テロによる爆破事件で両足を失った青年の心の成長

これは実話をもとにした作品です。2013年、50万人の観衆で賑わうボストンマラソンの会場で起きた爆破テロは、3名が死亡し280人を超える人々が負傷するという大惨事。

恋人を応援するために、マラソン会場のゴール付近へ訪れていた主人公のジェフ。爆破テロにより両足を失ってしまいますが、ジェフの証言により犯人が特定。彼は一躍ヒーローに祭り上げられてしまうのです。そもそもちょっとダメ男。そんな彼が周囲の目と本当の自分とのギャップ、そしてテロのトラウマに苦悩しながらも徐々に成長していく、そんな物語です。

主演はジェイク・ギレンホール。彼は本物のジェフと多くの時間を過ごし、リアルに現実を伝えることに努めたそう。不幸な出来事に見舞われながらも現実を受け入れ、自分を取り戻すその姿は、私たちの心の中でいつしか本物のヒーローとなっていきます。

80年代のゲームが懐かしい！おっさんが世界を救う日がやってきた

1982年、NASAが宇宙人に向けて友好目的で打ち上げたメッセージ。それは80年代の文化を満載したものでした。それを受け取った宇宙人が宣戦布告と誤解し、そのメッセージの中にあるゲームを模した攻撃を仕掛けてきた！

『ギャラガ』『アルカノイド』『センティピード』そして『パックマン』に『ドンキーコング』という懐かしのゲームで戦いを仕掛けてくる宇宙人。そこで80年代のアーケードゲームのチャンピオンたちに白羽の矢が立ち、地球の命運をかけておじさんたちが立ち上がる！

なんともくだらない設定ですが、どのゲームも懐かしい！なんとパックマンの生みの親、岩谷 徹氏もご登場（劇中の岩谷教授は俳優さん。本物の岩谷氏はゲームセンターのシーンにカメオ出演）。スピーディな展開とギャグが楽しいこの映画、親子で観るのもオススメです。お父さんたちはぜひお子さんに解説してあげて！

14歳のスーパーヒーロー、見た目はおっさん。家族のパワーで悪を倒せ！

まるでハリーポッターの一場面のような場所「永遠の岩」で後継者を待つ老人。魔物を封印し、一人で世界を守っていますが、それも限界に近づいています。そこで召喚されたのが主人公の少年ビリー。幼い頃母親とはぐれ、里親に預けられますが本当のお母さんを探して何度も脱走を繰り返す問題児です。

グループホームで似た境遇の子供達と暮らし始めますがそこにも馴染めない。しかしそんなビリーの世界は、スーパーパワーを受け継ぐことによって大きく変わっていきます。最初は動画を撮影したりお小遣い稼ぎをしたりといたずらにパワーを浪費し楽しんでいたのですが、魔物の力を身につけた悪者に狙われはじめ――

一人でできないことも、仲間と一緒ならやり遂げられる。そんなメッセージの込められたスーパーヒーロー映画は、次作へのプロローグで幕を閉じます。終盤に登場するあのヒーローに思わず声を上げてしまう人も多いのでは！

「でくのぼう」の“のぼう様”が城を救った奇想天外な方法とは

天下統一をもくろむ豊臣秀吉が、唯一落とすことができなかったとされる城。それが「忍城（おしじょう）」で、現在の埼玉県行田市に実在していました。和田竜の同名小説を映画化したこの作品は、野村萬斎が演じる主人公の成田長親がなんとも魅力的。彼は、頼まれてもいない百姓の仕事を手伝っては失敗をするような愛されキャラなのです！

平和に暮らしていたこの城下が、秀吉の命を受けた石田三成を相手に戦うことになります。当主は小田原城へと赴いて留守。戦となると頼りない総大将の“のぼう様”こと成田長親は、果たしてどうやって城を守るのでしょう。

クライマックスで追い詰められた長親が踊る「田楽踊り」は圧巻。腕っぷしはダメだけど、そのカリスマ性を感じる滑稽な踊り。その姿こそ、一国一城を守るヒーローそのものに見えます。城マニアにも絶賛される、非常に楽しい一本です。

ヒーローの定義とは？人命救助をした男の承認欲求が行く先は……

主人公のバーニーは窃盗で有罪判決を受けている、手癖の悪い小悪党。妻からも見放され、息子との面会だけが生きがいのようなみじめな生活を送っています。そんな彼が飛行機事故に遭遇。雨の中、助けを呼ぶ声に応えて渋々救助をしますが、履いてきた靴を片方なくしてしまい車は半壊、息子との約束に遅刻したことで元妻から怒鳴られ……と散々。

その後、偶然通りかかった車上生活者のババに昨夜の一部始終を語るバーニー。「ホームレスにあげるから」というババに、残ったもう片方の靴を渡したのですが、それが後に国中が賞賛するヒーローを生み出すこととなり――。

こうした事件が起こる時、世間は皆、美談を求めて熱狂します。マスコミで報じられることを盲目的に信じ、ヒーロー像はどんどん一人歩きしてしまいます。果たしてテレビで報じられることはすべてが真実なのでしょうか。本当のヒーローとは何なのか。

ラストでまたも人助けに向かうバーニーと、その姿をみる息子の目だけが、本当のヒーローを知っているのです。