更新日: 2024年5月14日
知床の世界遺産観光をもっと楽しむ5つのコツ! 絶景&動物と出会う旅へ
世界でも類を見ない生態系をもつ半島として世界遺産に登録されている知床。
こちらの記事では、絶景や自然の中で動物と出会う旅をテーマに、もっと楽しむコツをご紹介します。
国内最後の秘境とされる知床は、オホーツク海に約63㎞突き出た半島。
手つかずの大自然が残り、ヒグマやエゾシカ、シマフクロウなどの野生動物が高密度で生息しています。
絶景や動物観察は各種ネイチャー体験などで楽しむことができるので、記事内で情報をチェックしてみましょう。
さあ、原始の自然景観に出会う旅へ!
目次
知床半島にある世界遺産の町、斜里町ってどんなところ?
知床半島の西側に位置する斜里町は東側の羅臼に比べて天候が穏やかですが、厳冬期には流氷が押し寄せる町でもあります。鮭の漁獲量が日本一で、町内には斜里産の鮭の塩焼きなど、鮭グルメが楽しめる店も点在。また、ウトロ温泉には近代的な大型ホテルが集まり、知床観光の拠点になっています。
斜里町の観光拠点となっているのがウトロ地区。語源はアイヌ語のウトゥルチクシ(その間を我々が通る所)という意味だそう。ウトロの中心には知床世界遺産センターもあり、周辺には知床半島クルーズの乗船場が多く集まっています。
斜里町(ウトロ)への行き方
旅の玄関口、女満別空港からウトロへは、知床エアポートライナーでウトロ温泉ターミナルへ約2時間15分程度。レンタカーの場合、98㎞ほどの距離にあります。
公共の交通機関では、女満別空港から網走バスで30分、網走バスターミナルへ。路線バスに乗り換え約1時間でJR斜里駅に向かい、斜里バスターミナルから路線バスを利用して約1時間でウトロに到着します。またJR札幌駅からは、北海道中央バスイーグルライナー号に乗車して約7時間でウトロに到着します。
知床世界自然遺産のアウトライン
知床世界自然遺産の概要
屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田県)に次ぐ国内3番目の世界自然遺産。登録の決め手となったのは、海と陸の両方で展開される食物連鎖の特異性と、シマフクロウやオオワシ、オジロワシといった絶滅危惧種の重要な生息地になっているためです。
その連鎖の始まりは、遥かシベリア大陸のアムール川から押し寄せる流氷とされています。大陸を下った流氷には大量の植物プランクトンが付着しており、動物プランクトンの餌となります。サケやマスがその動物プランクトンを食べ、川をそ上する途中でヒグマやオジロワシなどの餌になります。また、産卵を終えたサケやマスは命を終え、豊かな土壌をもたらし植物を育てる…。
この複合的な海洋生態系と、原始性の高い陸域生態系との相互関係は世界的に類を見ない価値であり、多くの希少生物が暮らしているのも、自然のままの食物連鎖が形成されているからといえます。
知床では、“環境保護”の呼び声が盛んになるにおよんで保護活動が活発化しました。世界遺産への登録申請もその一環で、2004年、日本政府がユネスコに推薦。国際自然保護連合(IUCN)の調査などを経て2005年に、知床半島中部から先と沖合3kmの海上を含む計7万1100haが世界自然遺産として認定されるに至りました。知床世界遺産センターでは詳しく世界遺産・知床を紹介しているので、ぜひ立ち寄ってみましょう。
知床世界遺産センター
- 住所
- 北海道斜里郡斜里町ウトロ西186-10
- 交通
- JR釧網本線知床斜里駅から斜里バスウトロ温泉方面行きで50分、ウトロ温泉バスターミナル下車、徒歩5分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 夏期は8:30~17:30(最終入館)、冬期は9:00~16:30(最終入館)
- 休業日
- 無休、10月21日~翌4月19日は火曜(12月29日~翌1月3日休)
- 料金
- 無料
知床の世界遺産観光に行くならベストシーズンは?
