更新日: 2024年10月16日
しぶとい草「スギナ」はなんと若返りの草!? 薬草天国・飛騨から伝える植物の力【vol.02】
河川敷や野原にシュシュッと生えている細い草。畑や庭の邪魔な草の代表として覚えられているかもしれないスギナには、驚くパワーが秘められています。
この記事を読んだらきっと、そこらじゅうに生えているスギナが宝物に見えてくるでしょう。
実は栄養が詰まっている植物「スギナ」
スギナは日当たりのよい河川敷や畑に生えるミネラルをたっぷり含んだトクサ科の植物です。ツクシを知っている人は、そのそばにスギナが生えているのを見たことがあると思います。ツクシは胞子茎、スギナは栄養茎として、地下茎でつながっています。
スギナによく似た植物に湿地に生えているイヌスギナがありますが、食用には向きません。わからない場合は食べたり飲んだりしないように注意してください。
スギナにはマグネシウム、カルシウム、リン、カリウムなどが非常に多く含まれているようで、細胞の代謝を円滑にしてくれます。さらに、ケイ素(シリカ)が含まれていることも注目されている理由のひとつです。
では、スギナにはどんな用途があるのでしょう?
いくつかご紹介します。
●切り傷ができてしまった!植物でかぶれてしまった!
→生葉をつぶして汁を出し、それを塗る。
●頭皮を健やかにしたい!
→チンキにして頭に振りかける。
●骨を強くしたい!尿を出したい!
→若葉を食べる。葉をお茶にして飲む。
なんだか若返れそうですよね。
調理したり乾燥させたり利用の仕方は無限大?
スギナを食べたり利用したりするには、生で使う方法と、乾燥させて使う方法があります。気をつけたいことは、スギナを食べ過ぎると、スギナの成分を必要以上に摂りすぎることがあります。お茶で程よく飲む分にはいいですが、丸ごと食べるときは小鉢に1杯程度の量を食べるとちょうどいいようです。
まず、生のまま使う方法を教えましょう。
②若葉をピザやパンにのせて好きな具と合わせて焼く
③湯に塩1%を入れて1、2分湯がき、水にさらして軽く絞る。マヨネーズやだしなど好きなもので和える
④湯に塩1%を入れて30秒ほど湯がき、水にさらして軽く絞る。だし・醤油・酒を入れて10分ほど煮る
次に、乾燥させて使う方法です。まずは下準備。
②ザルや新聞紙に広げて、日陰の風通しのよいところで乾かす。乾燥機を使うときは、60度前後で8~12時間乾燥させる(量による)
③保存するときは、瓶や缶、密封できる袋などに入れる。乾燥剤を忘れずに
一番手軽なのは、お茶として飲む方法です。
乾燥葉を細かく切り、炒って熱湯を注いで飲む。他の茶葉とブレンドするのもおすすめ。
少し手間がかかりますが、チンキとして使うこともできます。生の葉でも作れますが、長期保存するなら、乾燥させたものの方が向いています。手順は次の通り。
②35度以上の焼酎(果実酒用のホワイトリカーなど)やウォッカを瓶一杯に注ぐ
③遮光して1カ月程置き、濾したものを保存する
できあがったチンキは、精製水で薄めてスプレーボトルに入れ、頭皮に吹きかけましょう。肌の強さは個人差があるため、チンキ:精製水=1:9から様子を見ることをおすすめします。
今まで見向きもしていなかった、もしくは邪魔で仕方なかったスギナが輝いて見えませんか? ぜひスギナを味方につけて、暮らしに取り入れてみて下さい。
PHOTO:Lib.
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】Lib.
愛媛県生。大阪、福岡、千葉、東京で過ごす。銀行の営業等を経て、パリとニューヨークに渡り花業修行を積む。自分を植物で元気にしようと2018年8月飛騨を訪れ、同年10月から地域おこし協力隊、2021年11月から地域プロジェクトマネージャーとして飛騨市の薬草事業を担当。イベント企画や通信執筆、薬草体験施設運営、メディア出演等に関わる。2024年4月からLib.(りぶぽわん)として薬草イベントを展開中。