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おすすめのノンフィクション映画5. ラッシュ/プライドと友情
ハントを演じるクリス・ヘムズワースの美貌に痺れる
1976年のF1世界選手権を主軸とし、実在のレーサーであり好敵手だった「ジェームス・ハント」と「ニキ・ラウダ」を描いた映画です。
監督は、『アポロ13』から『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』まで数多くのヒット作を手掛けるロン・ハワード。KinKi Kidsの堂本光一と堂本剛が主人公二人の吹替声優をつとめたことも話題になりました。
毎日が人生最後の日と言わんばかりの奔放さで溢れんばかりのスター性を発揮するジェームス・ハント。一方、徹底した論理的思考と理性で着実にレースを制していくニキ・ラウダ。全くタイプの違う二人がそれぞれに影響を与え合い、次第に良きライバルとしてリスペクトし合う関係性になっていく様は胸が熱くなります。
じつは映画で描かれるほど犬猿の仲ではなかった、というような脚色はあるようなのですけども、少し調べてみるとむしろ「事実は小説よりも奇なり」なエピソードも多数。例えば後半、大事故で生死の境を彷徨うラウダの病室に「牧師」が現れるシーン、記録によれば映画以上に劇的なことが起きていたり。ハントのプレイボーイっぷりは、最期の瞬間まで揺るぎなかったり。
フィクションの星に生まれたような二人の生涯、ご鑑賞の後はぜひ調べてみてください。
ちなみに、1976年F1世界選手権は最終決戦の地が日本です。サーキットの背後にどどん!と富士山がそびえる風景に、つい「そんなデタラメな」と思ってしまったのですが、舞台は富士スピードウェイ。デタラメではなく、本当の風景なんですね。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
監督 | ロン・ハワード |
出演者 | クリス・ヘムズワース/ダニエル・ブリュール ほか |
時間 | 122分 |
おすすめのノンフィクション映画6. ドリーム
本国では、あの『ラ・ラ・ランド』よりもヒットした
アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた1961年。NASAでは大勢の黒人女性たちが計算手として働いていました。まだ「コンピューター」という言葉が「人間の計算手」を意味していた時代。高度な計算を要する航空宇宙学の研究には、優秀な数学者たる彼女たちの力が不可欠だったのです。
しかし彼女たちの功績の多くは、決して広く知られているとは言えません。それどころか本作の原題『Hidden Figures(直訳すると「隠された人々」)』が示すとおり、むしろ隠されてきました。「黒人だから」「女性だから」です。
この映画は、実在する3人の女性数学者を主役に進んでいきます。アポロ計画の前日譚「マーキュリー計画」を技術者サイドから描いたエンタテインメント作品であると同時に、彼女たちの目を通して「差別」というものの醜さをこれでもかと見せてくる作品になっています。
映画において人種差別の描写が出てくることは珍しくありません。ですが、本作ほどに -あえて汚い言葉を使いますが- 「胸糞の悪い」描写を盛り込んでいる映画は多くないでしょう。全てが「白人用」と「非白人用」に分けられ、黒人が対等な人間として扱われなかった1960年代バージニア州で、どうぞ我慢の限界に達してみてください。
一応書いておくと、この物語には非常に心強い「理解者」が登場します。ですので後味は良いです。でも、はたして本当に自分は「そちら側」なのか。もしもあの頃NASAにいたとしたら、どう行動していただろうか。そんなことを考えてしまいました。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2016年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | セオドア・メルフィ |
出演者 | タラジ・P・ヘンソン/オクタヴィア・スペンサー/ジャネール・モネイ ほか |
時間 | 127分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】353
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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
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