知床五湖は原始の森に点在する5つの湖。自然の息吹を五感で味わう遊歩道や高台からの眺望が、知床の世界遺産を体感するのに絶好の場所となっています。こちらの開園時期は4月下旬から11月上旬となっており、ベストシーズンはずばり夏ですが、植生保護期(開園~5月9日、8月1日~閉園)とヒグマ活動期(5月10日~7月31日)に利用するには、立ち入り手続きやレクチャーの受講が必要となります。さらにヒグマ活動期は登録引率者によるガイドツアーでの利用が必須となるので注意しましょう。
ウトロの年間の気候は、春先は平均気温が10度以下となりますが、フェーン現象により寒暖差が激しいのが特徴です。夏は20度以下と比較的涼しいのですが、やはりフェーン現象の影響が出ることも。秋以降は急激に寒くなり、10月以降は降雪の可能性も高くなります。2月の早朝はマイナス20度に達し、海面や川面に白い湯気が立つ「けあらし」が見られる日も。
知床世界遺産センターについて
知床の自然の素晴らしさと利用にあたって守るべきルール・マナーを伝える施設。ヒグマやエゾシカなどの知床に住む動物の実物大の写真や、ヒグマの爪痕など動物の痕跡の模型を展示しており、知床の自然をわかりやすく紹介。知床世界遺産の見どころや自然のリアルタイムの情報も発信しています。
知床の世界遺産観光をもっと楽しむコツ① 知床五湖の地上遊歩道をガイドさんと歩く
知床五湖の地上遊歩道はトドマツやミズナラなどの原生林に囲まれた美しい湖を巡るトレッキングルート。森に棲む動物や鳥を探しながらゆっくりと散策できるガイドツアーの参加がおすすめです。ガイドさんが無線でヒグマの出没情報をリアルタイムで受信し、ヒグマとの遭遇回避や遭遇時の対処法をレクチャーしてくれるので安心して散策できます。
知床五湖のガイドツアーを実施しているガイド事業所はこちらをチェックしましょう。
知床の世界遺産観光をもっと楽しむコツ② 絶景ガイドツアーに参加しよう
手つかずの知床の原生林を歩き知床岬が望める展望スポットを目指すガイドツアー「海を見下ろす断崖の森歩き」。道なき道を散策し冒険心をくすぐるガイドツアーは、よりディープに知床の自然を楽しみたい人におすすめです。
知床の原生林で動物ウォッチング
散策する原生林は野生動物の遭遇率が高いことでも知られる場所。鳥の鳴き声や痕跡を頼りにガイドさんと一緒に探してみましょう。
動物の痕跡を見つける
原生林の中には野生動物がここにいたんだとわかる痕跡がいっぱい。ガイドさんの解説を聞きながら、動物たちがそこにいた情景を思い浮かべると、知床の自然環境がより身近に感じられそうです。
いきいきとした自然の息吹を感じる
木々の世代交代が行われ、自然のバランスが保たれている知床の原生林。木の実やキノコなど、その時期にしか見られない四季折々の風景が楽しめます。
知床岬を望む展望スポットへ
原生林を抜けてオホーツク海や知床半島の断崖絶壁を見下ろせる展望スポットへ。天気のいい日は知床連山と知床岬までを望める絶景が広がります。
知床の世界遺産観光をもっと楽しむコツ③ すてきなカフェでひと休み
斜里町には料理もおいしく雰囲気も素敵なカフェが点在。ウトロだけでなく、斜里町郊外をドライブしながら立ち寄ってみてはいかが?
【知床世界遺産観光×お立ち寄りカフェ】ボンズホーム
ウトロにある喫茶店。6ヶ月以上熟成させた斜里産ジャガイモを使った料理が名物。特にプリンやグラタンは絶品!
住所/斜里町ウトロ東217
電話/0152-24-2271
営業時間/2〜11月中旬の11:30〜16:00(早じまいあり)
休業日/不定休
駐車場/あり
【知床世界遺産観光×お立ち寄りカフェ】陶房café こひきや
斜里窯が営むカフェ&ギャラリー。風合いある斜里窯の器で出される料理が味わえる。器は購入も可能。
住所/斜里町峰浜110
電話/0152-28-2123
営業時間/11:00~16:30(日曜は13:00〜16:30)
休業日/火・水曜(窯焚シーズンでの臨時休あり)
駐車場/あり
【知床世界遺産観光×お立ち寄りカフェ】ヒミツキチこひつじ
不定期オープンのコミュニティカフェ。パン屋、うどん&甘味処、おにぎり屋などが日替わりで出店している。
住所/斜里町本町32-7
電話/090-6255-6419(店主携帯)
営業時間/11:00〜18:00(うどんのL.O.は15:00)、売り切れ次第閉店
休業日/月・火・木・金曜(ほか不定休あり)
駐車場/あり
知床の世界遺産観光をもっと楽しむコツ④ 鮭の水揚げ風景を眺める
鮭の漁獲量が日本一の斜里町。例年9月中旬〜11月中旬に定置網漁で獲れた鮭がウトロ港に水揚げされます。ウトロ漁港の2階部分にあたる場所に「ウトロ鮭テラス」があり、誰でも自由に鮭の水揚げ風景を眺めることができます。水揚げ風景の見頃は7〜10時頃(日曜と海が荒れる時化は休み)。ウトロ温泉街からも近いので、朝食前に立ち寄ってみるのもおすすめです。
詳しくはウトロ鮭テラスの公式ホームページをチェックしよう。
知床の世界遺産観光をもっと楽しむコツ⑤ トコさんスタンプラリーで観光スポット巡り
知床のシンボルキャラクター「知床トコさん」のスタンプを集めるスタンプラリーをシーズンごとに実施。参加施設で買い物をしたり、宿泊したり、ガイドツアーに参加するなどの諸条件をクリアするとトコさんのスタンプを押してもらえます。ゲットしたスタンプの数により、さまざまなオリジナルのトコさんグッズをもらうこともできます。
知床トコさんスタンプラリーについては、こちらをチェックしましょう。
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【筆者】編集工房ビータス
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