更新日: 2024年7月26日
【サンライズ出雲】「予約方法」「料金」「座席・部屋の種類」「シャワーなど車内設備」まで徹底解説!サンライズツインで親子乗車した極意をすべて教えます~
「サンライズエクスプレス」は、東京~出雲市・高松を結ぶ日本で唯一定期運行している寝台列車です。
この記事は、なかなか入手しにくい限定4室の「サンライズツイン」のチケットをとるコツや、車内での楽しみ方、長旅に必須の持ち物まで、鉄道初心者の親子でも楽しめる鉄道旅のポイントを詰め込みました。
出雲の定番観光スポットやグルメスポットもあわせてご紹介します。
※料金は状況により変更になる場合があります。
目次
「サンライズ出雲」などの寝台列車ってどんな乗り物?
寝台列車とは、寝台設備を持つ鉄道車両のことで、主に夕方から夜に出発し、早朝に目的地に着くのが特徴です。
ブルートレインやトワイライトエクスプレスなど、かつてはたくさんの寝台列車がありましたが、現在では「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のみ定期運行しています。
「ななつ星」や「四季島」などのいわゆる豪華列車と違うのは、夜間の移動を基本にしている点です。また座席ではなく「寝台」になっているのが特徴です。
日本で寝台列車に乗ろうと思ったら現在は「サンライズ」が唯一の存在といえます。
【サンライズ出雲】予約のコツとポイント~チケットの取り方
サンライズは1人用の個室はたくさんあるのですが、子どもといっしょに乗る場合はツインを選択することになります。2人用の個室は、数が少なく、週末のサンライズツインやシングルデラックスは特に予約がとりにくくなっています。サンライズツインは出雲・瀬戸それぞれ4部屋ずつしかありません。(シングルデラックスは6部屋ずつ)
チケットの発売日は、1か月前の10時です。
8月10日のチケットを取りたい場合、7月10日の10時にはパソコンの前にスタンバイしておくのがおすすめです。
予約サイトはこちら>>
今回は春休みに利用したかったので、1か月前の2月20日から毎朝チャレンジしていましが、とれたのは、3月5日でした・・
失敗続きの理由は、以下のような下準備をしていなかったため。特に③については、サイトに注意事項として記述があったにもかかわらず、気づいたのが遅く、3日はロスしたと思います。
なので、以下に気を付ければ、確実にとれると思います。
【確実に予約をとるコツ】
①事前にJ-WEST 会員になっておき「J-WEST ID」を取得しておく
②9時55分には「列車の選択」「出発日時」など必要事項を選択しておき、10時ちょうどに「検索ボタン」を押す
③「検索ボタン」を押した次の画面で部屋や人数を選択するのですが、サンライズツインは、1室料金のため、子どもと2人で利用する場合でも、「ご利用人数」欄には必ず「おとな1名」と入れてください。2名と入れてしまうと、エラーが出て予約できません。
無事予約できたら、事前にみどりの窓口でチケットを発行しておきます。
【サンライズ出雲】時刻と運行区間
出雲と東京を結ぶ「サンライズ出雲」と、高松と東京を結ぶ「サンライズ瀬戸」があり、東京を出発するときは二編成が併結して出発し、岡山で分割しそれぞれの目的地に向かいます。東京駅を21:50に出発し、途中横浜などに停まり、岡山に6:27に到着、瀬戸と出雲をここで切り離して、終点出雲市駅には9:58に到着します。
帰りは逆で、それぞれ出雲と高松を出発し、岡山で連結して東京へむかいます。
東京を出発するときは、1号車から7号車が「サンライズ瀬戸」、8号車から14号車が「サンライズ出雲」になります。
目的地によって好みの列車をセレクトするといいと思いますが、岡山での車両切り離しを見たい場合は出雲がおすすめです。
というのも、「瀬戸」のほうが出発が速いので、切り離しをゆっくり見ていると、乗り遅れる可能性があるからです。実際乗り遅れた方もいたそうです。
【サンライズ出雲】個室の種類と寝台料金
今回、2人用個室のサンライズツインを利用しました。客室はもちろん、車両全体も想像以上にシンプルでモダンなデザインがおしゃれ!しかも隅々まで清潔でした。
