おすすめのゾンビ映画21~30
いよいよ最後の10作品。30番目には“最恐”のゾンビ映画をご紹介いたします……。
おすすめゾンビ映画21. 28日後…
素早く動くゾンビはこの作品から誕生した!
『スラムドッグ$ミリオネア』で有名なダニー・ボイル監督による作品です。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でジョージ・A・ロメロが作り出したゾンビは墓場から蘇った、動きも遅いものでした。現在はその移動スピードもいろいろですが、全力疾走で動くゾンビの先駆けとなったのがこの『28日後…』です。
冒頭は研究所で陽気に歌う掃除夫。まだ何も起こっていない明るいシーンが、たった28日で誰もいないロンドンの街に変わってしまう。その差が恐ろしく感じられます。主人公が「Hello!」と叫んでみてもそこにはただ風が吹いているだけ……。何が何だかわからない主人公がさまよう街並みがなんとも恐ろしい幕開けとなっています。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2003年 |
製作国 | イギリス |
監督 | ダニー・ボイル |
出演者 | キリアン・マーフィー/ナオミ・ハリスほか |
時間 | 114分 |
おすすめゾンビ映画22. フランケンウィニー
愛のある科学が実現した、愛犬との再会
ティム・バートンといえばちょっと不気味なファンタジー。この映画は彼がディズニーに在籍していた時に作った短編を、ディズニー離脱後セルフリメイクして長編映画にしたもの。それがやっぱりディズニーから出ているのだから、ディズニーとティム・バートンの縁を感じます。
アメリカの瀟洒な街に暮らす科学少年ヴィクターは愛犬スパーキーが大好き。しかしスパーキーは車にひかれて死んでしまいます。悲しみにくれるヴィクターは雷の力を使ってスパーキーを蘇らせますが、それを知ったクラスメートたちがこの技術を乱用……。ティム・バートンが自身の少年時代を元にした私的な映画だと語る、ファン必見の一本です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2012年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ティム・バートン |
出演者 | チャーリー・ターハン(声)/フランク・ウェルカー(声)/ウィノナ・ライダー(声)ほか |
時間 | 87分 |
おすすめゾンビ映画23. ウォーム・ボディーズ
ゾンビだって恋したい!ゾンビになった僕のピュアなラブストーリー
愛してる、大好き、ありがとう、そんな言葉を上手く伝えられず、もどかしい気持ちになった経験は誰にもあると思います。主人公の青年R(アール)はゾンビ。ろくに口をきけないゾンビだから、そんなもどかしさが倍増しています。この映画の特徴は、恋によって、また恋する二人を見て徐々に人間らしさを取り戻していくゾンビ、という新機軸。もちろん二人の恋を阻む別のゾンビも存在し、人間とゾンビが手を取り合って戦います!
さらに新しい特徴は、脳みそを食べるとその記憶を共有することができる点。そしてゾンビにも寿命がある点。こうした特徴が恋を盛り上げ、切なさも生み出しているというとても不思議なゾンビラブストーリー。『感染家族』のチョンビにも影響を与えているかも?
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジョナサン・レヴィン |
出演者 | ニコラス・ホルト/テリーサ・パーマーほか |
時間 | 98分 |
おすすめゾンビ映画24. ゾンビ・ガール
ゾンビになっても嫉妬する。束縛系女子のゾンビラブコメディ
嫉妬深く独占欲の強い彼女がゾンビになってしまった。そもそも彼のことをコントロールしすぎるイヴリンと、なんでも言うことを聞いちゃうマックス。そんな身勝手なイヴリンにイラッとする場面もあるし、ちょっと納得いかないカップルだけれど、二人の関係はなんとか持ち直してほしい!なんて祈ってしまったり「どうしたらうまくいくの?」と鑑賞しながら考えてしまいます。
監督のジョー・ダンテは『グレムリン』も手がけた人なので、こういう微妙なブラック加減が得意なのかも!友達同士で話の種にワイワイ鑑賞して、恋愛について話し合ってみる、なんていう楽しみ方、どうですか?
