ラム酒の選び方
ラム酒を選ぶ際のポイントは、まずはラム酒の種類とその特徴を知ることから。アルコール度数はどれも35〜50%なので、自分がしたい飲み方に合わせて選ぶのもおすすめです。
ラム酒の選び方1.味わいのタイプから選ぶ
ラム酒は、熟成度合いにより色味と味わいが違い、それぞれホワイト、ゴールド、ダークと称されています。色合いの軽いものは味わいも軽く、色が濃くなるに従い重たいあじわいとなるため、ライト、ミディアム、ヘビーとも呼ばれています。
ホワイトラム(ライト)
蒸留後、樽ではなくステンレスタンクで熟成させた原酒を活性炭で濾過した無色透明のラム酒。
スッキリとしたクリアな味わいのため、カクテルでの飲み方が一般的です。
ゴールドラム(ライト)
蒸留後、樽で3年未満熟成させた原酒を濾過せずそのまま瓶詰めした、ゴールドから薄い褐色のラム酒。
バーボンウイスキーの熟成に使われていたバーボン樽を使用して熟成させる場合もあり、ほんのりと樽の香りが感じられるのが特徴です。カクテルでも、そのままでもどちらもでも美味しい飲み方ができる万能選手です。
ダークラム(ミディアム〜ヘビー)
蒸留後の原酒を、内側を焦がした樽であるチャード・オークやバーボン樽で3年以上熟成させた濃い褐色のラム酒。
長い熟成により、キャラメルやスパイスなどのニュアンスが加わった深みのある味わいのため、そのまま飲むはもちろん、お菓子や料理の風味づけとして使われることもあります。
ラム酒の選び方2.元・宗主国の系統から選ぶ
ラム酒は、元は植民地であった地域で造られ始めたもの。そのため、それぞれの宗主国のお酒の造り方がラム酒造りにも反映されています。国によって「ラム」のスペルが違うのも、知っておくと豆知識を披露できるかもしれません。
イギリス系(Rum)
ジャマイカ、バルバドス、トリニダーゴ・トバゴなど、かつてイギリス領だった地域で生産されたラム酒。
スコッチウイスキー製造の技術が活用されていることもあり、骨がある、どっしりとした厚みのある味わいが特徴です。
フランス系(Rhum)
旧フランス領のハイチ、モーリシャス島、現在もフランス領であるマルティニーク島などの地域で生産されたラム酒。
フランス系ラム酒は、廃糖蜜ではなくサトウキビジュースを原料に造られている(アグリコール製法)ものがほとんどで、さらにコニャック(ブランデー)の特徴を受け継いでいるため、とても風味豊か。通好みのラム酒と言えるでしょう。
スペイン系(Ron)
キューバ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ等の旧スペイン領の地域で生産されたラム酒。
スペイン系ラム酒はシェリー酒の造り方を応用して造られているため、さっぱりとしたものから個性が強いものまで味わいは様々。キューバ産の葉巻と一緒に味わいたいですね!
おすすめラム酒10選
ここからは、ソムリエおすすめのラム酒を10銘柄ご紹介。どれも美味しいラム酒なので、お気に入りのラム酒が見つかるはず!
おすすめラム酒1.バカルディスペリオール ホワイト
世界最大のラム酒メーカー、バカルディのホワイトラム。これを置いていないバーはない!と(たぶん)断言できるほど、ホワイトラムの中で定番中の定番。
ほんのりと香る甘いフルーティーな香りにスッキリとした味わいで、軽い飲み方に向いています。カクテルにするなら迷わずこれ!
タイプ:ホワイト
系統:スペイン系
容量:750ml
アルコール度数:40%
参考価格:1,434円
おすすめラム酒2.ラ・マニーアグリコール ブラン
国際コンペティションで高い評価を得ているラ・マニー蒸留所のホワイトラム。
熟成期間が短いホワイトラムでありながらも、新鮮なサトウキビジュースを使うアグリコール製法で造られているため、フルーティーな香りがとても豊かで、ボディもしっかりとしているのが特徴です。
カクテルに使用しても美味しいですが、蜂蜜のような甘い香りを味わいたいなら、シンプルにロックやソーダ割りの飲み方もおすすめ!
