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現役映画館スタッフが推す、東京のおすすめミニシアター10選 撮影:353

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更新日: 2024年6月26日

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現役映画館スタッフが推す、東京のおすすめミニシアター10選

TOHOシネマズなど大きい映画館のことを「シネコン(シネマコンプレックス)」と呼ぶのに対し、座席数が少なくスクリーンも1〜2つ程度の小さな映画館は「ミニシアター」と呼びます。行ったことがない、という方も多いかもしれません。

東京は、歴史の古いものから令和に誕生したものまで、多くのミニシアターが個性豊かに名を連ねる街。
現役映画館スタッフでもある筆者が、そのごく一部をご紹介します!
※掲載情報は2024年6月時点のものです。最新情報は各劇場のウェブサイトからご確認ください。

東京のミニシアター① 早稲田松竹

東京のミニシアター① 早稲田松竹
撮影:353

高田馬場駅から徒歩数分。商業ビルなどではない、ただ一軒の映画館としてそこに佇む唯一無二の魅力。それが、老舗名画座「早稲田松竹」です。

開館は1951年。コーヒー1杯ほどの料金で映画2本を観れる「2本立て上映」の映画館としてスタート。金額こそ変われど、今でも「2本立て」のスタイルは変わりません。往年の名作から準新作までさまざまな映画にふらっと出逢える、貴重な場となっています。

名画座というと敷居の高いイメージもあるかもしれませんが、高田馬場は早稲田大学がキャンパスを構える学生の街。人通りの絶えない大通りに面したクリームの色の建物は、誰もを等しく迎え入れてくれます。

著者
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チケット販売は当日・窓口のみ! SNSなどで混雑状況を案内しているので、必ずチェックしてくださいね。

早稲田松竹
館内設備:1スクリーン(153席)
一般料金:1,500円(2本立て料金)
最寄り駅:高田馬場駅
公式HP:http://wasedashochiku.co.jp/

東京のミニシアター② ポレポレ東中野

東京のミニシアター② ポレポレ東中野
撮影:353

東中野駅の中央・総武線ホームから目の前に見える、駅近ミニシアター「ポレポレ東中野」。かわいい響きの「ポレポレ」とは、スワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味。2003年9月開館で昨年20周年を迎えているのですが、今年に入ってから記念Tシャツが発売されました。理由は「ゆっくりしていて」だそうです。

上映作品は日本のドキュメンタリー作品や小規模な劇映画がメイン。「ドキュメンタリーといえばポレポレ!」という認識の方も多いでしょう。封切り館となることが多く、監督やゲストを招いたトークショーも頻繁に実施されています。

また、幅広くイベントを開催できる併設カフェ「ポレポレ坐」の存在も大きな魅力です!

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支配人の大槻さんは「下北沢トリウッド」も運営。個性的なミニシアターを2館も持っているのは、すごい!

ポレポレ東中野
館内設備:1スクリーン(96席)
一般料金:1,900円
最寄り駅:東中野駅
公式HP:https://pole2.co.jp/

東京のミニシアター③ シネマート新宿

東京のミニシアター③ シネマート新宿
撮影:353

大手シネコンはもちろん、ミニシアターだけでもかなりの数が存在する新宿。なかでも、ひときわ個性の強いミニシアターといえば「シネマート新宿」を挙げたいところです。

開館は2006年。韓国・台湾・中国・香港などアジア映画の配給を手がける会社が運営しているため、それらの映画に強いことがまず一つの特徴。そして近年では、劇場スタッフによる驚きの「館内ディスプレイ(造形物の数々)」もまた、シネマート新宿の「顔」となっています。

世界中の映画が配信で観れてしまう今の時代、それでも劇場まで足を運び、一作品ずつお金を払って鑑賞するという「映画館体験」に、さらにプラスアルファを加える。多くの映画館が、見倣いたいと思っているのではないでしょうか。

著者
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電飾看板や実物大模型など大規模なものから、クスッと笑える小さなものまで、館内は見どころだらけ!

シネマート新宿
館内設備:2スクリーン(333席/51席)
一般料金:2,000円
最寄り駅:新宿三丁目駅
公式HP:https://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/

東京のミニシアター④ K's cinema

東京のミニシアター④ K's cinema
撮影:353

「ケイズシネマ」——どこか若々しい雰囲気も感じる名前の映画館ですが、じつは新宿で3番目に古い映画館! 歴史はさらに遡り、もともとは任侠映画専門の名画座「新宿昭和館(昭和7年オープン!)」があった場所なのだそうです。

現在のK’s cinemaは、白を基調とした清潔感のあるロビーが心地良い、誰でも入りやすい空間。上映される作品も、ドキュメンタリーから世界各国の映画、インディーズ映画まで、客層を選びません。

2017年、のちに大ヒットとなる映画『カメラを止めるな!』を先行上映したのもK’s cinemaです。この小ぶりな劇場で「82回連続満席」という記録を打ち立てたことが、最終的に全国300館以上の拡大公開へと繋がっていきます。ロマンですね!