映画の詳細データ | |
公開年 | 2014年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジョー・ダンテ |
出演者 | アントン・イェルチン/アシュリー・グリーン/オリヴァー・クーパーほか |
時間 | 90分 |
おすすめゾンビ映画25. シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど
今は亡き中村勘三郎×クドカンで実現した、歌舞伎座の「存鼻」!
2009年、歌舞伎座で上演された芝居『大江戸りびんぐでっど』が映画になって帰ってきました。歌舞伎を見たことのない人でも存分に楽しめる、江戸のゾンビストーリーです。くさやの汁を浴びるとゾンビになってしまう、そんなことから起こるドタバタ劇は、歌舞伎にしてはかなりハッチャけた伝説の舞台。
中村勘三郎丈は本当に歌舞伎を愛している役者でした。だからこそこうした実験的な試みにも果敢にチャレンジしていた稀有な人物だったのです。怒って席を立つ歌舞伎ファンもいたくらいとんでもないストーリーですが、派遣労働など社会問題にも切り込み、またゾンビが「らくだ衆」と呼ばれているなど、古典の要素も。この辺りはさすが宮藤官九郎。
様々な固定観念を覆すお芝居、今はもう映画でしか見られない豪華な役者の顔ぶれ、ぜひとも楽しんでいただきたいです!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | 日本 |
監督 | 中谷宏之 |
出演者 | 市川染五郎/中村七之助/中村勘三郎 ほか(出演者名は当時のもの) |
時間 | 103分 |
おすすめゾンビ映画26. 感染家族
兎にも角にも逞しい。そんな一家が繰り広げるサバイバル劇
明るく逞しいパク一家の姿。なんだかんだ言ってやっぱり家族の絆は安心するし素晴らしいものです。しかしこの一家はゾンビに怯えながらも本当に強い。そもそもぼったくり商売で生きているし、ゾンビに噛まれて若返ることに気づくとすぐに商売を始める、妊娠中の奥さんはゾンビに囲まれた中で出産。いきなり現れるゾンビ青年をかわいがる娘にも驚きですが、ラストにもびっくり。
タイトルの通り終始家族でサバイバルする様子に家族愛を感じつつも、もしかするとこの一家の方がゾンビより怖いかも?という疑問も感じます。でもなんだか明るいので許せてしまう、とにかく楽しいゾンビ映画です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2019年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | イ・ミンジェ |
出演者 | キム・ナムギル/チョン・ジェヨン/オム・ジウォンほか |
時間 | 112分 |
おすすめゾンビ映画27. 霊幻道士
かつて日本中が夢中になったキョンシー。カンフーアクションも必見
昭和の時代に一大ブームを巻き起こした、中国版ゾンビのキョンシーが大活躍するアクションゾンビコメディです。当時の子供(今やおじさん・おばさん)は、みんなキョンシーの真似をして遊んでいました。あまりにヒットしたため、なんとシリーズ展開しその数全部で15作。その原点がこの『霊幻道士』です。
正しく埋葬されなかった遺体がゾンビになるという点、おでこにお札を貼って封じ込められる点など西洋型ゾンビと違う点がありますが、こうした特徴は中国古来の文化に基づいており、風水や道教の教えがそこここに登場します。またこの映画のもう一つの魅力はカンフーアクション。ブルース・リー専用のスタントマンを務めていたユン・ワーによるアクションもご堪能あれ。
映画の詳細データ | |
公開年 | 1985年 |
製作国 | 香港 |
監督 | リッキー・リュウ |
出演者 | ラム・チェンイン/リッキー・ホイ/チン・シウホウほか |
時間 | 96分 |
おすすめゾンビ映画28. ゾンビーズ
歌って踊る!ディズニーらしさ満載のゾンビミュージカル
ミュージカル映画が好きなら、絶対におすすめしたいゾンビ映画がこちら!ハイスクールで繰り広げられる、ゾンビと人間の垣根を超えた可愛いラブコメディ。郊外の小さな町の高校に、ゾンビタウンの生徒たちが転校してきます。隔離していた壁を超え、人間とゾンビが共生できるようになったのです。そして主人公たちは恋に落ち……。
何より二人の純粋さに心を打たれます。この映画の魅力はミュージカル要素はもちろんのこと、全体のカラフルトーン。生粋のゾンビ・ホラー好きには怒られそうですが、同じくゾンビと人間の共生を描いた『キュアード』の対極に位置する、とにかく可愛く、明るい気持ちにさせてくれる、夢のあるゾンビ映画です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2018年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ポール・ホーエン |
出演者 | マイロ・マンハイム/メグ・ドネリーほか |
時間 | 94分 |
おすすめゾンビ映画29. ワールド・ウォーZ
製作費200億円!いろんな意味で史上最大のゾンビ映画
ご存知ブラッド・ピット主演・製作のパニック巨編。スプラッターなシーンやグロいシーンはないものの、凶暴なゾンビがすごい勢いで出てくるゾンビ映画です。中でもイスラエルの壁に群がる人の数がすごすぎる!
