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九州の絶景・登山スポット10選 登り応えのある名峰と世界遺産の大自然

山と高原地図 編集部

更新日: 2024年9月13日

九州の絶景・登山スポット10選 登り応えのある名峰と世界遺産の大自然

全国有数の存在感を放ち、登山・ハイキングに最適な山を多く有する日本屈指の名山の宝庫「九州」。

世界遺産・屋久島の「宮之浦岳(みやのうらだけ、標高1936m)」をはじめとして、標高1000m後半を誇っている「くじゅう連山」や「霧島連山」など、登山愛好家が憧れる山域を数多く有しています。

今回はハイキングで楽しめる郷土の里山から、登り応えのある日本百名山のロングコースまでご紹介!

遠方からも訪れる価値が大いにある、飽くなきネイチャーワールドが待っています。
感動できること間違いなしなので、ぜひ一度歩いてみてはいかがでしょうか。

目次

九州の登山スポット1. 秀峰・薩摩富士。下山後は砂蒸し風呂も楽しみな「開聞岳」(鹿児島県指宿市)

九州の登山スポット1.  秀峰・薩摩富士。下山後は砂蒸し風呂も楽しみな「開聞岳」(鹿児島県指宿市)

日本百名山の選定基準には、標高の高さも指標にされており、標高1000m以下の百名山は全国に2座しかありません。そのうちの1座が、鹿児島県指宿(いぶすき)市の「開聞岳(かいもんだけ、標高924m)」です。薩摩富士とも称される、秀麗な山容が特徴で、地元ハイカーに愛されています。市内のどこからでも姿を見られる、指宿のシンボルです。

登山道は「かいもん山麓ふれあい公園」からの1ルートのみ。螺旋状に山麓を回り込みながら登っていきます。 片道は約2時間30分 / 往復4km弱と、比較的登りやすい内容ながら、後半は東シナ海を見渡す大パノラマが素晴らしく、九州最南端にある山の情緒を感じさせるでしょう。下山後は、麓の指宿温泉で「砂蒸し風呂」へ入るのが定番の楽しみ方です。

  • ■コースタイム:かいもん山麓ふれあい公園→(約10分)→開聞岳2合目登山口→(約40分)→4合目→(約20分)→5合目→(約50分)→仙人洞→(約30分)→開聞岳山頂

開聞岳

住所
鹿児島県指宿市開聞十町
交通
JR指宿枕崎線開聞駅から山頂まで徒歩2時間30分
料金
情報なし

九州の登山スポット2.自然の鼓動を感じる。日本離れした絶景が広がる「阿蘇山」(熊本県阿蘇市)

九州の登山スポット2.自然の鼓動を感じる。日本離れした絶景が広がる「阿蘇山」(熊本県阿蘇市)

熊本県にある「阿蘇山」は、厳密にいうと一つの山ではなく、阿蘇五岳と呼ばれる5つの峰と、その火口原や外輪山(※1)を含む名称。つまるところ、阿蘇市全体が一つの山といっても過言でなく、日本屈指の壮大なカルデラ地形(※2)を作り上げています。その中で、火口近くまで走る山岳道路・阿蘇のパノラマラインの「草千里」が、阿蘇五岳への登山拠点となります。

(※1)外輪山:火山の中心部を取り囲むように発達する外周部の山のこと。
(※2)カルデラ地形:火山の活動によってできた大きな凹地のこと。

火山活動や噴火警戒レベルによって、登山道の通行可否が変わるので、事前に阿蘇市のホームページを確認して登りましょう。烏帽子岳(えぼしだけ、標高1337m)や杵島岳(きしまだけ、標高1326m)は、草千里から片道1時間ほどで登頂することができます。山頂に広がる、圧倒的な山岳美は、阿蘇山ならではの絶景です。

  • ■コースタイム:草千里→(約1時間)→烏帽子岳山頂、草千里→(約55分)→杵島岳山頂

阿蘇山

住所
熊本県阿蘇市黒川阿蘇山
交通
JR豊肥本線阿蘇駅から産交バス阿蘇山西駅行きで40分、終点でロープウェーに乗り換え4分、火口西下車すぐ
料金
情報なし

九州の登山スポット3. 兄弟伝説が残る。天草諸島随一の大展望の山「太郎丸嶽・次郎丸嶽」(熊本県上天草市)

