更新日: 2024年9月8日
登山の魅力ってなんだろう?【山と高原地図編集部 連載 Vol.9】誰もが頷く!?登山あるある
「そんなに辛い思いをして、登山って何が楽しいの?笑」
山をやる人であれば一度は言われたことがあるだろうこの言葉。
何が楽しくて重たい荷物を背負って汗だくになりながら急な坂を登っているのだろうと。
あの子は今頃冷房の効いた部屋で映画でも見ながらアイスクリームを食べているのだろうにと、誰しもが一度は考えたことがあるはずです。
そこで今回は初心に立ち返り、登山の魅力について考えてみました。
これから登山を始めてみようかなと思う方、登山の魅力や楽しさを改めて考えたい方はぜひご一読いただければ幸いです。
目次
今回の登山あるあるは?
友達の誘いにのって登山を始めたものの、今ではその魅力にどっぷりな20代。日帰りから小屋泊テント泊まで色々チャレンジしてみたい!
最近嬉しかったことは、性別年齢問わずの山友達が増えたこと!
登山の楽しさについて問われたちず子ちゃん。
確かに登山をしない人にとっては、辛く危険な登山のどこが楽しいのか疑問に思うところがあるでしょう。それでも高山病になぞらえた「好山病」という言葉があるように、登山にハマって抜け出せなくなる人がいるのも事実です。
今回はそんな登山の魅力について、編集部内にて議論を行い考えてみました。
山と高原地図編集部公式インスタグラムでは、上記4コマ漫画シリーズのほか登山に関する写真や地図情報、編集部の日常を紹介しています。ぜひフォローして遊びに来てくださいね!
登山の魅力って何だろう?① 何といっても山頂からの大絶景!
まず何といっても下界(山以外の場所のこと。普段私たちが過ごす街のこと。)では絶対に見る事の出来ない絶景に出逢うことができるのが登山の魅力ではないでしょうか?
インターネットや数多ある登山雑誌・ガイドブックにも山の写真は掲載されていますが、やはり自身の目で見たものの感動には敵いません。
どこまでも続く青々とした山並み、山肌に落ちるように沈む夕景、夜空に輝く満天の星空などなど。山に登らなければ人生で二度と出逢うことのできないような景色を見ることが出来るはずです。
登山を始めた人のきっかけの多くが山の絶景見たさであると思います。
もしあなたが今、登山をやってみようかなと少しでも考えているのであれば、必要な道具や技術などはひとまず置いておき、自身が心惹かれる山の景色をストックしてみましょう。
それらはやがて登山における大きなモチベーションになるはずです。
登山の魅力って何だろう?② 山ごはんの美味しさに病みつき!
「山で食べるカップラーメンは、何よりウマイ!」
「山で淹れるコーヒーは格別だ」
「山での一杯、止められないんだよね~」
このようなセリフを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?山で作る、そして食べる。それだけなのに、どうして下界で食べるそれと異なるのでしょう。
それは登山時でしか当てはまらない、以下二つの条件が関係してきます。
ひとつ目は辛く厳しい道のりを登ってきた心地よい疲労感を感じていること。
登山(無雪期に限る)の運動強度は、 ジョギングやサッカーなどと同じ7メッツ*ほどです。縦走か日帰りかによって、その疲労度は変動しますが、登山という運動自体がそもそもかなりの運動量を要するのです。運動後のひと口、一杯が美味しくない訳ないですよね。
※ メッツとは?:ある運動をしている時に使うエネルギーが、安静時を1として何倍に当たるかを意味する活動の強度を示したもの。 参照:e-ヘルスネット(厚生労働省)HP
ふたつ目は山々が織りなす絶景に囲まれた、最高のロケーションで食事ができるということ。
人工物に囲まれて普段の食事を行う私たちにとって、山で目に入る景色は全てが新鮮そのもの。例え山ごはんが普段食べているコンビニのパン屋おにぎりであっても、まるで特別なものを食べているかのような錯覚を覚えるはずです。
以上のように、これら不思議な力が山には備わっているのです。自身で山ごはんを調理して食べた日なんぞ、気分はさながら高級料理店のコース料理を食べているかのよう⁉
