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紅葉真っ只中の尾瀬ヶ原ハイキング。至仏山と燧ケ岳に抱かれながら歩く、はるかな尾瀬を行く。

山と高原地図 編集部

更新日: 2024年12月26日

紅葉真っ只中の尾瀬ヶ原ハイキング。至仏山と燧ケ岳に抱かれながら歩く、はるかな尾瀬を行く。

夏が来~れば思い出す~♪。と唱歌「夏の思い出」でもお馴染みの尾瀬。
ミズバショウの咲く頃もニッコウキスゲの咲く頃も良いですが、私は木々や湿原が彩る秋の尾瀬も大好きで、今回は錦秋の尾瀬ヶ原を歩いて来ましたので、ご紹介させていただきます。
尾瀬へは毎秋シーズンになると新宿駅から高速バスが出ているので便利です。
バス停や駐車場のある尾瀬戸倉からは乗合バスに乗り換えとなります。尾瀬戸倉からは25分ほどで尾瀬の玄関の鳩待峠に到着です。

執筆・写真:山と高原地図14尾瀬 坂上修司

1. 尾瀬に到着!鳩待峠から山ノ鼻へ

1.	尾瀬に到着!鳩待峠から山ノ鼻へ

鳩待峠の標高は1,591mで尾瀬ヶ原は標高約1,400mで、約190mの標高差を行きは下り、帰りが登りになるので、帰りの体力を考えて歩きましょう。帰りのバスの時間が決まっているので注意が必要です。

尾瀬ヶ原の入口にある山ノ鼻までは森の中で約1時間のコースタイム。木々の紅葉を楽しみながら歩きます。

ダケカンバやカエデ類などの紅葉が綺麗でした。

2.山ノ鼻で休憩と情報収集をして出発!

鳩待峠から3,3㎞歩くと山ノ鼻に到着です。山ノ鼻にはビジターセンターとWCとテント場があり、山小屋が3軒並んでいます。ビジターセンターで尾瀬の情報収集ができます。そして尾瀬ヶ原に出ると竜宮や東電小屋までWCが無いので、しっかり準備して尾瀬ヶ原へ向かいましょう。テント場脇にある水道からは尾瀬の天然水が飲めます。

開いていれば山小屋で昼食も食べる事もできます。尾瀬の山小屋でグルメを楽しむのも最近の流行り。ゆっくり一泊するのもオススメ♪

ビジターセンターで尾瀬の歴史や成り立ち、生息している動植物などの展示物があります。熊の剥製や毛皮も触ることができます。

3.いざ錦秋の本州最大の湿原へ!

山ノ鼻を過ぎると尾瀬ヶ原の広い湿原の景色が始まります。
東西に約6㎞、南北に約2,5㎞と広がる本州最大の湿原です。

至仏山と燧ヶ岳の日本を代表する2座に東西で挟まれているのも特別な景観のひとつとなっています。

標高2,228mで蛇紋岩の塊の様な山で地質学的にも植物学的にも特殊な山です。約2億3000万年かけて隆起してできた尾瀬で最初にできた山と言われています。

標高2,356mで福島県になるので東北と北海道で一番高い山です。約35万年前から火山活動を開始した尾瀬では一番新しい山と言われています。

歩いたのは10月の半ばで、湿原の草紅葉が見事でダケカンバやミズナラやブナなどの周囲の木々も紅葉が始まり彩っていました。
30分ほど歩くと逆さ燧の池塘があり、風の弱い日には水面に写る逆さの燧ヶ岳が楽しめます。

風の弱い早朝に見に行くのがオススメ。※湿原にできた池を池塘と呼んでいます。

上の大堀川橋を渡り更に歩くと休憩できるベンチが沢山ある牛首分岐となります。
日帰りの場合はここで折り返して鳩待峠まで戻ると歩行距離が約11㎞となるので、体力に自信がない人はこの辺りで折り返すのが無難かなと思います。
牛首分岐からもう1㎞ほど歩くと尾瀬で一番有名な下ノ大堀川ビュースポットがあったりしますので、自分の体力とよく相談して歩いてみてください。

