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もっと語りたい!泣ける韓国映画6. KCIA 南山の部長たち

もっと語りたい!泣ける韓国映画6. KCIA 南山の部長たち
画像:楽天ブックス

イ・ビョンホンが盗聴をするシーンは涙なしに見れない

1979年・韓国、任期中の大統領が宴席で暗殺される。彼を撃ち殺したのは腹心であるKCIA(韓国中央情報部)の部長だった――。実在の「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件」に基づいているのですが、実際にはこの主犯たる部長、すぐ死刑となってしまったため真相が闇に包まれています。権力に振り回された男たちの、切なく悲しいハードボイルド・ブロマンス映画です。

タイトルにある「南山(ナムサン)」とは、韓国ドラマなどでお馴染みソウルのランドマーク「Nソウルタワー」が建っているあの山。KCIA本部がそこにあったため、KCIAのことを「南山」と呼んでいたのだそうです。アメリカのCIAが「ラングレー」と呼ばれるようなもの、日本で言えば「桜田門」ですね。また、劇中に頻出するワード「青瓦台」は大統領官邸のことを指します。こちらは建物の瓦が青いからというホワイトハウス的な理由。

とにかくこの映画はじわりじわりと切ないです。ほぼ全編おじさんしか出てきませんが、しかし切ないです。イ・ビョンホン演じるKCIA部長の愛憎渦巻く感情描写と、イ・ソンミン演じる大統領の「どこか絆されてしまう」人間味、そして決してカタルシスは生まない結末……。物音ひとつ聞き逃さぬよう、没入できる環境での鑑賞をおすすめします。

なお朴正煕の死後、大統領の座についたのは全斗煥(チョン・ドゥファン)。そう、悲しいかな、『タクシー運転手 約束は海を越えて』の「光州事件」を指揮した人物です。こんなに虚しいことがあるでしょうか。

映画の詳細データ
公開年 2020年
製作国 韓国
監督 ウ・ミンホ
出演者 イ・ビョンホン/イ・ソンミンほか
時間 114分

まだまだ語りたい! 泣ける映画のこと

まだまだ語りたい! 泣ける映画のこと
画像:123RF

「おすすめの泣ける映画50選! 心のデトックス、しませんか?」で取り上げた韓国映画の作品から6本を、「深掘り」的にご紹介してみました。

どんなジャンルの作品にも「社会派」な面がある。これは韓国映画の大きな特徴だと思います。

それゆえ「泣ける」とは言っても単なる泣かせのシーンではないことも多々。胸を打たれた場面の背景にはどんな歴史があるのか、そんなふうに調べていくと、数珠繋ぎ的に「観たい映画」が増えること必至です。

 

編集:まっぷるライフスタイル編集部
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【筆者】353

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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
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