著者
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新宿のミニシアターでロビーに自然光が差しているのは、もしかするとK’s cinemaだけかもしれません。

K’s cinema
館内設備:1スクリーン(84席)
一般料金:1,800円(作品により異なります)
最寄り駅:新宿駅/新宿三丁目駅
公式HP:https://www.ks-cinema.com/

東京のミニシアター⑤ Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下

東京のミニシアター⑤ Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下
撮影:353

1980年代「ミニシアターブーム」の中心地であった渋谷。そのなかで、大型複合文化施設「Bunkamura」の一部としてオープンしたのが「ル・シネマ」です。

Bunkamuraは、コンサートホールや美術館などを擁するアートな施設。そのもの「映画」を意味するフランス語の館名「ル・シネマ」からも伝わってくるように、扱う作品もヨーロッパの良品が比率としては多め。少なからずハイソサエティな香りの漂う映画館となっています。

なお現在はBunkamuraの大規模改修工事に伴い、2022年閉館の映画館「渋谷TOEI」跡地に「ル・シネマ 渋谷宮下」として移転。渋谷の駅前にありながら、エレベーターの扉が開けばそこでは変わらぬ「ル・シネマの空気」を味わえます。

著者
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Bunkamura時代から人気だったカフェ「ドゥ マゴ パリ」が入っており、名物のタルトタタンも提供しています!

Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下
館内設備:2スクリーン(268席/187席)
一般料金:1,900円
最寄り駅:渋谷駅
公式HP:https://www.bunkamura.co.jp/cinema_miyashita/

東京のミニシアター⑥ シアター・イメージフォーラム

東京のミニシアター⑥ シアター・イメージフォーラム
撮影:353

渋谷は、路地裏に身を潜めているミニシアターが多数。なかでも、宮益坂を上りきった先にある「シアター・イメージフォーラム」は初めてだと結構迷うかもしれません。

もとはアート系の実験映画や個人映画の上映活動をする拠点として1971年から活動を開始した「イメージフォーラム」。上映だけでなく出版事業なども手がけ、2000年に現在の複合的な建物が完成しました。

上映作品は、作家性の強い監督の作品やドキュメンタリー、特集上映がメイン。コンクリートむき出しの硬質な劇場デザインと決して広くはないロビー、作品と向き合えるシアター。出る頃には毎回「イメージフォーラムらしい、噛みごたえのある映画を観た」という気持ちにさせてもらえます。

著者
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ロビーには、一段ずつに所狭しとチラシの置かれた階段が。でも実はこれ、フェイク階段なんだそうです。

シアター・イメージフォーラム
館内設備:2スクリーン(64席/98席)
一般料金:1,800円
最寄り駅:渋谷駅
公式HP:https://www.imageforum.co.jp/theatre/

東京のミニシアター⑦ 池袋シネマ・ロサ

東京のミニシアター⑦ 池袋シネマ・ロサ
撮影:353

猥雑な歓楽街の空気が残る池袋駅西口。ボウリング場やゲームセンター、ネットカフェなどが入るビル「ロサ会館」の2階と地階に2スクリーンを有すミニシアターが「池袋シネマ・ロサ」です。

歴史は古く、1946年には「ロサ(薔薇)」「セレサ(桜)」「リリオ(百合)」といった名で最大4館が同時運営されていたのだそう。その後、時代の流れと共に閉館や統合、映画館としてのスタンスを変えていきながら、1997年に「ロサ1/ロサ2」と呼ばれる現在のかたちとなりました。

近年では特にインディーズ系の映画を多く上映しており、連日おこなわれる舞台挨拶のほか、監督やキャストがチラシ配りをしていることも多々。どこかライブハウスのような雰囲気が特徴的な映画館です。

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地上階には有人のチケット売り場も。変わりゆく街・池袋ですが、この雰囲気は残っていてほしいなと思います。

池袋シネマ・ロサ
館内設備:2スクリーン(193席/177席)
一般料金:1,900円
最寄り駅:池袋駅
公式HP:https://www.cinemarosa.net/
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

筆者
353

ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
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