サンライズの車両は、「2階建て構造による完全個室化の実現や住宅メーカーとの共同による落ち着きのある木質系のインテリアなど、従来にない手法を導入し、快適性を創出した」として、1998年グッドデザイン賞を受賞しています。
ドアも分厚く、鍵もしっかりしていて、滞在中は隣や上の音もまったく気になりませんでした。
個室は、2人部屋がサンライズツインとシングルツインの2種類、1人部屋はシングルデラックス、シングル、ソロの3種類があります。
その他、寝台個室ではなく、簡単な仕切りがあるノビノビ座席があります。
寝台車に乗るには、乗車券、特急券のほかに「寝台料金」がかかります。寝台料金は、ホテル代のようなものと考えればいいのかもしれません。
サンライズ出雲の寝台料金
サンライズ出雲の1人あたりの寝台料金
サンライズツイン:7700円
シングルツイン:9600円
シングルデラックス:1万3980円
シングル:7700円
ソロ:6600円
ノビノビ座席:寝台料金必要なし
サンライズ出雲:サンライズツイン(寝台料金7700円)
入口から見ると左右にベッドが並んでいて、テーブル、鏡、荷物置きスペース、室内履きスリッパがあります。なんとハンガーまでありました。枕元には、室内灯、足元灯、暖房のスイッチ、アラーム付き時計などがあります。
たくさんの機能がコンパクトにまとまっていてまるでビジネスホテルのようです。
気になるお値段ですが、寝台料金はひとり7700円です。そのほかに乗車券と特急券がかかるので、まとめると2人で以下のようになります。
子ども乗車券(東京~出雲市)・・・・・6100円
大人乗車券(東京~出雲市)・・・・・1万2210円
特急券(2人分)・・・・・・・・・・・・6600円
サンライズツイン寝台券(2人分)・・ 1万5400円
計 4万310円
2人で4万!と驚きましたが、羽田―出雲間の航空運賃が一人3万2000円くらいなので、お子さんと一緒なら、断然サンライズ出雲のほうがお安いことになります。
東京駅から東京の夜景を満喫したあとは、シャワーを済ませて備え付けのパジャマに着替え就寝。小学5年生で135cmですが、パジャマは浴衣タイプなので、少し大きめですが問題なく着られました。
サンライズ出雲:シングルツイン(寝台料金9600円)
2人一部屋で利用できるのは、サンライズツインのほかには、シングルツインがあります。名前からも分かるように一人でも二人でも利用できます。
ドアを開けると、左の写真のようにベッドが上下2段になっています。上のベッドは跳ね上げ式で、下段のベッドは簡易ソファとしても利用できます。
右の写真の左下に写っているのが上のベッドへ上がる階段です。2段ベッドみたいで楽しそうです。
1人で利用する場合、寝台料金9600円ですが、2人で利用する場合はプラス5500円かかります。
サンライズ出雲:シングルデラックス(寝台料金1万3980円)
1人用個室でいちばん広いお部屋です。
サンライズエクスプレス唯一のA寝台で、この部屋だけのサービス設備として、幅の広いベッドや独立したデスク、洗面台が設置されています。車両の2階部分にあるので眺望も楽しめる人気のお部屋です。1編成に6部屋あります。
サンライズ出雲:シングル(寝台料金7700円)
編成の中でいちばん多い部屋数の個室です。ベッドやテーブル、枕元のコントロールパネルなど必要最小限のものがコンパクトにレイアウトされています。階上タイプ、階下タイプ、車端タイプの3種類があります。写真は階下タイプです。
サンライズ出雲:ソロ(寝台料金6600円)
眠るための空間をコンパクトに構成した一人用個室です。階上タイプと階下タイプがあります。ソロは、床下にモーターがある関係で、シングルより天井の高さが少し低く、テーブルがありません。
サンライズ出雲:ノビノビ座席(寝台料金必要なし)
運賃と指定席特急料金だけで利用でき、ごろんと横になれます。上下2段になっており隣の区画とは素通しですが、頭の部分に仕切りがあり区切られています。備え付けの毛布もあります。
お部屋の種類が多くて、悩んでしまいますよね。
子どもと2人なら、2人用の個室はサンライズツインとシングルツインなので、どちらかになります。個人的には、横並びでお互いの顔が見られるサンライズツインのほうが安心かなあと思います。
サンライズ出雲:車内区割り
【サンライズ出雲】シャワー室の場所と使い方は?備品は何がある?
