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おすすめのファンタジー映画3. 1秒先の彼女
台湾と日本の文化を比べながら観るのも楽しい
何をするにもワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼のラブコメ――といったふうに宣伝されていた台湾映画ですが、そのつもりで観ると実際はだいぶ「思っていたのと違う」作品で驚かされるかもしれません。
原題は『消失的情人節』=「消えた情人節」。「情人節」とはバレンタインデーを意味します。劇中でも開始早々に主人公・シャオチーが「バレンタインデーが消えちゃったの!私のバレンタインはどこ?!」と大騒ぎ。これは一体どういうことなのか。観客の我々はもちろん知らないし、そしてシャオチーも知らないのです。「消えた一日」の真相を、シャオチーと共に究明していくファンタジー映画です。
ちなみにこのタイトル、シャオチー視点の前半では『消失的人(消えた人)』という章題に、別視点の後半では『消失的情節(消えた物語)』という章題に言葉遊びで変化します。映画本編にも、一度観ただけでは気付けない仕掛けが沢山!思わず「え、もう一度あのシーン観てみよう」とリプレイしてしまうことでしょう。
さて、ところでどのあたりがファンタジーなのかと言いますと、驚いてもらいたいのであまり多くは語れないのですが、シャオチーの部屋ひとつ取っても妙ちきりんなことがいっぱい起きますし、なにより後半の「映画的」な演出には胸が高鳴ること必至です。これ以上は調べずに、ぜひ観てみてください!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2020年 |
製作国 | 台湾 |
監督 | チェン・ユーシュン |
出演者 | リー・ペイユー/リウ・グァンティン ほか |
時間 | 119分 |
おすすめのファンタジー映画4. あなた、そこにいてくれますか
主演は『チェイサー』などの実力派俳優キム・ユンソク
フランスのベストセラー小説を原作とした韓国映画で、ジャンルはみんな大好き「タイムトラベル・ラブストーリー」です。
2015年、ひょんなことから主人公は「飲んで眠ると願いが叶う」という謎の錠剤を手にします。半信半疑ながら30年前に亡くした恋人を想って目を瞑ると、そこは1985年。恋人と平穏に交際している若き日の自分に対面してしまうのですが――。
不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを思わせる「時間旅行の鉄板ネタ」が存分に楽しめるのはもちろんのこと、「うたた寝程度の短時間しか過去に滞在できない」「錠剤の数に限りがある」といった絶妙な縛りがあったり、さらには現在も過去も主人公が「医者」であることが具体的に絡んでくるなど、よくできた脚本に唸らされるファンタジー映画です。
また、「恋人の死」という悲劇のラブストーリー要素が巻き起こす「過去の自分と、未来の自分とのせめぎ合い」も非常におもしろいところです。
過去に起きた悲劇は防ぎたい。しかし「今」の自分にも人生がある。一方、未来のことはどうでもいいから自分の「今」を救いたい過去の自分。
火花を散らす、自分vs自分。この構図はなかなか新鮮だと思いました。細部まで丁寧に作り込まれた良作。おすすめのファンタジー映画です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2016年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ホン・ジヨン |
出演者 | キム・ユンソク/ピョン・ヨハン/チェ・ソジン/キム・サンホ/パク・ヘス ほか |
時間 | 111分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
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【筆者】353
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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
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