目次
おすすめのどんでん返し映画 人生について考えさせられてしまう作品5選
おすすめのどんでん返し映画16. ミスティック・リバー
「因果」という言葉がぴったりくる、小さな町の悲劇
クリント・イーストウッド監督作品はどれも静かに人を魅了していきますが、この映画も然り。
子どもの時に受けた虐待の傷を抱えるデイブ(ティム・ロビンス)、犯罪から足を洗い雑貨店を営むジミー(ショーン・ペン)、一度町を出て刑事になって戻って来たショーン(ケヴィン・ベーコン)の三人の間に流れる様々な感情。幼なじみの三人が「被害者の父」「容疑者」「刑事」というもつれ合う関係になり、徐々に悲劇へと導いていきます。
クリント・イーストウッド監督はこの物語を「アメリカの悲劇」と表現したそうです。鑑賞後には重たい気持ちになりますが、誰かと結末について話し合いたくなるという、不思議な魅力を持つ映画です。
ミスティック・リバー | 詳細データ |
公開年 | 2003年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | クリント・イーストウッド |
出演者 | ショーン・ペン/ティム・ロビンス/ケヴィン・ベーコンほか |
時間 | 138分 |
おすすめのどんでん返し映画17. グラン・トリノ
無骨で孤独な老人の生き様は
むちゃくちゃ口は悪いし愛想もない。たった一人で静かに暮らす偏屈親父のウォルト(クリント・イーストウッド)。自宅の近くに増えてくる移民を快く思ってはいなかったけれど、次第に心を開き交流が生まれていきます。
日本にも昔はこういうおじいさんがいっぱいいました。怒りっぽくて取り付く島がないけれど、表現が下手くそなだけで本当は優しい、そんなおじいさん。もう現代では絶滅してしまったようにも思えるそんなお年寄りには、自身にしかわからない一本通った「筋」というものがあるのかもしれません。
偏屈頑固親父が最後に仕掛けた一世一代のどんでん返し、ぜひともご堪能ください。
グラン・トリノ | 詳細データ |
公開年 | 2008年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | クリント・イーストウッド |
出演者 | クリント・イーストウッド/ビー・ヴァン/アーニー・ハーほか |
時間 | 117分 |
おすすめのどんでん返し映画18. 手紙は憶えている
ホロコーストとは何だったのか。その愚かさと悲しさを感じて
舞台はアメリカの老人施設から始まります。妻を亡くしたゼヴは認知症を患っており、目が覚めるたびに妻の名前を呼び、彼女を亡くしたことに絶望。そんな彼がどうしても最後に果たすと決めたミッションは「復讐」。アウシュビッツで家族を殺したナチスの男を探して旅をするのですが、最後には思ってもみなかった結末が待っています。
この映画の魅力は時代を超えた場面が全く登場しない点にあります。普通なら挟み込まれるであろう“過去の映像”などが一切ありません。しかしそれでも、当時起きたことがいかに愚かなことだったかを感じることができる作品です。
手紙は憶えている | 詳細データ |
公開年 | 2015年 |
製作国 | カナダ/ドイツ |
監督 | アトム・エゴヤン |
出演者 | クリストファー・プラマー/ブルーノ・ガンツほか |
時間 | 94分 |
おすすめのどんでん返し映画19. スリー・ビルボード
3つの看板に込めた母親の思いと小さな町の濃すぎる人間関係
この映画の舞台となっているのは2014年に「マイケル・ブラウン事件」(黒人青年が射殺され、人種差別運動のきっかけとなった)が起きたミズーリ州。その背景から、アメリカが未だに抱える闇が伺えます。
主人公のミルドレット(フランシス・マクドーマンド)は娘をレイプ殺人事件で亡くしており、その捜査が進まないことに抗議するため、3つの大きな看板を設置。かなり過激に抗議を続けることから住民の反感を買いつつも戦い続けています。この女性の行動とともに登場人物たちの細かい背景が明らかになり、そのたび予想を裏切られる、そうした小さなどんでん返しが繰り返されながら進行していきます。
