更新日: 2024年9月8日
安心安全な登山のために!登山届についておさらいしよう【山と高原地図編集部 連載 Vol.3】誰もが頷く!?登山あるある
登山には危険やトラブルはつきもの、といっても事前準備で防げることは多いはず。
そのひとつが、「登山届」の作成、提出です。
書き方、提出の仕方が分からない、低山で日帰りだから必要ないという意見も多々あるとは思いますが、もしもの時にアナタを助ける大きな手掛かりになります。
今回はそんな登山届の重要性を改めておさらいしてみましょう!
目次
今回の登山あるあるは?
友達の誘いにのって登山を始めたものの、今ではその魅力にどっぷりな20代。
日帰りから小屋泊テント泊まで色々チャレンジしてみたい!
最近のブームは、百均商品で山道具を代用できないか試行錯誤をすること。
近く控える登山のため、登山届を作成していたちず子ちゃん。きっちり作り上げ、完璧な登山届ができたようですね。
しかし実際に登山ポストの前では「これを使う機会がありませんように‥」なんて祈るもの。登山届が使われる機会=遭難などの有事の際ですからね。日の目を見ることなく、廃棄されるのが一番良いのです。
山と高原地図編集部公式インスタグラムでは、上記4コマ漫画シリーズのほか登山に関する写真や地図情報、編集部の日常を紹介しています。ぜひフォローして遊びに来てくださいね!
そもそも登山届って何?
さて、そもそも登山届とは何でしょうか?何故用意する必要があるのでしょうか?
登山届とはその名の通り、「登山に関する届け出」のことを指します。入山するメンバーの情報、登山計画や、持参する登山装備など、山行に関する情報を書き込み警察や家族に知らせておくために必要なもの。
入山届、登山計画書とは同じ意味合いで使われることが多いです。
事前準備に労力がかかることは否めませんが、登山届の作成には以下のようなメリットだらけなのです!
1、遭難など有事の際の初動が早い
2、家族、知人に登山計画の共有が可能
3、山行に対する理解度が高まる
せっかくの登山、不安要素なしに最後まで楽しみたいですよね。ではその登山届、どうやって書いていけばよいのでしょうか?
登山届、どうやって書くの?
まずはじめに、登山届には明確な書式フォーマットはありません。各都道府県警・行政や、登山サービスが用意してくれているフォーマットを使用しても良いし、必須事項さえ記入していれば、自身でオリジナルのものを作成しても良いのです。
では必須事項とはどういったものを指すのでしょうか?
登山届の必須事項
①届出日
②代表者(同行者)情報
・氏名、住所、生年月日、年齢、連絡先、緊急連絡先(遭難時等に繋がる下界にいる家族や知人など)、備考(持病やマイカーの情報など)
③登山山域、期間
④登山行程の詳細、エスケープルート
※エスケープルートとは、縦走時に怪我や天候面などトラブルがあり撤退する場合、本来のゴール地点ではなく、その時点から近い下山口へのコース取りをすること。
⑤持参装備の情報
ウェアの色や食糧(行動食・非常食含む)の量など
基本的に上記①~⑤を押さえておけば問題ありません。「迷ったら書いておく精神」で行きましょう!
さあ、ここまで来ればあともう少しです。しっかりとした登山届を用意しておけば、山中での安心感も変わってきますよ。
登山届ってどこに提出するの?
登山届の作成が済んだら、いよいよ提出です。一口に登山届の提出と言っても、その方法は様々です。山域の提出方法の状況や、自身に一番合ったやり易い方法で提出してみましょう。
登山届の提出方法
①最寄りの駅や登山口に設置された登山ポストへの投函
②登山する山域を管轄する警察署、交番、駐在所への郵送、電子メール、FAX
③家族、職場、学校、所属する山岳会やクラブなど
登山届の基本は「多方面への共有」です。最近は登山届の電子申請を受け付けている警察や行政も増えてきていますので、登山予定の山域はどういった取り決めになっているのか、今一度確認してみましょう。
登山届に関するおすすめサービス「コンパス」
公益社団法人日本山岳ガイド協会が管理運営する登山計画作成・提出システム「コンパス」。一部の都道府県、都道府県警との登山届の閲覧協定が締結されており、有事の際の分速な対応が可能です。
GPXファイルから計画ルートの作成や編集も可能なので、下記に紹介する山と高原地図アプリなどで計画だてをしていたルートを取り込むこともできますよ。
さらに特徴的な機能としてコンパスには「下山通知」機能があること。下山後にその旨を通知することにより、緊急連絡者への伝達がされます。
通知がされなかった場合には、幾度の通知催促ののち、未通知の旨が緊急連絡者に知らされ、そこから警察・消防尚に通報頂くといった流れを踏むことになります。
登山届に関するおすすめサービス「山と高原地図ホーダイ」
お馴染み山と高原地図のアプリ版。「山と高原地図ホーダイ」には「登山計画作成機能」があり、山と高原地図上のコースタイムポイントにチェックを入れることで、直感的な登山計画の作成が可能。
コースタイム倍率の設定も「×0.4」~「×2.0」まで可能になっていますので、自身の歩行スピードにコースタイムを沿わせた計画だてをすることができますよ。
普段から登山時に山と高原地図を利用される方は、見慣れた地図上で登山計画を作成することで、より登山行程の理解度が高まると思います。
山と高原地図ホーダイはこちらからダウンロード!
登山届を提出して、安心安全に登山を楽しもう!
登山届の準備・作成は確かに労力のいるものですが、大変さを上回るメリットを享受することができます。何より、登山時における安心感は結構大きいですよ。
登山届の作成・提出によって、より安心安全に登山を楽しみましょう!
マンガ家です!映画とかドラマとか時々好きなものを呟きます。
土日祝は京都のマンガミュージアムで実演中!
>Twitterはこちら
>Instagramはこちら
>Pixivはこちら
山と高原地図編集部公式インスタグラムでは、上記4コマ漫画シリーズのほか登山に関する写真や地図情報、編集部の日常を紹介しています。ぜひフォローして遊びに来てくださいね!
山と高原地図で登山を楽しもう
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図です。谷や尾根、等高線や登山道を綿密に描き、実踏調査に基づいた登山ルート・コースタイムなどを掲載、
その『山と高原地図』シリーズアプリは、慣れ親しんでいる地図をお手持ちのスマートフォンでも見られるだけでなく、GPSを使って地図上で現在地を確認したり、自分が登ったルートの記録をする、といった機能により 登山・ハイキングがますます楽しくなるアプリになっています。
記録したルートをメールで送信して、PCで登山記録を管理したり、登山コミュニティサイトに投稿して記録を共有することもできるので、活用方法は無限に広がります。地図データは全てスマートフォン本体に格納しますので、携帯電話の電波が届かない山中でも安心して使用することができますよ。
アプリアイコン | ||
アプリ名称 | 山と高原地図 | 山と高原地図ホーダイ |
料金 | DL1回につき650円(税込) | 月額500円(税込)もしくは 年額4800円(税込) |
DLできる登山地図 | 1回のDLで山と高原地図1エリア分をDL可能 | 山と高原地図全63エリア分をDLし放題 |
登山計画作成機能 | × | ○ |
ダウンロード |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】山と高原地図 編集部
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図。深田久弥による「日本百名山」をすべて収録し、主要な山岳エリアを網羅しています。
まっぷるウェブでは、登山、トレッキング、ハイキングに関する情報や、おすすめの登山ギアについて紹介していきます!