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おすすめのSF映画5. カラー・アウト・オブ・スペースー遭遇ー
「あんな色、見たことがない」
クトゥルフ神話の生みの親、H・P・ラヴクラフトによる短編小説『宇宙からの色』を映画化した作品です。
都会を離れ、豊かな自然の中で暮らす一家。ある日、強烈な「色」とともに隕石が庭先へ落ちるが、隕石はいつしか姿を消してしまう。しかし「色」の主張は日に日に強くなり、一家の平穏な生活は壊れていくのだった——。
原作では、この「色」が「何色」なのかは最後まで明記されないそうです。とはいえ映像化するとなっては、モノクロにする以外ありません(しかも「モノクロ」を使った映像化は過去にされている!)。そこで今作は、あえて特定の色を「それ」としています。これがとても神秘的な色なので、序盤では「綺麗な映画」と感じることでしょう。
が、あらかじめ警告しておきます。本作、かなり「悪趣味」です! なにとぞ「(やたら映像の美麗な)B級映画」を観る心構えでご覧いただくことを推奨します。いっぽう、狂ったニコラス・ケイジを堪能したい方には、この上ない快作となっております。
「色」に侵略される、という得体の知れない掴みは、名作SFホラー『未知との遭遇』や『遊星からの物体X』を彷彿とさせるものでもありますね。ぜひ併せてどうぞ。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2020年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | リチャード・スタンリー |
出演者 | ニコラス・ケイジ/ジョエリー・リチャードソン/マデリン・アーサー ほか |
時間 | 111分 |
おすすめのSF映画6. アップグレード
お手軽にSFを堪能したい方へ
SF映画って総じて「長い」ですよね。当たり前のように「150分」なんて作品がわんさか出てきます。SFの高揚感は味わいたいけれど、もうちょっと短くならないものかしら。そんな方におすすめしたいのが、この『アップグレード』です。ずばり「95分」。絶妙じゃないですか?
舞台は、自動運転車が街に溢れる近未来。エンジンオイルとビンテージカーを愛する昔気質の主人公は、皮肉にも自動運転車の暴走事故で四肢まひを患い、さらには最愛の妻も何者かの手により殺されてしまう。しかし「極秘の手術」で最先端のAIチップ「STEM」を体内に埋め込んだ彼は、チップの力で身体を動かせるように。表向きは車椅子生活をしながら、犯人を追っていく——。
ざっくり言えば「身体機能がAIに乗っ取られる」話です。人間離れしたアクションシーンも楽しいですが、ペンを持った手がプリンターのように図像を「出力」していくシーンなどもまた斬新! AIのできることがどんどん増えていく昨今、そう遠くない未来かも……。「アクセス権」には要注意。
監督・脚本は『ソウ』シリーズを手掛けるリー・ワネル。と聞いて引き返してしまう方もいるかも。でも大丈夫、そんなに過激な映画ではありません(ただし随所でバイオレンスは強いです)。早くもAIが幅をきかせてくるオープニングの演出から、きっとSF感に浸れます!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2018年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | リー・ワネル |
出演者 | ローガン・マーシャル=グリーン/ベティ・ガブリエル/ハリソン・ギルバートソン ほか |
時間 | 95分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】353
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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
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