更新日: 2024年9月8日
「備えあれば憂いなし」を忘れずに。全国でクマ出没激増中!被害に遭わないために知っておきたいこと【vol.04 対策グッズ編】
里山やキャンプ場、渓谷など自然の中に入ればクマに遭遇する可能性はあります。「もしも」に備えて、準備できる対策グッズとその使い方について、知っておきましょう。
音を出して人の存在を先にクマに知らせる
基本は「クマの生息地へ人間がお邪魔する」ため、人を怖がるクマに対して、その存在を先にクマに知らせることが最も大切。
準備しやすい対策グッズの筆頭が「鳴り物」です。クマ鈴はスタンダードアイテム。さまざまなものがありますが、リュックなどに下げるだけで音が鳴るので手軽に準備できます。
クマ鈴以外でも、小型ラジオを鳴らす、山歩きの場合は2人以上でしゃべりながら、10数mおきに手を叩くなどの対策もありますが、しかしクマ専門家によると、それらの音にすでに慣れてしまったクマも多いとか。
クマが嫌がる音を出して追い払う
あらかじめ人の存在を「知らせる」という目的のほかにも、クマが嫌がる音を発生させるという手段もあります。その場合のクマよけグッズの代表がホイッスル。口で吹かなくても、ボタンを押すだけでさまざまな音を出すことができる電子ホイッスルが便利です。
NET-O電子ホイッスルは、音量・音質が3段階で選べて、最大で120dBの音量が出るアイテム。もしも本体が電池切れという事態になっても、通常のホイッスルもセットになっているのでいざというときでも安心です。
NET-O電子ホイッスル
また、高圧ガスを使用したクマよけグッズもあります。ベアホーンは、約800mおきに一度鳴らしてクマを遠ざけるというアイテム。手のひらにすっぽりと収まるサイズで、最大115dBの音を出すことができます。一度に鳴らす時間は一瞬でOK。1/4秒または、1/2秒でクマよけ効果が得られます。
ベアホーン
クマ撃退スプレーはトレーニングが必要
クマに遭わないことが大前提ですが、もしクマに「バッタリ遭遇」し、なおかつ、クマがこちらに向かってきたときのための防御アイテムが、クマ撃退スプレー。このアイテムは、グリズリーなどが生息する北米で開発されたもの。北米では90%以上の確率でヒグマの攻撃を止めた効果が実証されており、日本のクマ研究者・クマ関係者は、山に入るときは必ず携帯するといわれています。
しかし、クマ撃退スプレーの中身はカプサイシンという刺激成分のため、それ自体が危険物。噴射するとき、風向きに注意しなければ自分にふりかかり呼吸困難になってしまいますし、クマの顔を狙う噴射のタイミングが難しいこともあって、扱いにはトレーニングが必要です。
使用の基本は、いざというときの取り出しやすさ。必ず専用のホルダーを使って腰や、ザックのショルダーベルトなどに装着、いつでも手にできるようにします。リュックの中に入れてしまっていては、いざというときに使うことはできません。
もしものときは、次の3ステップで噴射します。
① ホルダーからスプレー缶を取り出して構え、安全装置を外す② 斜め下の角度に構え、クマの目や鼻にスプレーを噴きつけるため射程距離に入るまで待つ
③ クマの顔めがけて一気に噴射する
注意するべきは、自分にかからないように風向きを判断すること。噴射の際の射程距離は、製品によって違いがありますが平均的には5~6mです。十分クマを引き付けてから噴射しましょう。スプレーが、クマの頭の上をかすめてしまわないように角度を45~60℃と少し下向きにすることがポイントです。
とっさのときに、さまざまなことに注意をしながら正しく噴射するのは難しいので、事前に練習しておくことが理想。製品によってはトレーニング用の缶がセットになっているものもあります。
クマ撃退スプレー
自然の中の音や臭いにも敏感になろう
ほかにも自然の中に入るときは聴覚や臭覚など、自身のセンサーを鋭敏にすることも大切です。草木がカサカサと揺れる音、野生動物の死体などで発生する生臭い匂いがしたら、近くにクマがいる可能性があります。クマの足跡や、新鮮なフン、またツキノワグマの場合は、木の実を食べるため樹上につくる枝の塊「クマ棚」を発見した場合も同様です。早く通り過ぎましょう。
強風や強い雨の音などがする悪天候の日、川の流れの音が大きいときなどは、音や臭いがわかりづらくなるので特に注意が必要です。
連日ニュースで報じられるクマとの遭遇事例。出遭わないためにも出遭ってしまった場合でも、対策グッズがあるにこしたことはありません。キャンプ、登山、山菜採り、目的はなんであっても、自然の中に足を踏み入れる際、決して過信は禁物です。
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