登山の魅力って何だろう?③ 下界とは異なる不便さを楽しむ
湧き水を求めて往復15分の道のりを進んだり、雨で濡れてしまった衣類をシュラフの中に突っ込んで体温で乾かしたり、山の中ではこういった小さな「不便さ」がいくつもあります。
もちろん不便さを求めて山に行くわけではありません。しかしこういった不便さの中で、いかに工夫することが出来るか、下界とは異なるサバイバルな不便さを楽しむことが出来るというのも登山の醍醐味のひとつです。
自分だったらこうやって乗り切る、あの人はこう工夫しているんだなど、下界では見る事が出来ないバイタリティを発見することが出来るはず。
きっと後から振り返ってみても、困難に立ち向かった登山ほど思い出深く感じられますよ。
登山の魅力って何だろう?④ 自身とじっくり向き合える
情報過多の現代社会から一歩はずれて、今一度自身の心うちに語り掛けることが出来るのも登山ならではです。
普段あなたの思考を遮る友人からのメッセージも、ニュースアプリの通知も届かない山中で、ひたすらに自身と向き合いながら無事に登山を終えることだけを考える、下界とは異なる環境ならではの贅沢ですよね。
山が古くから信仰の地として崇められ、修行の場とされていたことにも通ずるものがあるように、ただひたすらに足を動かしているうちに、雑念も消えて思考がクリアになり、自分自身とじっくり向き合うことができるのです。
ちなみに最近だとマインドフルネス、所謂「瞑想」の場として登山がピックアップされることもあるとか。
登山の魅力って何だろう?⑤ それぞれの「好き」を尊重できる
一口に登山と言っても、その楽しみ方は十人十色です。
ピークハントをメインにする人。
同じ山の登山道を制覇するために歩き回る人。
カメラに絶景を収めるために、何時間もチャンスを狙う人。
そこにしか咲いていない高山植物に会いに行く人。
本格的な調理器具を担ぎ上げ、山ごはんを楽しむ人。などなど…
登山の魅力は、上記に羅列した人々それぞれの「好き」を皆が尊重しているということ。それはひとえに皆の根底に「山が好き」という気持ちがあるからだと言えます。
最近だとSNSをはじめとして個々の「好き」が多々発信されるようになり、より身近な存在に感じることが出来るはずです。
尽きない魅力を持つもの、それが登山!
いかがでしたか?今回記載した以外にも、掘っても尽きぬ魅力があるもの、それが登山だと考えています。
しかし世間において山にスポットが当てられるのは「遭難」「滑落事故」などどうしてもマイナスなニュースが多くなってしまうもの。
時には冒頭のちず子ちゃんのように「登山って何が楽しいのか分からない、危険なだけだ」と言われてしまうこともあるかもしれません。
そんな時は改めてあなたが山に興味意もったきっかけや、山好きになるに至った登山の魅力を追い出してほしいのです。
他人に倣う必要はありません。あなただけの登山の魅力を見つけ、これからも大切にしてくださいね。
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『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図です。谷や尾根、等高線や登山道を綿密に描き、実踏調査に基づいた登山ルート・コースタイムなどを掲載、
その『山と高原地図』シリーズアプリは、慣れ親しんでいる地図をお手持ちのスマートフォンでも見られるだけでなく、GPSを使って地図上で現在地を確認したり、自分が登ったルートの記録をする、といった機能により 登山・ハイキングがますます楽しくなるアプリになっています。
記録したルートをメールで送信して、PCで登山記録を管理したり、登山コミュニティサイトに投稿して記録を共有することもできるので、活用方法は無限に広がります。地図データは全てスマートフォン本体に格納しますので、携帯電話の電波が届かない山中でも安心して使用することができますよ。
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【筆者】山と高原地図 編集部
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