尾瀬で検索すると写真でよく出てくるビュースポット。この写真のように5月下旬頃になるとミズバショウが群生する絶景ポイント♪

4.竜宮十字路からヨッピ吊橋へ

牛首分岐から40分ほど歩くと竜宮に到着します。
竜宮では名前の元にもなっている竜宮現象と言う湿原の下を川が流れている現象が見る事ができます。
時間があれば入口と出口、どちらも観察してみてください。そしてWCのある龍宮小屋でしばし休憩。

昔この水の流れた先に竜宮城があるんじゃないかと言うロマンチックな発想で名前が付いたんだそうです。

写真家に人気の山小屋。「白虹」を撮影したい人はぜひ宿泊してみてください。

湿度があってよく晴れた早朝に見る事ができます♪霧の粒子が細かいので七色ではなく白色で見える虹。竜宮十字路にて。

竜宮十字路からヨッピ吊橋方面へ。至仏山を左に見ながら木道を歩きます。
所々に立っている白樺の木が黄葉していて綺麗でした。10月の頭だとヤマドリゼンマイの群生が紅葉しているのでオススメの場所になります。
周りに人がいないと鼻歌も自然に出てきてしまいます♪

10月頭のヤマドリゼンマイの紅葉。この景色を見るとヤマドリゼンマイのファンになっちゃいます♪

30分ほど歩くとヨッピ吊橋に到着。歩くと揺れる吊り橋なので好きな人と一緒に歩くと吊り橋効果で距離が縮まるかも!?
「ヨッピ」の名前はアイヌ語からきているそうで「集まる」「集積する」と言う意味なのだそうです。猫又川と川上川が合流した川だからですかね。
本州のいろんなところで見られるアイヌ語の影響力にびっくりです。

ヨッピ吊橋を渡りそのまま行くと新潟県に入り東電小屋があります。

5. ここでも逆さ燧の池塘。そしてニッコウキスゲの戻りつつある植生保護柵の中へ。

ヨッピ吊橋を渡りそのまま歩くと東電小屋へたどり着きますが、今回は吊り橋を渡らず左側へ曲がり、牛首分岐方面へ折り返します。
15分ほど歩くとベンチと池塘があります。

ここの池塘からも逆さの燧ヶ岳を見る事ができ、風の無い時に来るとやはり良い写真が撮れる場所になります。
ベンチでお弁当を食べながら風が止むのを待つのもいいかもしれません。

7月くらいの時期で早朝に行くと逆さダイヤモンド燧ヶ岳の景色も楽しめます

更に10分ほど歩くと鹿からの食害を防ぐ為の植生保護柵が設置されています。
7月上旬頃にはニッコウキスゲが咲き誇り、尾瀬ヶ原で一番のニッコウキスゲ群生地になります。
夏の時期にはオススメの場所となります。

ニッコウキスゲの花期になるとこの様にニッコウキスゲの黄色い絨毯の景色が戻りつつあります。

以前は生息していなかったニホンジカが30年ほど前から尾瀬に入って来るようになり、ニッコウキスゲやミツガシワなどの様々な植物の食害が問題になっています。

6. 牛首分岐からは来た道を戻り鳩待峠へ

そのまま牛首分岐に戻り、至仏山を眺めながら山ノ鼻へ。山の鼻から鳩待峠は登りになるので、少し休憩してから歩きます。
そして紅葉を楽しみながら進むと、今回のゴール地点の鳩待峠に到着です。

この日歩いた距離は約17㎞。尾瀬は平坦な箇所が多いですが一日で全部周ろうとすると、20㎞を超えたりします。
尾瀬には各所に山小屋があるので一泊しながら、ゆっくり歩く尾瀬もオススメです。

バスの最終の時間が決まってますので、時間を見ながら計画的に歩かれてください。もし遅れてしまった場合は携帯電話でタクシーを呼ぶ必要がありますのでご注意を!

 

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7.今回歩いたコースはこちら

山と高原地図14 尾瀬 燧ヶ岳・至仏山・会津駒ケ岳 2024年

今回歩いたコース
START:鳩待峠
→山ノ鼻
→逆さ燧池塘
→牛首分岐
→下ノ大堀川ビュースポット
→竜宮
→ヨッピ吊橋
→東電下ノ大堀川橋
→牛首分岐
→逆さ燧池塘
→山ノ鼻
GOAL:鳩待峠

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