元妻のアンジェリーナ・ジョリー(国連の難民対策親善特使)とともにブラッド・ピットが目の当たりにした難民問題も影響しているらしく、難民問題や格差社会など、社会風刺が効いています。
ブラピ扮するジェリーは国連の紛争解決のプロフェッショナル、という立場なだけで、医学の知識もないのにただただ家族を守るために世界中を奔走。噛まれて12秒で凶暴化するゾンビたちにブラピは勝てるのか?ここまでスケールのでっかいゾンビ映画は他にはないかも!
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | マーク・フォスター |
出演者 | ブラッド・ピット/デデ・ガードナー/ジェレミー・クライナーほか |
時間 | 116分 |
おすすめゾンビ映画30. スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間
だんだんゾンビ化していく主人公の様子が怖すぎる!
個人的な感覚ですが、今回ご紹介した作品の中で一番怖い映画です。レズビアンのサマンサが、偶然関係を持ってしまった男性から何らかの奇病に感染してしまい、どんどんゾンビ化していく。いわゆるゾンビ映画のように不特定多数のゾンビが襲ってくる、というものではなく徐々に変化していく様子を丁寧に描いていて、ひたすら怖い。
主人公の心理描写も非常に細やかで、LGBTの悩みや、母親との関係などなど、妙齢の女性には真に迫るものがあります。ちょっとトラウマになりそうなシーンもありますが、主人公が美しいだけに、それが失われていくことも女性の心理をついている良作です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | エリック・イングランド |
出演者 | ナジャラ・タウンゼント/キャロライン・ウイリアムズほか |
時間 | 116分 |
隠しテーマや旧作へのオマージュなど、映画愛に満ちたゾンビ映画の世界
駆け足で紹介した30本のゾンビ映画、いかがでしたか?
ホラー映画が好きな人にはちょっと物足りない部分もあるかもしれませんが、ただ「怖い」「気持ち悪い」だけではない、ゾンビ映画に込められた意味を読み取り、堪能してみてください。
最後にゾンビ映画の魅力を知り、ゾンビが大好きになった人に一冊の本『ゾンビサバイバルガイド』のご紹介。先にご紹介した『ワールド・ウォーZ』の元となったもので、ゾンビに襲われた時のサバイバル術が大真面目に書かれています。
ゾンビ映画を観て、ゾンビの世界に魅せられたら是非このガイドブックで対策を練ってみてください。イラストも多数掲載されていて読みやすく、体の鍛え方も載っている徹底っぷり。巻末にはゾンビ・メモ欄も!
一家に一冊用意して、来るべきゾンビ時代に備えましょう!
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】MIHO-G
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古典落語や歌舞伎、文楽にお神輿と日本の伝統文化が大好きだけど、お酒も音楽も同じくらい愛するX世代。
楽しいことならなんでも興味津々。あらゆることに首を突っ込める、という理由で編集の仕事を長らく続けています。
これからもジャンルを問わずどんどん首を突っ込んで、面白おかしく紹介していきたいと思っています!