悲しい出来事も多く起きますが、「赦す」という大事な心について考えさせられる一本です。ちなみに第90回アカデミー賞の主演女優賞、助演男優賞受賞作。
スリー・ビルボード | 詳細データ |
公開年 | 2017年 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
監督 | マーティン・マクドナー |
出演者 | フランシス・マクドーマンド/ウディ・ハレルソン/サム・ロックウェルほか |
時間 | 115分 |
おすすめのどんでん返し映画20. レオン 完全版
孤独な殺し屋と少女の間に流れる淡い想いに涙
フランス映画ならではの芸術性の高いこの作品は、ナタリー・ポートマンのデビュー作。主人公の殺し屋レオンは、この作品の監督、リュック・ベッソンの『ニキータ』に登場する掃除人(死体を片付ける殺し屋の一種)から生まれたという、初期のリュック・ベッソンの感性が溢れ出る作品でもあります。
家族を悪徳警官に殺されてしまった少女と、身分を隠して生きる殺し屋、この二人の孤独な主人公がぎこちなく近寄っていく様子が悲しくもあり、温かくもあり。ラストはおもわず声を出してしまうほどの衝撃を感じます。
エンディングで流れるスティングの『Shape of My Heart』にレオンとマチルダの姿を重ね、放心してしまった人も少なくないのでは。
レオン 完全版 | 詳細データ |
公開年 | 1994年 |
製作国 | フランス/アメリカ |
監督 | リュック・ベッソン |
出演者 | ジャン・レノ/ナタリー・ポートマン/ゲイリー・オールドマンほか |
時間 | 110分 |
おすすめのどんでん返し映画 手に汗握るクライムサスペンス映画5選
おすすめのどんでん返し映画21. ダ・ヴィンチ・コード
ダヴィンチが残した暗号とは。イエス・キリストの秘密に迫るサスペンス大作
フィボナッチ数列、アナグラム、クリプテックス、ローズライン……謎解きが好きな人にはたまらない魅力的な要素がたっぷり詰まったこの映画。
ルーヴル美術館の館長が殺害され、その遺体はレオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』の姿。そこで発見されたダイイングメッセージにより、主人公のロバート・ラングドン教授に疑いの目が向けられます。ダン・ブラウンの同名小説の映画化ですが、この作品はキリスト教を冒涜しているとローマ教会が鑑賞ボイコットを呼びかけるなど様々な話題を呼びました。徐々に解けていく謎もヨーロッパの歴史や様々な建造物も素晴らしく、ぜひとも舞台となった土地を訪れたいと思う映画です。
そしてラストでラングドン教授が気づく秘密に胸を躍らせたのは私だけではないはず!
ダ・ヴィンチ・コード | 詳細データ |
公開年 | 2006年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ロン・ハワード |
出演者 | トム・ハンクス/オドレイ・トトゥ/イアン・マッケランほか |
時間 | 149分 |
おすすめのどんでん返し映画22. ねじれた家
ねじれた大富豪の家で起こった殺人事件の犯人は……
アガサ・クリスティ原作の実写化。豪邸の中で起こる連続殺人事件を、私立探偵チャールズ・ヘイワード(マックス・アイアンズ)がかつての恋人の依頼を受けて調査していくストーリーです。
クセの強い登場人物たち、富豪に共通する秘密めいた態度、そして舞台となる豪華な屋敷。いずれもアガサ・クリスティ作品ではおなじみの要素ですが、これらが見事に実写化されています。中でも目を見張るのはやはりベテラン女優グレン・クローズ。毅然とした態度でモグラを撃つ様子などはさすがとしか言えません。そして犯人の正体は……。
全員が容疑者のような怪しさ満点で、鑑賞しながら探偵のようにあれこれ予想すれば、どんでん返しがさらに鮮やかに楽しめるかも!