九州の登山スポット3. 兄弟伝説が残る。天草諸島随一の大展望の山「太郎丸嶽・次郎丸嶽」(熊本県上天草市)

ともに九州百名山に選ばれている、熊本県の「太郎丸嶽(たろうまるだけ、標高281m)」と「次郎丸嶽(じろうまるだけ、標高397m)」。太郎・次郎の兄弟愛を物語る伝説から、このような名前が付けられました。ややマニアックな山ではありますが、わざわざ遠くから訪れたい野趣あるパノラマ登山道が魅力です。

麓の今泉地区(太郎丸・次郎丸嶽登山口)から太郎丸嶽を経由して、次郎丸嶽へ登れば片道2時間15分ほど。標高は300〜400mとそれほど高くはありませんが、特に次郎丸嶽の山頂周辺からは360度の大展望が広がり、有明海の多島美や、遠く島原半島まで見渡すことができます。太郎丸嶽山頂から仰ぎ見る、次郎丸嶽の山容も低山とは思えない迫力です。

  • コースタイム:太郎丸・次郎丸嶽登山口(登山専用駐車場)→(約1時間)→太郎丸・次郎丸嶽分岐→(約25分)→太郎丸嶽山頂→(約15分)→太郎丸・次郎丸嶽分岐→(約35分)→次郎丸嶽山頂
<太郎丸嶽・次郎丸嶽の基本情報>
住所:上天草市松島町今泉
アクセス:上天草市街から太郎丸・次郎丸嶽登山口(登山専用駐車場)まで車で約20分
備考:駐車場は無料です。
太郎丸嶽の公式HPはこちらから
次郎丸嶽の公式HPはこちらから

九州の登山スポット4. 冬に咲く花ぼうろが美しい。島原半島の独立峰「雲仙普賢岳」(長崎県島原市)

九州の登山スポット4. 冬に咲く花ぼうろが美しい。島原半島の独立峰「雲仙普賢岳」(長崎県島原市)

島原半島中央部に位置する独立峰「雲仙岳(うんぜんだけ)」。妙見岳や国見岳など三峰五岳からなる火山群の総称で、主峰は「普賢岳(ふげんだけ、標高1359m)」。一般的には、雲仙普賢岳と呼ばれています。長崎のトレードマークと言えるこの山は、雲仙ロープウェイが運行しており、四季折々美しい景色を見せてくれるため、ハイカーの人気が高いです。

中でも一番おすすめの季節は冬。一気に冷え込んだ日には、地元では”花ぼうろ”という名称で親しまれる、美しい「霧氷(むひょう、※3)」を鑑賞できます。登山口の仁田峠から普賢岳山頂までは、約1時間20分と負荷も軽く、初心者でも雪山登山を楽しむことが可能。片道どちらかロープウェイを使うことで、より難易度を下げることもできますよ。

(※3)霧氷:空気中の水分が、過冷却によって木々へ付着する現象

  • ■コースタイム:仁田峠→(約30分)→あざみ谷→(約50分)→雲仙普賢岳山頂

雲仙普賢岳

住所
長崎県雲仙市小浜町雲仙
交通
JR長崎本線諫早駅から島鉄バス雲仙方面行きで1時間20分、別所口で島鉄バス仁田峠方面行きに乗り換えて25分、仁田峠下車すぐ(ロープウェイ仁田峠駅)
料金
ロープウェイ往復=大人1290円、子供650円

九州の登山スポット5. 九州の屋根をパノラマ大縦走。牧ノ戸峠から百名山「久住山」へ(大分県くじゅう町)

九州の登山スポット5. 九州の屋根をパノラマ大縦走。牧ノ戸峠から百名山「久住山」へ(大分県くじゅう町)

九州本土最高峰「中岳(なかだけ、標高1791m)」をはじめとして、標高1700m級峰がいくつも連なる「くじゅう連山」。”九州の屋根”と呼ばれる、大迫力の山岳地帯を形成しています。中でも「久住山(くじゅうさん、標高1786m)」は、その主峰にして、日本百名山にも選ばれている山。全国各地から多くの人が足を運び、九州屈指の人気を誇っています。

