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ご褒美感たっぷりの大展望がドーン!日本百名山で初心者でも安心のトレッキング【大菩薩嶺・前編(山梨県甲州市・丹波山村)】 唐松尾根を登る途中、何度も振り返って富士山を撮る

旅音(たびおと)

更新日: 2024年9月18日

ご褒美感たっぷりの大展望がドーン!日本百名山で初心者でも安心のトレッキング【大菩薩嶺・前編(山梨県甲州市・丹波山村)】

山梨県の北東部に位置する日本百名山のひとつ、標高2057mの大菩薩嶺(だいぼさつれい)。
「山登りした!」感が手軽に味わえて、山頂付近からは富士山や南アルプスといった壮大なパノラマが楽しめる、登山の醍醐味をぎゅっと凝縮したような山です。

大菩薩嶺を巡るコースはいくつかありますが、今回は上日川峠から大菩薩峠を周回する、もっともポピュラーなコースを歩くことにしました。

始発で向かっても最寄り駅は大賑わい

大菩薩嶺が人気なのは、標高約1600mの上日川峠登山口までバスや車でアクセス可能、というのも理由のひとつ。そこから1時間半ほど登った先に、息を呑むようなパノラマビューが待っているというわけです。

眠い目をこすりながらいざ出発。始発電車に乗り込み、何度かうとうとしているうちに乗り換えの八王子駅に着きました。中央本線ホームに向かうと、そこで目にしたのは登山ウェアに身を包んだ大勢の人たち。行楽日和の週末とあって、山を目指す人が多いのは当然かもしれません。

松本行きの電車に乗車して約1時間、甲斐大和駅に到着しました。改札を出たところには、すでに長い行列ができています。上日川峠行きのバス待ちの列でしょうか。

上日川峠行き小型バスが停車中。全員乗れるのか……?

登山者が多い時期はバスも増便するようなので、その点は安心です。ほどなくしてバスに乗ることができました。補助席もフル稼働。ぎゅうぎゅうの状態で上日川峠登山口に向けて走り出します。

唐松尾根から行くか、大菩薩峠から行くか

カーブが連続する狭い山道を走り、40分ほどで終点の上日川峠に到着。運賃は現金払いのみ。交通系ICカードでピッとタッチするのに慣れているせいか、料金箱にお金を入れるだけで気分が盛り上がります。

トイレを済ませ、軽くストレッチしたら登山スタート……の前に、登山アプリを立ち上げて記録を開始するのも忘れずに。今度こそ本当に出発です。

熊出没注意の看板を見て気を引き締める

木々に囲まれた傾斜のゆるい道を、普段の歩行スピードよりゆったりペースで進んでいきます。森の中を散歩しているような感じで、おしゃべりしながら歩いていると、20分ほどで建物が見えてきました。「山小舎 福ちゃん荘」です。

まだ大して歩いていないけれど、さっそく休憩をします。売店でよく冷えた三ツ矢サイダーを買って喉を潤したあと、福ちゃん荘前の広場にある大きな案内板でこれから進むルートを再度確認。

唐松尾根分岐点に設置された案内図

右へ進めば大菩薩峠を経由して大菩薩嶺に向かう反時計回りのコース。左は唐松尾根を通って大菩薩嶺へ、その後に大菩薩峠を通過する時計回りのコースになります。私たちが選んだのは時計回りコース。唐松尾根はガレ場と急登があるとのことなので、踏ん張りやすい登りのほうが安全だろうし、早めに頑張ってあとはのんびりできたらうれしい、という思惑もありました。

唐松尾根の急登にめげずに登るといいことがある!

最初のうちはゆるやかな砂利道が続いていたものの、徐々に傾斜がきつくなってきました。展望なしの樹林帯で、ときどき現れるゴツゴツとした岩と格闘しつつの山歩き。トレッキングポールのありがたみを実感します。さっきチェックした案内板によれば、唐松尾根の登りの所要時間は1時間とあったような。まだまだ先は長い……。

唐松尾根は石が多い箇所があるので足元に注意しながら歩く

30分ほど経ったでしょうか。視界が開けた辺りで振り返ると、富士山がくっきり見えています(○A)。黙々と歩いた後のプチご褒美のおかげで、少し元気が出ました。

唐松尾根を登る途中で見かけた富士山に元気をもらう

これ以降は、少し登ったら振り返って「おお、枝越しじゃない富士山だ!」、5分ほど歩いたらまた立ち止まって「さっきより富士山が大きく見える!」と、何度も何度も小休憩を繰り返すので、標準コースタイムより少しペースダウンしているはず。とはいえ、帰りの時間まで余裕があります。せっかくのナイスビューを存分に満喫することにしましょう。

すぐ後ろを歩いていた別グループの登山者が「立ち止まるたびに富士山を撮っちゃうけど、後で見返したらたぶん全部同じに見える」と話していて、思わず笑ってしまいました。

ようやく到着した大菩薩嶺の控えめな雰囲気

唐松尾根の後半にも急登ゾーンはありましたが、富士山チェック(という名の休憩)をしていたせいか、登り始めのときよりもつらくはありませんでした。そんなこんなで大菩薩嶺手前にある展望ポイント、雷岩に到着です!

富士山の手前にあるのが大菩薩湖

目の前に広がる大パノラマを前にバンザイ。これまでの頑張りをたたえます。
時計を見ると現在10時40分。ランチ休憩には少し早いね、ということで、給水を終えたら大菩薩嶺を目指すことにしました。10分ほどで到着するようです。

樹林帯を軽快に進むと、ありました! 大菩薩嶺のピークです。それにしても……、木々に囲まれた場所の中にあって、特に景色がいいわけでもないので、山頂標識が設置されていなければ達成感を感じられなかったかもしれません。

大菩薩嶺の山頂標識は2つある

<データ>
■登山口所在地 山梨県甲州市塩山上萩原
■登山口までのアクセス JR甲斐大和駅からバスで約40分
■アドバイス
①繁忙期やハイシーズンの週末だと、中央本線の乗り換えの際にホームも車内も大変混み合う。万が一座れなくても相模湖駅、藤野駅、大月駅で途中下車する人もいるのでしばらく辛抱しよう。
②最寄りの上日川峠第1~3駐車場は早朝で満車というケースが多いので、はじめから登山口まで徒歩約10分の大菩薩湖北岸駐車場(第4駐車場、約300台収容可能)を目指すのも手だ。
■標高 2057m(大菩薩嶺)

国土地理院(電子国土Web)にスポットとルートを追記

PHOTO:旅音

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

カメラマン(林澄里)、ライター(林加奈子)のふたりによる、旅にまつわるさまざまな仕事を手がける夫婦ユニット。国内・海外の旅に加えて、最近は登山もライフワークになりつつある。著書に『インドホリック』(SPACE SHOWER BOOKS)、『中南米スイッチ』(新紀元社)。

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