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熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内 ランチに新宮駅周辺のめはり寿司店情報も♪

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更新日: 2024年5月13日

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内 ランチに新宮駅周辺のめはり寿司店情報も♪

熊野速玉大社に神倉神社、阿須賀神社と世界遺産の宝庫、新宮市。
熊野川の河口にあり、山や川、海が織りなす絶景も楽しみのひとつです。

今回は名物のめはり寿司や人気のパンをランチとして携えての熊野古道・高野坂歩きをご紹介! 爽やかな海沿いの古道に気分もリフレッシュします。
熊野古道歩きの後は、約300年前から捕鯨で栄えた町、三輪崎まで足をのばして、ジオパーク鈴島・孔島の雄大な景色や鯨文化にも触れてください。

和歌山県新宮市ってこんなところ

和歌山県新宮市ってこんなところ

紀伊半島の南端に位置するまち、新宮市。北側には山々と熊野川、そして南側には熊野灘が広がり、恵まれた自然の美しさを存分に楽しめるエリアです。また、“熊野信仰”が受け継がれ、熊野速玉大社神倉神社熊野古道などの世界遺産がまちの中に点在している、不思議な街です。

観光には車が便利ですが、名所がぎゅっとまとまっているので、徒歩やサイクリングでめぐるのもおすすめです。

和歌山県新宮市への行き方

鉄道での行き方
JR新大阪駅から、特急くろしおで4時間16分/7350円、JR新宮駅下車

車での行き方
すさみ南ICから、国道42号線・那智勝浦道路で約1時間30分

熊野古道 中辺路の高野坂とは?

熊野三山をめざして、はるか昔の時代から数多の旅人が通った参詣道、熊野古道。中でも紀伊田辺から熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社をつなぐ中辺路は、多くの人が歩いた古道です。

新宮市にある高野坂は、熊野速玉大社から熊野那智大社に向かう中辺路のルートの一部になります。約1.5kmに苔むした石畳や竹林、念仏碑、熊野灘を望む絶景スポットなど、見どころが凝縮されているので、気軽な古道歩きデビューにおすすめです。

熊野古道の中辺路についてもっと詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください。

熊野古道 中辺路の高野坂ルートをめぐるおすすめコース

スタート:JR新宮駅
↓バスで12分+徒歩15分
高野坂登り口
↓徒歩15分
御手洗の念仏碑(王子ヶ浜を眺望)
↓徒歩5分
孫八地蔵
↓徒歩5分
金光稲荷神社
↓徒歩10分
鯨山見跡
↓徒歩15分
高野坂の石畳
↓徒歩5分
高野坂登り口(三輪崎側)
↓徒歩5分
ゴール:JR三輪崎駅

熊野古道 中辺路の高野坂の起点となる、新宮駅周辺でお弁当を買うならココ

JR新宮駅に着いたら、まずは古道歩きのお供、おべんとうおやつをゲットしましょう。なかでも郷土料理のめはり寿司はカバンの中で少々動いても問題ないので、古道歩きのランチにピッタリですよ。

秘伝のタレでごはんが進む郷土料理「総本家めはりや」

秘伝のタレでごはんが進む郷土料理「総本家めはりや」

熊野で古くから家庭料理として親しまれてきためはりずしの専門店。塩漬けにした高菜でおにぎりを包んだ、素朴で飽きのこない味わいです。昔はソフトボールほどの大きさに作られており、食べるときに大きく目を張るところから、この名前になったといわれています。

めはり(4個)680円

串カツ盛り合わせ(5本)660円も人気

総本家めはりや
住所/新宮市薬師町5-6
電話/0735-21-1238
交通/JR新宮駅から徒歩12分
営業時間/11:00~21:00
休業日/水曜

地元で人気のベーカリー「ベーカリーキッチントムトム」

地元で人気のベーカリー「ベーカリーキッチントムトム」
早朝からオープンしているの、熊野古道歩きのお供に買う人も多い

旬の果物や野菜から作る自家製の天然酵母で焼き上げるパンが人気のブーランジェリー。国内産小麦粉”春よ恋”を100%使用した天然酵母パンやバゲット、クルミのクリームコッペやカスクートなど、80種以上ものバラエティ豊かなパンが並びます。

カツサンド500円、カスクート400円

ベーカリーキッチントムトム
住所/新宮市井の沢1-22
電話/0735-22-0166
交通/JR新宮駅から徒歩5分
営業時間/6:00~17:00
休業日/無休

老若男女に愛される絶品の鈴焼が名物「香梅堂」

老若男女に愛される絶品の鈴焼が名物「香梅堂」
店頭で買えるのはこの店舗のみ。訪れる客が絶えない人気店

明治元(1868)年創業の和菓子店。神社の神鈴を模した鈴焼は和三盆の優しい甘さとふわっと軽くしっとり食感で、後をひくおいしさです。ひとくちサイズなので、古道歩きのオヤツにもぴったり。熊野の名所を描いた熊野名所煎餅はおみやげとしても人気です。

鈴焼(20粒×2袋)900円

香梅堂
住所/新宮市大橋通3-3-4
電話/0735-22-3132
交通/JR新宮駅から徒歩12分
営業時間/9:00~21:00、日曜は~17:30
休業日/火曜(時期により変動あり)

熊野古道 中辺路の高野坂を歩いてみましょう!

