更新日: 2024年6月18日
広島・呉で楽しむ映画『ドライブ・マイ・カー』のロケ地めぐり
2022年アカデミー賞(国際長編映画賞)受賞で話題となった映画『ドライブ・マイ・カー』、もうご覧になりましたか?村上春樹さん原作の短編小説を、濱口竜介監督が映画化し、多くの国際的な映画賞を受賞して話題となった作品です。西島秀俊さんや三浦透子さんなどの素敵な俳優陣に加えて、この映画の魅力を引き立てているのが美しい景色の数々。これはどこだろう、行ってみたいな、と思う場所がたくさん登場します。そこで、広島市から呉市の主なロケ地をめぐってみました。
1.広島国際会議場
最初に訪れたのは広島国際会議場。広島市の中心部、平和記念公園の南側にあるので、ロケ地巡りのスタートにピッタリです。建物には円形の特徴的なロータリーと大小のホールや会議室があり、国内外の様々な会議やイベントの会場としてはもちろん、広島市民の文化活動の場としても利用されています。映画のなかでも、まさにそのような使われ方をしているので、映画を見た方は記憶に残っている部分も多い場所かと思います。
2.広島平和記念公園
さきほどの国際会議場のすぐ裏手にある、広島平和記念公園の円形のベンチもロケ地のひとつ。平和記念公園は、原爆ドームや平和記念資料館の見学で国内外から多くの観光客や学生などが訪れる場所ですが、往来から少し離れたこの一画はとても静か。映画に出てくるベンチに腰かけてみるのも楽しいもので、鳩が寄ってきたりします。大きなケヤキの木に囲まれて、清々しい空気が流れている深呼吸したくなるような場所です。
3.土谷総合病院
平和記念公園の南側、平和大通を挟んだ先にある土谷総合病院もロケ地のひとつ。映画ではこちらの建物の屋上からも撮影がされたそうです。屋上は一般見学不可のため、今回は特別に撮影をさせていただきましたが、平和大通から建物を眺めるだけでも、感じるところがある場所と言えます。たとえば、病院の建物の中央に白いラインがあるのが見えるでしょうか。これは、映画のロケ地選定で広島が選ばれる一因にもなった「平和の軸線」を視覚的に表現したもので、この病院は「平和の軸線」の延長上にある建物となっています。
4.平和の軸線
「平和の軸線」とは、戦後の広島の復興計画を担った世界的建築家、故丹下健三(たんげけんぞう)が設定した線です。原爆ドームを基点に南に向かって一本の線を引き、その線を軸として、慰霊碑や広場を配置するように公園を設計しました。戦後、廃虚と化していた原爆ドームに対して取り壊しを望む声もあった中で、公園の計画の中心に原爆ドームを据えて平和への思いを未来に伝えるという想いが込められたもので、再生の物語であるこの映画の舞台に広島が選ばれる一因となったそうです。
5.広島市環境局中工場
広島市の中心部から南に向かって車で15分程行ったところに、広島市環境局の中工場があります。この中工場も重要なシーンが撮影されたロケ地のひとつで、丹下健三の門下の谷口吉生(たにぐちよしお)氏が手掛け、「平和の軸線」を強く意識した設計となっています。建物の用途としては最新の技術を導入した清掃工場となっていますが、建物中央に配されたガラス張りの見学通路など、建築デザインの素晴らしさから広島市の見どころのひとつにもなっています。
6.グランドプリンスホテル広島
岡田将生さんが演じた高槻が泊まっているホテルとして登場するのがこちら。家福と高槻がバーで話すシーンもこちらのホテルのスカイラウンジで撮影されました。ホテルでは、出演者のサイン色紙や映画の広島ロケに関するパネル展示などもあったので、こちらに訪れるのもおすすめです。眺望抜群のお部屋に宿泊したり、西島秀俊さん演じる家福のように、スカイラウンジのみの利用でも素敵な広島を体験できるスポットです。
7.安芸灘大橋
次に訪れたのは呉市の安芸灘大橋。風光明媚な安芸灘とびしま海道の起点で、まさにドライブにおすすめの場所です。この橋は、本州と下蒲刈島を結ぶ吊り橋で、全長は約2.6kmあり、2000年に開通しました。有料道路となっていますが、料金所の手前に展望施設があるので、そこから美しい橋と、その下を行き交う船、目の前の下蒲刈島をはじめとする瀬戸内海の島々を眺めることができます。観光名所としても人気なので、ぜひ訪れてほしい場所です。
中国・四国の新着記事
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】まっぷるマガジン編集部_MR2
SNS
まっぷるマガジン北海道を担当しています。プリン本もやってます。