更新日: 2024年9月20日
大原野神社への行き方と魅力を徹底ナビ!京都西山の名刹と人気の蕎麦グルメ
京都市内から見て西にあることから西山と呼ばれる一帯があります。
奈良から京都へ都が遷る間、10年ばかり都であった長岡京をはじめ、山あいに点在する古い社寺など歴史的にも興味がつきない地です。
また、桜やアジサイ、紅葉などの自然にも恵まれ、美しい竹林があることから、京たけのこの産地としても知られています。
その京都西山に建ち、四季折々の風景が楽しめる大原野神社。
最寄りの駅からの行き方が初めて訪れる人には少しわかりにくいかもしれない、けれど、多くの方に知ってほしいという思いから、このエリア一帯を含めて、行き方をより分かりやすく解説した記事をご紹介します。
本格的な夏を迎える前のとある日に、地域応援プロジェクトの一環として取材を行いました。
さて、京都市街地の喧騒から離れた西山エリアでは、どんな社寺との出会いが待っているでしょう。
空気の澄んだ郊外で季節の花が彩る古刹をめぐり、旅の一日を過ごしてみませんか。
目次
地域応援プロジェクトとは
まっぷるの地域応援プロジェクトは、キラリと光る「地域の推し」をまっぷるが全力応援する企画です。
まっぷる編集者と地域に精通したプロのライターが、推しエリアを見つけて取材した、とっておきの観光情報をお伝えします!
京都西山エリアってこんなところ
西山は広大なエリアで大きく3エリアに分かれます。大原野神社や善峯寺など紅葉や花の名所として知られる古刹が点在する京都市西京区、竹林の美しい向日市、花手水が話題の柳谷観音楊谷寺や長岡天満宮を擁する長岡京市です。ここではエリアで最も古い歴史をもつ大原野神社とその周辺をご紹介します。
大原野神社への行き方ナビ
【鉄道】
JR京都駅
↓京都線(約8分/180円)
JR向日町駅
↓路線バス(阪急バス/約30分/320円)
南春日町バス停
【車】
大山崎IC
↓京都縦貫自動車道(260円)
大原野IC
↓県道141・10・140(約3㎞)
大原野神社
大原野神社へバス&徒歩で行くなら
京都駅からJR京都線8分の向日町駅で下車、阪急バス63系統に乗り替え約30分の南春日町バス停で降ります。バスは1時間に1~2便なので事前に調べておく方がベターです。
バス停で帰りのバスの時間をチェックしたら、そのままバスの進行方向へ進みます。
すぐに突き当たるので、左へ曲がります。
右側に樫本神社が見えてきたら、右へ曲がります。小さなお宮ですが、今から向かう大原野神社の摂社。本殿は、伊勢神宮から譲られた古材を使用し2017(平成29)年に改築されました。
道なりに歩くと、やがて右側に見えてくる大原野神社の一之鳥居。バス停からここまでは、約8分で着きます。
大原野神社に到着!見どころと歴史、御朱印をご紹介
平安京よりも古い歴史をもつ大原野神社。794(延暦3)年、奈良の平城京から長岡京へ遷都された際、藤原氏が氏神であった奈良の春日大社から分霊し、小塩山のふもとに祀ったのがその始まりです。
長岡京から平安京へと都が遷された後も、藤原氏では娘が生まれると皇后になれるようにと大原野神社に祈願するのが習わしでした。藤原氏の一族でもあった紫式部は、源氏物語のなかで大原野へ向かう冷泉天皇の華やかな行列を描いています。
境内を散策すると本殿の右側には不思議な切り株が。こちらは2018(平成30)年の台風で折れたご神木のモミの木。そのままにしておくのは忍びないと、入り口と屋根が付けられました。大人も入れる広さがあり、中では樹齢500年の木が持つパワーを感じられるそう。
また、参道には、古来清らかな湧き水が歌に詠まれたという「瀬和井(せがい)」が今も絶えることなく水をたたえています。
春の桜、夏の青もみじ、秋の紅葉が美しいことで知られている境内。さらに、初夏は鯉沢の池のカキツバタやスイレンが彩を添えます。最近は、池に架かる橋とスイレンがモネの絵画にそっくりだと隠れ名所になっているのだとか。
大原野神社の御朱印と鹿アイテムをチェック
神様のお使いであるかわいい鹿たちは、期間限定で頂ける切り絵の御朱印をはじめ、授与品にも登場。鹿の絵馬は、願いを込めて自分で目や口を描いて奉納します。赤い鹿と白い鹿がペアになったキュートな土鈴は、お部屋の飾りとしてもおすすめです。
大原野神社
- 住所
- 京都府京都市西京区大原野南春日町1152
- 交通
- 阪急京都線東向日駅から阪急バス63系統南春日町行きで20分、終点下車、徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 境内自由(社務所、授与所は8:30~17:00<閉所>)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 神鹿のおみくじ=700円/紅白神鹿土鈴(1対)=1000円/
大原野神社周辺のお寺 ~石の寺・正法寺~
大原野神社への街道に架かる赤い橋・極楽橋を渡った先にたたずむ正法寺。その創建は古く奈良時代にまでさかのぼり、中国から鑑真とともに日本に来た智威大徳の住房が始まりです。今では、近くの大原野神社、勝持寺とともに花の名所としても知られています。
また全国から集められた石が庭に配されていることから、通称「石の寺」とも呼ばれ、さまざまな動物に見立てられた石が宝生苑庭園に数多く点在します。たとえば、こちらの石は何に見えますか?
