更新日: 2024年9月8日
登山地図のコースタイム通りに歩かないとダメ?【山と高原地図編集部 連載 Vol.7】誰もが頷く!?登山あるある
登山地図を見ていると、登山ルートの上に数字が記載されていることに気付いたことはありますでしょうか?
その数値は登山ルートをどれくらいの時間をかけて歩くことができるかを示した登山の「コースタイム」といいます。
コースタイムより短いタイムで歩くことができた、コースタイムより時間がかかってしまった、など人によって登山のコースタイムとの向き合い方が異なることでしょう。
今回は昭文社が発行する登山地図「山と高原地図」を例にして、実際に登山のコースタイムとはどのようなものなのか、どういった向き合い方をすれば良いのかを考えてみましょう。
目次
今回の登山あるあるは?
友達の誘いにのって登山を始めたものの、今ではその魅力にどっぷりな20代。
日帰りから小屋泊テント泊まで色々チャレンジしてみたい!
最近怖かったことは、テン泊をして朝起きたら頭と足の向きが逆転していたこと。
山と高原地図を広げながら、そこに記載されているコースタイムを気にするちず子ちゃん。そんな中突然現れた美人な女性。なんと彼女は理想とする自身の姿とのこと!
彼女は一緒に山と高原地図のコースタイムの定義を確認しようと言いますが、果たして‥!?
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登山のコースタイムの秘密に迫る!① コースタイム、気にしたことある?
登山をするにあたって、皆さんはコースタイムを気にしたことはありますか?
コースタイムとは、地図上に惹かれた登山ルートに対してどれくらいの時間をかけて歩くことができるかを示した数値のことを言います。
山と高原地図、ヤマレコ、YMAPなど各社が提供する登山地図にはもちろん、現地の看板にも登山コースの紹介と共にコースタイムが記載されていることが多いので、皆さん一度は見たことがあると思います。
基本的に登山というものは大会やタイムアタックなどを例外として、タイムを競う競技ではありません。
しかし「日の出、日の入り」というタイムリミットがあるのも事実ですよね。
そのため、事前準備の段階でコースタイムをしっかり確認し登山計画を練ることが大切なのです。
登山のコースタイムの秘密に迫る!② コースタイムより早く歩けたら「勝ち」?
地図に記載されているコースタイムよりも早く歩けた、反対にコースタイムより時間がかかってしまった、など地図に記載されているコースタイムに対して一喜一憂する登山者をよく見かけます。
果たしてその山へ登山に出掛けた目的は、コースタイムを縮めることなのでしょうか?
違いますよね。憧れの頂を踏みたいから、素敵な写真を撮りたいから、美味しい山ごはんを食べたいからなど、コースタイム以外のところに登山の目的があったはずです。
コースタイムよりも早く歩けたら「勝ち」なのではありません。
コースタイムに拘ることなしに、その山を楽しむことが出来たら「勝ち」なのです。
コースタイムはあくまでその山を歩くにあたっての指針。
記載されたコースタイムは参考数値として受け止め、山行計画を立てられるようにしまししょう。
登山のコースタイムの秘密に迫る!③ 山と高原地図のコースタイム基準を学ぼう
登山地図の定番とされる山と高原地図では、地図記載のコースタイムについて以下の基準を設けています。
① 40~60歳の登山経験者
② 2~5名のパーティー
③ 山小屋利用を前提とした装備
④ 夏山の晴天時
上記の条件から外れる場合には、予めソロ登山の場合は0.9倍、悪天候時だったら1.2倍など、自分の中での基準を作り上げてみましょう。
実際に歩いてみて、当初立てた計画とどれくらい乖離があるかを確認しながら、自分だけのコースタイムをブラッシュアップしていくのがオススメです。
また、地図のコースタイムは休憩時間を含んでいない為、実際に山行計画を立てる際にはそれらを加味する必要がありますので要注意です。
登山のコースタイムの秘密に迫る!④コースタイムの移り変わりを見てみよう
上に二つの地図画像をご用意しました。
左が山と高原地図の2022年最新版、右が2012年版の北アルプス、剱岳付近の画像です。画面中央部分、一服剱~前剣~平蔵のコルまでの登り下りのコースタイムがこの10年で変化していることが分かりますね。
山と高原地図は実踏調査による成果記載をしていますので、登山道の状況変化を主としてコースタイムの変動には様々な要因が考えられます。
ぜひ手元に古い山と高原地図がある人は、最新版の同じ地図と比較しながら登ってみるのも、新たな発見ができて面白いですよ。
登山のコースタイムは自分で作り上げるもの
いかがでしたでしょうか?
改めて、登山地図に載っているコースタイムは絶対ではないことを認識しましょう。
その上で登山時の諸条件、自身のコンディションなどを加味して、記載のオリジナルのコースタイムを作り上げる事が出来たのなら、今よりもっと登山を楽しむことができるはずです。
マンガ家です!映画とかドラマとか時々好きなものを呟きます。
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山と高原地図で登山を楽しもう
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図です。谷や尾根、等高線や登山道を綿密に描き、実踏調査に基づいた登山ルート・コースタイムなどを掲載、
その『山と高原地図』シリーズアプリは、慣れ親しんでいる地図をお手持ちのスマートフォンでも見られるだけでなく、GPSを使って地図上で現在地を確認したり、自分が登ったルートの記録をする、といった機能により 登山・ハイキングがますます楽しくなるアプリになっています。
記録したルートをメールで送信して、PCで登山記録を管理したり、登山コミュニティサイトに投稿して記録を共有することもできるので、活用方法は無限に広がります。地図データは全てスマートフォン本体に格納しますので、携帯電話の電波が届かない山中でも安心して使用することができますよ。
アプリアイコン | ||
アプリ名称 | 山と高原地図 | 山と高原地図ホーダイ |
料金 | DL1回につき650円(税込) | 月額500円(税込)もしくは 年額4800円(税込) |
DLできる登山地図 | 1回のDLで山と高原地図1エリア分をDL可能 | 山と高原地図全63エリア分をDLし放題 |
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】山と高原地図 編集部
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図。深田久弥による「日本百名山」をすべて収録し、主要な山岳エリアを網羅しています。
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