更新日: 2024年9月15日
猛暑の夏は涼しさを求めて高原へ。日本300名山の入笠山は高山植物と高山ならではの絶景が味わえるおすすめスポット。ゴンドラすずらんで標高1,780mの入笠湿原まで一気に登ります。
都会の夏は毎日毎日暑くて溶けそう・・・。今年の酷暑は特につらく感じます。今回はそんな日々からプチ脱出を目指して一路、涼やかな高原へ。
日本300名山でもある入笠山は富士見パノラマリゾートから、ゴンドラに乗って一気に高地の入笠湿原へ行くことができます。登山道はよく整備されており、誰もが自然と高山植物を楽しむことができます。
さらに入笠山の山頂からは、八ケ岳や南アルプス北部、北・中央アルプス、富士山などの絶景が眺められます。もちろん日帰りも可能ですが、山中には山小屋があるので、1泊2日でゆっくりと楽しみたい山でもあります。
今回はそんな梅雨明け後の夏の始まりに訪れたい入笠山を紹介します。
執筆・写真:山と高原地図「三浦・房総」「箱根」著者 中田眞二
目次
1.あっという間に標高1800mの高地へ。空中散歩を楽しんだら、高山植物と展望を求めて入笠湿原に向かいます。
都会の酷暑を逃れ、涼やかな風が吹く高原へ。今回は日本300名山の入笠山が舞台です。ゴンドラすずらんの発着所である富士見パノラマリゾートが今回の旅のスタート地点。車なら中央自動車道諏訪南ICから約7分という近さ。電車なら新宿から中央本線で約2時間15分。富士見駅で下車すれば無料送迎バスが出ています。所要時間は約10分です(詳しいアクセス情報についてはこちら)。
山麓からゴンドラすずらんに乗ります。ゴンドラの窓から外を見ると、ゴンドラ下の斜面を疾駆するマウンテンバイクの姿が見えます。ここには本格的なマウンテンバイクのコースがあり、さまざまな大会が開催されているようです。
15分ほどで山頂駅に到着です。標高は一気に730m上がりすでに1780m地点。周辺はすでに高地の様相です。さあ、暑さを逃れてたどり着いた入笠山で爽やかな高原歩きの始まりです。
2.金網の扉を開けて入笠湿原散策に出発
ゴンドラ山頂駅を出るとテラスがあり、コーヒーやアイスクリームが楽しめるカフェがあります。時間に余裕があれば、立ち寄るのがよいでしょう。
正面に見えているのが入笠山ハイキングコースの入口です。ルートを説明する看板が立てられています、手元のアプリと照らし合わせてこれらから歩く道順をおさらいしておくのがよいでしょう。その先に入笠湿原が広がっています。しばらく砂利道を歩き、道標に導かれて左へ。きれいに手入れされた林を抜ければ湿原入口に到着します。
道迷い対策には山と高原地図アプリ!!インストールしてから登山へいこう
山と高原地図アプリを使えば、自分の今立っている場所が人型のシンボルで表示されます。また、自分の向いている方角(スマートフォンの正面が向いている方向)が扇形に示されるので、道迷いのリスクが格段に下がります。これらの機能はGPSの測位によるものなので、スマートフォンが圏外でも使用可能です。
また、歩いてきたルートも同時に記録できるので、山行記録の整理にも持って来いの便利なアプリです。
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3.緑の絨毯がどこまでも続く
動物避けの金網が張られた入笠湿原には、出入口に金属製の扉が付けられています。扉を開けたら確実に閉めることを忘れないようにしましょう。木道が敷かれた湿原には多くの高山植物が咲いています。
この美しい景観はボランティアの方々の手によって守られています。(木道整備や帰化植物の除去などの保全活動が行われています)写真を撮る時には近寄り過ぎて、植物に触れないように注意しましょう。
※帰化植物・・・外国から何らかの形で持ち込まれ、その強い繁殖力によって野生に定着してしまった植物のこと。日本本来の生態系を破壊する大きな要因の一つともなっており、固有種の生育地を奪うなど大きな問題を引き起こしている。
4.お花畑を堪能する
入笠湿原や入笠山登山口近くの花畑に咲く高山植物は季節で変わりますが、アヤメやスズランなどの群生はよく知られていて、それを目当てに毎年訪れる人も少なくありません。そのほかにもこれからの季節であれば、コオニユリやハクサンフウロなどの花が代表的なものとして挙げられます。
5.入笠山山頂を独り占め
木道をのんびり歩いて山彦荘まで行ってみます。入笠湿原の目の前に山彦荘は立っています。宿泊のほか、食堂があるのでお昼をまだ食べていなければここで済ませるのがよいでしょう。また、売店も併設されているので入笠山に登った記念のお土産を選ぶならここがおすすめです。(山彦荘の詳しい情報はこちら)
ベンチでひと休みしたら先に進みます。林道を少し歩いたら左に下り、登山道に入ります。すぐにお花畑の中をジグザグに登るようになります。ここを抜けると入笠山の登山道に入ります。
岩の転がるガレた場所もありますが、問題なくクリアできます。ササが茂る道に入ると岩場コースと岩場迂回コースに分かれますが、岩場コースからアプローチして、下山時に岩場迂回コースを選択します。どちらの道も浮いた石には乗らないことが大切です。
入笠山山頂は広く遮るものがないので、南アルプスや八ヶ岳、北アルプスの名だたる山も見えますが、湿度の低い晴天日でないとすべてを見ることは難しいです。こればかりは運だめし。自分が晴れ男、晴れ女であることを願いましょう。ちなみに筆者は・・・写真をご覧ください(泣)
6.下山は岩場迂回コースを通ってゴンドラ駅へ
山頂の景色を堪能したら(今回はできていない)、下山に取り掛かりましょう。
分岐では登りでは通らなかった岩場迂回コースを選択します。岩場コースよりも歩きやすく安全なため、下りでの使用を推奨です。
コース途中には見どころ満載なので、登りのときには立ち寄ることのできなかった場所を楽しむのもよいでしょう。お花畑はもう一度ゆっくり見ると、新たな発見があるかもしれません。
ゴンドラ山頂駅に戻ってくれば今回の山行はここで終了。下りもゴンドラすずらんを使う予定なら最終便の時間は必ず事前に確認しておきましょう。(ゴンドラすずらんの料金や運行時間など詳しくはこちら)
さて、今回の「猛暑を逃れて高山と高山植物に癒される入笠山山行」いかがだったでしょうか。体だけでなく、心も夏バテ気味のあなた!
涼しく爽やかな風吹きわたる入笠山の空気に癒されてみてはいかがでしょうか。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】山と高原地図 編集部
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図。深田久弥による「日本百名山」をすべて収録し、主要な山岳エリアを網羅しています。
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