ペンギンです。石をひとつずつ見ていくと時間が経つのも忘れるほど。庭園をぐるっと見渡すと来年(2023年)の干支であるウサギの石もありました。
庭を望む座敷は、滝の音だけが聞こえてくるとても静かなところ。また池には辺りの森の風景が映り込み神秘的なたたずまいを見せます。
正法寺で必見!書院の襖絵『西山賛歌』
そして正法寺でぜひ見て欲しいのが書院の襖絵『西山賛歌』。西山の山並みとその麓には里山の風景が広がっています。西山で生まれ育った日本画家の西井佐代子さんが、病と闘いつつ完成させた大作です。絵をふすま業者に手渡した3日後に息をひきとられました。西山の原風景が、とてもやさしい色合いで穏やかに描かれています。
正法寺
- 住所
- 京都府京都市西京区大原野南春日町1102
- 交通
- 阪急京都線東向日駅から阪急バス63系統南春日町行きで20分、終点下車、徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉門17:00)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 300円(団体30名以上は270円、障がい者手帳持参で100円引)
大原野神社周辺のお寺 ~花の寺・勝持寺~
大原野神社から山道を徒歩で約15分。勝持寺は、飛鳥時代に役行者が創建したとされます。また、平清盛らが活躍した平安末期、武士であることをやめ出家し、歌僧として名を馳せた西行法師が庵を結んだところとしても知られています。
境内には桜の木が約100本。春になるとソメイヨシノを中心に辺りがピンクに染まり、その様子はまるで桃源郷のよう。鐘楼近くの桜の大木は、西行桜と呼ばれ、花を数多くの歌に詠んだ西行法師ゆかりの木として親しまれています。
また、春だけでなく紅葉の季節もおすすめです。鮮やかな紅葉が境内を真紅に染め上げ、本堂は錦秋に包まれます。大原野神社、正法寺からは少し離れていますが、1日を西山で過ごすなら、ぜひ訪れてみませんか。
勝持寺
- 住所
- 京都府京都市西京区大原野南春日町1194
- 交通
- 阪急京都線東向日駅から阪急バス63系統南春日町行きで20分、終点下車、徒歩20分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉門17:00)、2月は要予約
- 休業日
- 無休
- 料金
- 大人400円、小人200円(障がい者手帳の提示で本人は半額)
大原野神社周辺のグルメスポット ~そば切りこごろ~
大原野エリアを散策するなら、ランチにおすすめしたい一軒が「そば切りこごろ」。大原野神社の参道にある蕎麦専門店です。西山連峰でしょうか?山々を描いた暖簾が迎えてくれます。
店に足を踏み入れると、いわゆる「門前のお蕎麦屋さん」のイメージとは一線を画したスタイリッシュな空間が広がります。蕎麦粉を自家製粉するところから始め、店主みずからひとつひとつ仕上げる手打ちそばと聞いて期待も高まります。
「そばはすぐに伸びるので早く召し上がってください」と店主の久井さん。味わい方を教えていただきました。「まずは風味を感じて、最初は何もつけずにそばだけを、次に塩だけで、そして最後にそばつゆで食べてみてください」
そばを塩だけで食べるのは初めての体験です。フランスの岩塩を付けて食べると、より蕎麦の風味が感じられます。また、細い・太いがある手切りの麺には、薬味やつゆがちょうどいい具合に絡みます。ちょっと量が少ないようにも見えるのですが、食べると何故かお腹もいっぱいに。最後はそば湯もおいしくいただきました。
ちなみに隣の甘味処「春日乃茶屋」は店主のお母様のお店だそう。こちらの名物はよもぎ団子。麻の葉の型が押されているのが特徴で、大原野の農家の人たちが互いに贈り合った郷土菓子です。
電話/075-333-7311
住所/京都市西京区大原野南春日町1152
営業時間/11:00〜15:00売り切れ次第終了
定休日/木曜
交通/阪急バス南春日町から徒歩8分
駐車場/大原野神社駐車場を利用(有料)
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【筆者】らくたび
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