確立された上で展開していく『2』は安心して観れるのが魅力! 全てがブラッシュアップされた素晴らしい続編となっています。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | クリス・バック/ジェニファー・リー |
出演者 | クリスティン・ベル(声)/イディナ・メンゼル(声)/ジョナサン・グロフ(声)ほか |
時間 | 102分 |
意外と観てない? 定番のミュージカル映画
おすすめのミュージカル映画8. ムーラン・ルージュ
2019年開幕のブロードウェイ公演も話題
「ジュークボックス・ミュージカル」というジャンルをご存知でしょうか。作品のために書き下ろされた新曲ではなく既存のヒット曲などを劇中に組み込んだミュージカルのことで、本作はその代表的な一本! 赤い風車が有名なパリのキャバレー「ムーラン・ルージュ」を舞台に、踊り子と作家のラブストーリーが繰り広げられます。
『華麗なるギャツビー』の奇才バズ・ラーマン監督が贈る豪華絢爛な映像世界は、もしかすると好みの分かれるところかも。ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーの2大スターを主役に据え、好きな人にはたまらない仕上がりとなりました。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2001年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | バズ・ラーマン |
出演者 | ユアン・マクレガー/ニコール・キッドマン ほか |
時間 | 127分 |
おすすめのミュージカル映画9. マンマ・ミーア!
意外と知らない、ABBAの曲の魅力に触れる
南国ギリシャの島を舞台に、ABBAの楽曲をふんだんに使用したミュージカル。とにかく底抜けに明るく楽しい作品で、名曲「ダンシング・クイーン」のシーンなどはあまりの多幸感に涙が出てきてしまうほど。そう、楽しい映画って泣けるんですよねえ……。笑って泣いて、心からデトックスしたい大人向けです!
2018年には続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』も公開。ふたつの時間軸を行き来する前日譚的な物語になっており、前作では詳しく語られなかった「過去」を見ることができます。お約束の「ダンシング・クイーン」も再び!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2008年 |
製作国 | イギリス |
監督 | フィリダ・ロイド |
出演者 | メリル・ストリープ/アマンダ・サイフリッド ほか |
時間 | 108分 |
おすすめのミュージカル映画10. ノートルダムの鐘
ひときわ大人向けのディズニー作品
「鐘つき男」と「ジプシー」、主役とは縁遠い“のけ者”たちが主人公の、ビターで異質なディズニーアニメ作品。ヒロインのエスメラルダ(プリンセスではないのも珍しい)が大聖堂で歌い上げる「ゴッド・ヘルプ」は、ディズニー映画の音楽を数多く手掛けた名匠アラン・メンケンによるバラードの中でも屈指の名曲です。
原作者のヴィクトル・ユーゴーは『レ・ミゼラブル』の著者としても有名。トリビアとして、アニメ劇中に登場するノートルダム大聖堂のガーゴイル(石像)たちには「ヴィクトル」「ユーゴ」という名前が付けられています。
映画の詳細データ | |
公開年 | 1996年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ゲイリー・トルースデール/カーク・ワイズ |
出演者 | トム・ハルス(声)/デミ・ムーア(声)/ハイジ・モーレンハウアー(歌)ほか |
時間 | 90分 |
おすすめのミュージカル映画11. ダンサー・イン・ザ・ダーク
甘ったるいミュージカルなど観たくない方へ
アイスランドの歌姫ビョークが音楽と主演をつとめた傑作。先天性の病気で徐々に視力が失われていく主人公と、無慈悲にもそんな彼女に降りかかる不幸、そして現実とは対照的に明るい空想のミュージカルシーン。苦情のないよう忠告しておくと、「トラウマ映画」と名高い一作でもあります。ご留意ください。
主な楽曲はビョークによるものですが、例外として主人公が劇団で『サウンド・オブ・ミュージック』を練習しているシーンなども出てきます。終盤、名曲「私のお気に入り」が歌われる「とある極限状態の場面」は、胸に焼き付けられる名シーンです。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2000年 |
製作国 | デンマーク |
監督 | ラース・フォン・トリアー |
出演者 | ビョーク/カトリーヌ・ドヌーヴ/デヴィッド・モース/ピーター・ストーメア ほか |
時間 | 140分 |
おすすめのミュージカル映画12. RENT/レント
社会派現代ミュージカルの金字塔
1996年の初演以降コアな人気を誇るブロードウェイ・ミュージカルを映画化したもの。人種差別や性的マイノリティ、薬物中毒にエイズといったセンシティブな題材をミュージカルに仕立てた画期的な作品とされています。なお、脚本から作詞作曲まで全てを手掛けたジョナサン・ラーソンは初演の開幕当日に35歳の若さで急逝。自作の世界的な成功を知りません。
1年間を分数で測った「525,600分」というフレーズから始まるナンバー「Seasons of Love」は、幕開け早々のハイライト。じっくり歌詞を読みたくなります。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2005年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | クリス・コロンバス |
出演者 | アンソニー・ラップ/アダム・パスカル/イディナ・メンゼル ほか |
時間 | 135分 |
おすすめのミュージカル映画13. 天使にラブ・ソングを…
ギャングの愛人が修道院に匿われる話
超有名タイトルですが、そのぶん「こういう話でしょ」と勝手に想像して観ずじまい、な方も多いのではないでしょうか。でもその想像、合ってますか? いきなり銃撃戦が始まったりする映画なのですけど、合ってますか?
——というわけで、じつは結構「クライム映画」な本作。いい意味での「思ってたのと違った!」をお楽しみください。ネットミーム化した合唱シーンも楽しいですし、名曲「ジョイフルジョイフル」のパフォーマンスを見れる続編『天使にラブ・ソングを2』もおすすめ。ちなみに舞台版の音楽はアラン・メンケンによる書き下ろしです!
映画の詳細データ | |
公開年 | 1992年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | エミール・アルドリーノ |
出演者 | ウーピー・ゴールドバーグ/マギー・スミス/ハーヴェイ・カイテル ほか |
時間 | 100分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】353
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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
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