新宮市でお弁当をゲットしたら、いよいよ熊野古道・高野坂歩きに出かけましょう。アップダウンの少ない短い道ですが、階段や木の根道も多いので歩きやすいスニーカーは必須です。

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内① 新宮駅から高野坂登り口へ

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内① 新宮駅から高野坂登り口へ
旅のスタート地点となるJR新宮駅。駅前には観光案内所もある

新宮駅から高野坂登り口へは徒歩で45分ほどですが、今回は三輪崎エリアでの散策時間をとるためバスで向かいます。JR新宮駅から熊野御坊南海バス新勝線で12分、広角(高野坂)バス停で下車し、10分ほどで高野坂登山口になります。

本格的に歩きたい人は、熊野速玉大社から阿須賀神社や、浜王子(王子神社)を経由して歩くのもおすすめです。熊野速玉大社から高野坂登り口までは、約4.5km、1時間10分ほどです。

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内② 高野坂登り口から王子ヶ浜を望む御手洗の念仏碑へ

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内② 高野坂登り口から王子ヶ浜を望む御手洗の念仏碑へ
高野坂歩きのスタートはここから、高野坂登り口(広角)

高野坂登り口にはトイレと3台ほど停められる駐車場、高野坂押印所があります。この先、三輪崎駅までトイレはないので、ここでしっかり準備をすましておくのがおすすめです。

また、駐車場はあるのですがここまでの道幅がかなり狭いので、運転に不慣れな人は、駅前などに停めてバスを利用しましょう。


木の根がむき出しの木の根道などもあるが、比較的歩きやすい

高い木々と石の階段など、古道らしい道がすぐにあらわれる

高野坂に入って早々、木の根道や石畳の道とバラエティに富んだ道が登場します。一気に古道歩きらしい雰囲気になるので、テンションがあがりますね。木々のざわめきの奥に、かすかに波の音が混じるのも他の古道歩きとは違うので新鮮です。

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内③ 御手洗の念仏碑から孫八地蔵へ

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内③ 御手洗の念仏碑から孫八地蔵へ
御手洗の念仏碑から王子ヶ浜を眺望。力強い波音も聞こえる

高野坂登り口から15分ほどで、御手洗の念仏碑が見えてきます。ここから振り返るように眺めると、王子ヶ浜を一望する絶景ポイントです。王子ケ浜は4kmほど続く海岸線で、熊野川河口まで運ばれてきた砂礫が堆積して形成された砂州。アカウミガメの産卵地でもあります。

王子ヶ浜を一望する絶景ポイントに建つ

江戸時代の中頃に建てられた三体の石碑。真ん中の地蔵尊は、1672年に伊勢の人が那智山と新宮で100日念仏を唱えたことを記念して現像。左右の二体は「南無阿弥陀仏」と彫られた板碑です。

突然現れる竹林の道。きれいな沢など美しい自然を見せてくれる

江戸時代初期に建てられたといわれる、孫八地蔵

沢の清らかな水音や竹林のざわめきなど、少し足を運ぶだけで聞こえてくる音が変わっていくのも、この高野坂の魅力です。アップダウンも少なく快適に足を進めれば、赤いよだれかけの孫八地蔵が現れます。このあたりが高野坂の中ほどにあたります。

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内⑤ 孫八地蔵から金光稲荷神社を経て、鯨山見跡へ

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内⑤ 孫八地蔵から金光稲荷神社を経て、鯨山見跡へ
捕鯨の文化を今に伝える美しい熊野灘を望む展望台、鯨山見跡

熊野灘を海遊する鯨を見張っていた展望台、鯨山見跡。日本遺産にも登録された、熊野灘の捕鯨文化を伝えるストーリー『鯨とともに生きる』のひとつです。遠くに三輪崎の孔島や鈴島も見える景色のいい場所で、小さな木の椅子もあるのでランチ休憩にもぴったり。