タイプ:ホワイト
系統:フランス系
容量:700ml
アルコール度数:40%
参考価格:3,198円
おすすめラム酒3.多良川ラム酒 マクガン
宮古島で育ったサトウキビ、宮古島を流れる水、宮古島に発生している酵母と、全てを宮古島産にこだわった珍しい日本産のラム酒。
日本産だけあり、泡盛を思わせるフルーティーでマイルドな口当たりが特徴。ロックやソーダ割りにして、すだちやライムを絞る飲み方がおすすめです。
名前のマクガンとは、沖縄の方言で「ヤシガニ」のこと。珍しいラムを探している方へのギフトにもどうぞ。
タイプ:ホワイト
系統:-系
容量:750ml
アルコール度数:40%
参考価格:3,008円
おすすめラム酒4.キャプテン・モルガンスパイストラム
ゴールドラムが好きな方にとっておそらく外せないのが、こちらの果物やスパイス、バニラなどを漬け込んで造られたスパイストラム。
ストレート、ロック、ソーダ割り、カクテルと、どんな飲み方をしても美味しいので、是非とも飲んでもらいたいラム酒の一つです。
カクテルに使うと、スパイスのおかげで一味違った味わいが楽しめます。ちなみにキャプテン・モルガンは17世紀の海賊の船長の名前です。
タイプ:ゴールド
系統:イギリス系
容量:700ml
アルコール度数:35%
参考価格:1,848円
おすすめラム酒5.J.バリーアンブレ
フレッシュなサトウキビジュースからラムを造るアグリコール製法を始めた最初の蒸留所のひとつであるJ.バリー。
18〜24ヶ月熟成されたゴールドラムは、バニラやイチジクの芳醇な香りに、タバコの葉のニュアンスを感じる大人の味わい。
おすすめの飲み方はストレートですが、ライムとの相性も良いのでライムを使ったカクテルにもおすすめです。
タイプ:ゴールド
系統:フランス系
容量:700ml
アルコール度数:45%
参考価格:3,948円
おすすめラム酒6.ロンリコゴールド
禁酒法時代にも製造を許可されていた唯一のラム酒メーカーであるロンリコ。
1860年の誕生以来、伝統の製法を守って造られているというこちらの一番の特徴は、何と言ってもその樽香。オーク樽で熟成させた豊かな香りとまろやかな口当たり、コクのある味わいは、やはりストレートがおすすめの飲み方!
樽香が効いたお酒が好きな方へのギフトにもおすすめです。
タイプ:ゴールド
系統:スペイン系
容量:700ml
アルコール度数:40%
参考価格:1,674円
おすすめラム酒7.マイヤーズラム オリジナルダーク
ダークラムといえばマイヤーズ、マイヤーズといえばダークラム、というくらいダークラムの定番はこちらのラム酒。
200種類以上の中から厳選した原酒をホワイトオーク樽で4年間熟成させて造られているため、ハッとするような華やかで豊かな香りと深みのある味わい。
ストレートでもロックでもカクテルでも、どんな飲み方をしても美味しいです。濃厚な味わいのため、コーヒーや牛乳と割っても相性抜群。バニラアイスクリームにかけるのもおすすめの味わい方です。
タイプ:ダーク
系統:イギリス系
容量:700ml
アルコール度数:40%
参考価格:1,928円
おすすめラム酒8.ロンサカパ23
サトウキビの一番搾り汁を濃縮したものを蒸留するという独自の製法により造られ続け、世界中のラム酒愛好家に愛され続けているロンサカパ。
6年から23年熟成させた原酒をブレンドしたものがこちらの23。樽香に蜂蜜やレーズン、バニラやキャラメルなどの豊かで複雑な香りと、とても濃厚でまろやかな甘さが特徴です。
飲み方はストレートまたはロックがおすすめですが、ソーダ割りにしても風味が際立って美味しいですよ。
タイプ:ダーク
系統:スペイン系
容量:750ml
アルコール度数:40%
参考価格:4,605円
おすすめラム酒9.バルバンクール15年
創立当初は、コニャックの製造に用いられる蒸留法で造られていたというバルバンクール。
内側を焦がしたホワイトオークの樽で15年以上熟成させて造られているラム酒のため、樽香はもちろん、黒糖やキャラメルなどの甘く豊かな香りが広がります。
香りに反して味わいは甘さ控えめでドライ、アルコール度数も43%と高めのため、お酒は辛口に限る!という人も美味しく飲めること間違いなし。
ストレート、またはロックでの飲み方がおすすめです。
タイプ:ダーク
系統:フランス系
容量:750ml
アルコール度数:43%
参考価格:6,200円
おすすめラム酒10.パンペロアニバサリオ ラム
世界第2位のラム酒メーカーのパンペロ。最高品質のサトウキビを使い、2種類のアメリカンオーク樽で6年間熟成させ、ユニークなブレンドを施されたこちらのダークラムは、まるでコニャックのような深い味わいが特徴。
熟したフルーツに加えて、シナモンやチョコレート、レザーの香りが広がるウッディな味わいは、ストレートやロックはもちろん、ホットラムにするのもおすすめの飲み方です。
タイプ:ダーク
系統:スペイン系
容量:700ml
アルコール度数:40%
参考価格:2,806円
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】三野 勝博
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ミラノに本社のあるワインショップ「ワインティップ」を運営。
ワインを学ぶためイタリアミラノに5年間在住。在住時にイタリアソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。
現在は日本でオールドヴィンテージのイタリアワイン販売サイトを運営している。
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