シャワー室のある3号車と10号車には、ミニラウンジがあります。窓側にカウンターテーブルとイスが設置されていて、車窓を楽しめるようになっています。
シャワー室のすぐそばにあるので、シャワーの順番まちをしながら車窓からの眺めを楽しめます。
サンライズ出雲:シャワー室の使い方
3号車と10号車にシャワー室があります。利用には、車内にある販売機でシャワーカードを購入する必要があります。シャワーカードは1枚330円で6分間使用できます。
シャワーカードの販売機には、乗車後すぐに行列が出来、早々に売り切れてしまうので、出発前には3号車か10号車のドアに並んでおくのをおすすめします。
シングルデラックスの利用者は専用のシャワー室があるので、シャワーカードの購入は必要ありませんが、今回はサンライズツインの利用なので、シャワーカードを購入しました。
ボディソープとリンスインシャンプー、脱衣場にはドライヤーが完備されています。タオルはないので、準備が必要です。
また、お子さん連れの場合、シャワーの利用は早めがおすすめです。東京発21:50なので、シャワーの順番待ちをしていると就寝が遅くなってしまいます。
「電車の中でシャワーができる」というのが子どもにはとても面白い体験のようで、とても喜んでいました。シャワーカードに並ぶのは大変ですが、並ぶ価値はあると思います。
【サンライズ出雲】岡山駅での「瀬戸」「出雲」の切り離しは必見!
翌朝6:27に岡山駅に到着すると、ここで、サンライズ瀬戸と出雲の切り離し作業が行われます。サンライズ出雲とサンライズ瀬戸をつないでいる貫通幌(かんつうほろ)を収納する様子を見ることができます。
これを見るために、6時には起きて、着替えておきましょう。
もちろん寝ていてもいいのですが、鉄道好きの小学生にとっては、この切り離し作業は一大イベントらしいので、寝る前に6時にアラームをセットしておきましょう。
岡山駅に停車すると、切り離される7号車と8号車の間にはすでに20人ほどがカメラやビデオを構えてスタンバイしています。
小学2年生くらいの男の子と小学6年生くらいの男の子も切り離し作業をキラキラした目で見ていました。
また、岡山駅には7分間停車しているので、予約しておけば、駅構内の駅弁屋さんでお弁当を買うこともできます。
切り離し完了
貫通扉が完全に閉まりました。続いて連結器が外され、ライトが点灯します。
先に「サンライズ瀬戸」が出発!
前7両がサンライズ瀬戸なので、7号車と8号車が切り離されて、先にサンライズ瀬戸が出発します。なので、切り離し作業をゆっくり見るには、サンライズ出雲に乗るのがおすすめです。
【サンライズ出雲】美しい車窓風景
岡山を過ぎ、倉敷を通過すると伯備線に入ります。左側にある車窓から見える高梨川の清流を眺めながら、買っておいた朝食をいただきます。(車内には飲み物の自販機はありますが、車内販売はないので、東京駅で朝食を購入しておくのがおすすめです。)
また、進行方向右側に、伯耆富士とも呼ばれる大山(だいせん)や、宍道湖(しんじこ)を見ることができます。サンライズツインは窓が左側にあるので、右側に見える大山や宍道湖を見るためには、通路に出るかミニラウンジへ。
大山と宍道湖については、近づいたタイミングで社内アナウンスが流れ、知らせてくれるのも嬉しいサービスでした。
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】千原 礼子
関西在住のフリーのエディター、ライターです。まっぷる、ことりっぷ、カラープラスなどの編集、執筆をさせていただいています。旅行、グルメ、おとりよせ、本、スイーツ、パン、カフェ、飛行機、手作りの雑貨が好き。今ハマっているのは餃子です。