三輪崎の鯨方が奉納したとされる石祠が残る、金光稲荷神社

聖護院宮の休憩所跡で出会った猫ちゃん

ランチは新宮駅周辺で買っためはり寿司

鯨山見跡への道は、この標識を目印に

孫八地蔵から少し進むと、左手に金光稲荷神社への道、右手に聖護院宮の休憩所跡が見えてきます。聖護院宮の休憩所跡は、本山派山伏(天台宗系)を率いた聖護院宮が熊野三山を巡るときに利用した休憩所があったとされますが、今は石垣の形跡が残る程度です。ここにもベンチがあるので、休憩スポットとしておすすめです。

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内⑥ 鯨山見跡から高野坂の石畳を歩き、三輪崎駅へ

熊野古道 中辺路の高野坂モデルコース案内⑥ 鯨山見跡から高野坂の石畳を歩き、三輪崎駅へ
美しい石畳の緩やかな下り坂が情緒たっぷり

鯨山見跡から引き返して、再び熊野古道・高野坂へ。歩き出してすぐ左手に弁慶の力石が見えたら、ここからは緩やかな下り坂になります。熊野古道のハイライトともいえる美しい石畳が残り、往時の姿を思わせます。

弁慶の力石と呼ばれる大きな丸い石

この看板が高野坂登り口(三輪崎)の目印

小さな橋を渡り、高野坂の看板が見えたら、三輪崎側の高野坂登り口です。畑の横を流れる小さな川沿いに進むと、三輪崎駅まで続く県道へと合流します。看板から駅までは5分くらいです。

三輪崎エリアのおすすめスポット

高野坂のゴールエリアにあたる三輪崎には、海と奇岩が織りなす不思議な絶景が見られる鈴島・孔島があります。ジオパークならではの絶景を見に、ぜひ足を延ばしてみてください。

三輪崎エリアのおすすめスポット① 海食によるダイナミックで美しい岩のアート「鈴島」

三輪崎エリアのおすすめスポット① 海食によるダイナミックで美しい岩のアート「鈴島」
荒々しい波のを受けてそびえる立石奇岩と松が融合した姿が絵になる

三輪崎漁港から孔島に渡る途中にある、奇岩怪石が連なるフォトジェニックな島。そびえる立石や波食洞に、樹林帯や蛭子神社などが配され、まるで自然にできた日本庭園のような美しさです。


荒々しい波のを受けてそびえる立石

干潮時には洗濯板のような岩肌を見ることもできる

鈴島
住所/新宮市三輪崎
電話/0735-23-3333(新宮市商工観光課)
交通/JR三輪崎駅から徒歩13分
営業時間・休業日/見学自由
駐車場/無料

三輪崎エリアのおすすめスポット② 独自の文化や植物が残る、歩いて渡れる無人島「孔島」

三輪崎エリアのおすすめスポット② 独自の文化や植物が残る、歩いて渡れる無人島「孔島」
三輪崎漁港から見える孔島。真っ赤な鳥居が印象的

連なる鳥居が印象的な孔島厳島神社や鯨方(捕鯨の漁師)によって建立された石造物などが見られる島を歩くと、どこか不思議な世界に迷い込んだような気持に。新宮市の花「ハマユウ」など、51科120余種の植物群生が観察でき、四季折々の表情を見せてくれます。

連なる鳥居から振り返って海を望む

孔島厳島神社の最奥にある社。横には日本遺産である石造物もある

孔島
住所/新宮市三輪崎
電話/0735-23-3333(新宮市商工観光課)
交通/JR三輪崎駅から徒歩20分
見学自由
駐車場/無料

三輪崎エリアのおすすめスポット③ 三輪崎の海を楽しめるボタニカルなカフェ「cafe flor de maria」

三輪崎エリアのおすすめスポット③ 三輪崎の海を楽しめるボタニカルなカフェ「cafe flor de maria」
穏やかな青い海や荒く迫力ある海など、日々違う表情が楽しい

新宮市で15周年を迎える雑貨店「Calle」が、三輪崎海の美しさを知ってほしいと海を望む立地に移転オープン。“花を楽しむ”をテーマに、ドライフラワーなどで彩られた店内から望む海が美しい。エディブルフラワーを使ったスイーツやドリンクなどが楽しめます。

レモンケーキ350円、ドーナツ350円、ローズラテ590円

1階は雑貨店「Calle」。14時まではランチメニューも登場する

cafe flor de maria
住所/新宮市三輪崎1-346-16
電話/090-4271-9934
交通/JR三輪崎駅から7分
営業時間/11:30~18:00
休業日/日曜、祝日

まだまだ知らない魅力がいっぱいありそうな新宮市に夢中!

熊野速玉大社や神倉神社、瀞峡など、有名な名所がいっぱいの新宮市ですが、今回歩いた熊野古道・高野坂や鈴島・孔島など、まだまだ知られていない魅力的なスポットがいっぱいありそう。

まだある!新宮市の魅力を動画でチェックしよう!

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【筆者】STORE

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