くじゅう連山は広い山域のため、日帰りでなく1泊2日で登る人も多いです。山中に泊まる場合、坊ガツル野営場か法華院温泉山荘で宿泊できます。登山道は数々整備されていますが、おすすめは牧ノ戸峠コース(片道約2時間15分)。沓掛山(くつかけやま)を越えると、美しい稜線歩きが続き、山頂では阿蘇方面を見渡す、果てしない大平原が広がります。

  • ■コースタイム:牧ノ戸峠(登山口)→(約25分)→沓掛山→(約50分)→扇ヶ鼻分岐→(約30分)→久住分かれ→(約30分)→久住山山頂

くじゅう連山

住所
大分県竹田市久住町
交通
JR久大本線豊後中村駅から日田バス牧戸峠行きで1時間、終点下車、中岳山頂まで徒歩2時間10分(時期により臨時便あり)
料金
情報なし

九州の登山スポット6. 荒々しくも美しい霧島連山。えびの高原から主峰「韓国岳」周回(鹿児島県霧島市)

九州の登山スポット6. 荒々しくも美しい霧島連山。えびの高原から主峰「韓国岳」周回(鹿児島県霧島市)

宮崎県・鹿児島県の県境に位置している「霧島連山」。2018年に発生した新燃岳(しんもえだけ)の噴火は記憶に新しく、九州を代表する活火山群として知られています。そのうち最高峰の「韓国岳(からくにだけ、標高1700m)」は、日本百名山に選ばれており、えびの高原(標高1200m)から片道1時間40分ほどで登頂することが可能です。

登山道は火山らしいゴツゴツとした荒涼な道。終始展望がひらけており、山頂近くまで至ると、瞳のような大浪池(おおなみいけ)や、南東には霧島連山の東端にあたる「高千穂峰(たかちほのみね、標高1573m)」まで見渡せます。往路か復路で、韓国岳避難小屋と山頂をつなぐルートを選べば、まるで天空の道を歩いているような山岳情緒を感じられるはず。

  • ■コースタイム:えびの高原→(約40分)→硫黄山火口展望所→(約25分)→5合目→(約35分)→韓国岳山頂→(約50分)→韓国岳避難小屋→(約55分)→えびの高原

韓国岳(鹿児島県)

住所
鹿児島県霧島市牧園町
交通
JR日豊本線霧島神宮駅から鹿児島交通霧島いわさきホテル行きバスで30分、丸尾で霧島連山周遊バスに乗り換えて26分、えびの高原下車、山頂まで徒歩2時間30分
料金
情報なし

九州の登山スポット7. 苔むす森を越えた先に。世界遺産の大自然を一望する「太鼓岩」(鹿児島県屋久島)

九州の登山スポット7. 苔むす森を越えた先に。世界遺産の大自然を一望する「太鼓岩」(鹿児島県屋久島)

九州の中でも隔絶した、世界遺産の自然を有している「屋久島」。定番の縄文杉以外にも、トレッキングで訪れたい山やスポットが点在しています。その中で、人気が高いのが「太鼓岩(たいこいわ、標高約1050m)」。もののけ姫のモチーフになったとも言われている、苔むす悠久の森・白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)の最奥にある展望岩です。

白谷雲水峡の入り口から片道約2時間。まるで妖精でも現れるような、神秘的な森を進み、岩々に繁茂する鮮やかな苔に癒されます。屋久島の自然を象徴する杉の大樹や、屋久シカに出会うこともしばしば。辻峠(つじとうげ)から傾斜のある登りを経て、太鼓岩の上に立てば、屋久島の最高峰・宮之浦岳(みやのうらだけ、標高1936m)を一望する、息を呑む絶景が広がります。

  • ■コースタイム:白谷雲水峡入り口(白谷広場)→(約55分)→白谷山荘→(約40分)→辻峠→(約15分)→太鼓岩

太鼓岩

住所
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦
交通
宮之浦港から種子島・屋久島交通白谷雲水峡行きバスで40分、終点下車、徒歩2時間15分(冬期は運休あり)
料金
森林環境整備推進協力金=300円/(15名以上は団体料金は250円、屋久島山岳部保全募金は1口500円)

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