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「泣ける映画」をもっと語りたい! 〜邦画編〜 画像:Amazon

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更新日: 2023年4月10日

「泣ける映画」をもっと語りたい! 〜邦画編〜

――映画で涙を流すこと、それは心のデトックス。
まっぷるトラベルガイドでは「おすすめの『泣ける映画』50選! 心のデトックス、しませんか?」と題して、多種多様な「泣ける映画」をご紹介しました。

でも、書きたいのは「泣ける」ところだけじゃない! 前回の記事に入りきらなかった魅力や補足情報を、筆者が気ままに語ります。第3弾は《邦画編》です。

おすすめの泣ける映画50選記事はこちら

日本映画だけではなく、ハリウッドやヨーロッパの映画、韓国映画など、各ジャンルでの定番どころから隠れた名作、アニメや短編、ドキュメンタリーまで、この記事では「泣ける」映画50本をセレクトしています。

もっと語りたい!泣ける邦画1. 異人たちとの夏

もっと語りたい!泣ける邦画1. 異人たちとの夏
画像:Amazon

原作は『ふぞろいの林檎たち』などを手掛けた山田太一

『転校生』『時をかける少女』などの大林宣彦監督が贈る「お盆」のファンタジー。ある夏の日、幼い頃に事故で死に別れたはずの両親とどういうわけか再会した主人公。いけないことと分かりつつ何度も逢瀬を重ねるうち、彼はひどくやつれていることを周囲から心配されるようになり――。

「死者と生者の境目が曖昧」これは大林映画の特徴ですが、本作は大林映画において数少ない松竹作品なこともあり「お盆」という王道なシチュエーションを用いた人情味あふれる味付けが特徴となっています。社会に染まったつまらん四十男が、今はなき両親との「有り得ない再会」を機にほろほろと童心にかえり、奪われた親子の時間、できなかった親孝行を取り戻そうとする。感情移入の隙間が多い作品です。

特筆すべきは片岡鶴太郎さんと秋吉久美子さんが演じる「いるはずのない両親」。異界から手招きしてくるような、しかしとてつもなく魅惑的な二人の人間像が、本作をとても力強いファンタジーに仕上げています。また、劇中で描かれる「夏」そのものも今やファンタジーと言えるでしょう。よく冷えたビール、お手製の(甘すぎない)アイスクリーム、うっすら汗ばんだランニング姿と扇風機、開け放された窓。こんな夏なら……こんな夏ならいつまでも居座りたい。

そして最大の「泣ける」ポイントが「今半別館のすき焼き」です。未練と未練が向き合う屈指の食事シーンで物語は幕を閉じ……ればいいのですけども、そうはさせないのが奇才・大林宣彦。心温まる浅草下町人情劇と並行して「都会派ホラー」が走っていることを最後に書き添えておきます。いずれにせよ夏に観たい映画ですね。

映画の詳細データ
公開年 1988年
製作国 日本
監督 大林宣彦
出演者 風間杜夫/片岡鶴太郎/秋吉久美子/名取裕子 ほか
時間 110分
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

【筆者】353

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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
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