更新日: 2023年4月10日
おすすめのファンタジー映画!剣と魔法だけじゃない、珠玉の6作品をご紹介!
「ファンタジー映画」と聞いて思い浮かべるのは、やはりまず剣と魔法の世界かもしれません。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに『ハリー・ポッター』シリーズ、ディズニー映画も外せないでしょう。
が、しかし! 今回この記事で紹介するのは「6本」です。
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作と『ホビット』3部作だけで終わってしまうのは避けたい。
そこで、思い切って剣も魔法もディズニーも外してみることにしました。
選んだのは少し地味めな映画たち。
日常に潜むファンタジー、ノスタルジーが誘うファンタジー、はみ出し者のファンタジーなど様々です。
旅行気分も味わえるよう、いろんな国の作品をセレクトしています。
かつ、近年のものを多めに。
楽しい物語ばかりではありませんが、お気に入りの作品と出会うきっかけになれば嬉しいです。
目次
おすすめのファンタジー映画1. シェイプ・オブ・ウォーター
水を表現したアレクサンドル・デスプラの音楽が美しい
第90回アカデミー賞で作品賞に輝いた、大人向けのファンタジーラブロマンス映画です。と言っても、恋のお相手は「半魚人」なのですが――。
監督は『パシフィック・リム』などのギレルモ・デル・トロ。特撮や怪獣への愛に溢れる作品がアカデミー賞で高く評価されたことは話題を集めました。冷戦下1960年代のアメリカを舞台に、レトロな青緑色が観客を物語世界へ誘います。
本作誕生のきっかけは、監督が6歳の少年だった頃にまで遡ります。1954年の映画『大アマゾンの半魚人』を観たデル・トロ少年は、「人間の女性に好意を抱いた半魚人が最終的に排除されてしまう」という結末をとても不憫に感じました。「いつか半魚人を幸せにしてやるんだ」と熱い思いを持ち続けたまま大人になり、そして『シェイプ・オブ・ウォーター』を作ったのです。
ところで、マリリン・モンローの「モーレツ」なビジュアルを多くの方がご存知かと思います。あれは1955年の映画『七年目の浮気』でマリリン演じるヒロインが映画館から出てきた直後のシーンなのですが、そこで彼女が観ていた映画こそ『大アマゾンの半魚人』。さらに彼女は開口一番「半魚人さんがかわいそう」と漏らすのです。それほど誰もが不憫に感じていた半魚人さんを、さて、果たしてデル・トロ監督はどのように救ったのでしょうか。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2017年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ギレルモ・デル・トロ |
出演者 | サリー・ホーキンス/タグ・ジョーンズ/オクタヴィア・スペンサー/リチャード・ジェンキンス/マイケル・シャノン ほか |
時間 | 123分 |
おすすめのファンタジー映画2. ラストナイト・イン・ソーホー
ファッションに音楽、60’sロンドンの魅力満載
『ベイビー・ドライバー』などのエドガー・ライト監督最新作。主演にトーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイを据え、「1960年代ロンドン」に憧れる少女の奇妙な体験を描きます。
特筆したい胸ときめきポイントは、ロンドンの魔力が発動する導入部です。窓から漏れるカラフルなネオンのなか、レコードに針を落としてベッドへ潜る主人公エロイーズ。シラ・ブラックの楽曲『You’re My World』に乗せられて夢うつつに薄暗い路地を歩いていくと、光とともに憧れの60’sロンドン・ソーホーが彼女を全方位から包み込む! もうここだけで、ファンタジーとしては100点満点でしょう。
ただ、途中からどうも胸ときめいてはいられなくなる映画でもあります。ファンタジーだと思って観た方にはごめんなさい。つまるところ「過剰なノスタルジーには気をつけろ」というお話なのです。監督はこう語ります。――「過去数十年を美化するのは簡単なことだ。“活気あふれる60年代にタイムトラベルできたら最高だ”と(中略)。だけど、そこには頭から離れない疑問がある。『でも本当に最高かな?』」。
大ヒットファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にも出演した名優ダイアナ・リグは本作が遺作となりました。また本作でキーマンを演じたマット・スミスは、『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に出演。現在U-NEXTにて独占配信中です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2021年 |
製作国 | イギリス |
監督 | エドガー・ライト |
出演者 | トーマシン・マッケンジー/アニャ・テイラー=ジョイ/マット・スミス/テレンス・スタンプ/ダイアナ・リグ ほか |
時間 | 115分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】353
SNS
ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
>> 353のおすすめ作品聖地巡礼記事はこちら
>> ブログ『353log』はこちら