ねじれた家 | 詳細データ |
公開年 | 2017年 |
製作国 | イギリス/アメリカ |
監督 | ジル・パケ・ブランネール |
出演者 | グレン・クローズ/テレンス・スタンプ/マックス・アイアンズほか |
時間 | 115分 |
おすすめのどんでん返し映画23. ユージュアル・サスペクツ
伏線いっぱい!何度も観返して楽しみたくなるどんでん返し映画
今では「どんでん返し映画」の代名詞とも言えるこの作品ですが、実はそこばかりに注目されるのがもったいないと思えるほどの、非常に奥の深いクライムサスペンスです。
アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』という小説を下敷きにした、顔の分からない麻薬ビジネスの大物マフィア、カイザー・ソゼをめぐるこの物語は、第68回のアカデミー賞では脚本賞を受賞。また片足の悪いキントの役を演じるケヴィン・スペイシーは助演男優賞を受賞しています。
カイザー・ソゼの正体は?謎の片腕コバヤシとは?とにかく謎だらけ、そしてたくさんの伏線が張り巡らされ、何度も観てこの伏線を確認したくなるし、観るたびに新しい発見がある映画です!
ユージュアル・サスペクツ | 詳細データ |
公開年 | 1995年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ブライアン・シンガー |
出演者 | スティーヴン・ボールドウィン/ケヴィン・スペイシーほか |
時間 | 106分 |
おすすめのどんでん返し映画24. プロミシング・ヤング・ウーマン
ポップなビジュアルが描き出すダークな内容。そのギャップを楽しんで!
この映画のテーマはずばり、女性への性暴力。そんな重たいテーマとは裏腹に、主人公のファッションや出てくるカフェ、インテリアはポップでキッチュな可愛いデザイン。女性なら誰でも心惹かれるデザインと、女性なら避けるべきではないであろうテーマが見事に融合しています。
主人公のキャシー(キャリー・マリガン)は夜毎バーに出かけては男を引っ掛け、最後にはやっつけてしまうという奇行を繰り返しています。それはリベンジ。一度は凍っていた心を溶かして恋愛に向かった彼女が最後の最後に果たした、人生をかけたリベンジとは。
重たいテーマながら飽きることなくラストまで観られるのは、やはりそのビジュアルのおかげかもしれません。若い女性にこそ観てもらいたい一本です。
プロミシング・ヤング・ウーマン | 詳細データ |
公開年 | 2020年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | エメラルド・フェネル |
出演者 | キャリー・マリガン/ボー・バーナム/アリソン・ブリーほか |
時間 | 113分 |
おすすめのどんでん返し映画25. プレステージ
二人のマジシャンの確執の行く末には驚きの結末が
『メメント』『テネット』のクリストファー・ノーランの作品ですが、今回の『プレステージ』にもかなり大掛かりなどんでん返しが待っています。
19世紀末のロンドンで二人のマジシャンが繰り広げるライバル心、そこに起こる不幸な事件の数々。冒頭は荒れた土地におびただしい数のシルクハットが映されますが、もうここから物語の伏線は始まっています。どちらも譲らない上昇志向、そうした人間ドラマに加え彼らが次々に繰り出す奇術のトリックの多彩さ、瞬きする間も惜しいほど、観ている側をどんどん引き込む吸引力の強さはさすがノーラン監督。
ここまで予測不能なものはないのでは?そしてここまで何度も観返して全ての謎を知りたくなってしまう映画も珍しいかも!
プレステージ | 詳細データ |
公開年 | 2006年 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
監督 | クリストファー・ノーラン |
出演者 | ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベールほか |
時間 | 128分 |
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【筆者】MIHO-G
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古典落語や歌舞伎、文楽にお神輿と日本の伝統文化が大好きだけど、お酒も音楽も同じくらい愛するX世代。
楽しいことならなんでも興味津々。あらゆることに首を突っ込める、という理由で編集の仕事を長らく続けています。
これからもジャンルを問わずどんどん首を突っ込んで、面白おかしく紹介していきたいと思っています!