更新日: 2022年5月9日
三瓶・石見銀山モデルコース!自然豊かな島根で歴史旅♪
島根県の中部にある大田市には、世界遺産の石見銀山をはじめ、一度は見ておきたい風景がたくさんあります。
今回ご紹介する三瓶・石見銀山モデルコースでは、縄文時代の息吹を感じられるスポットから、江戸時代の風情溢れる町歩きまでたっぷりとめぐってきました!
今はまだにぎやかな観光地はちょっと…という方にもおすすめできる、落ち着いた雰囲気で旅を楽しめるモデルコースです。
週末の島根旅の参考に、ぜひチェックしてくださいね!
目次
三瓶・石見銀山モデルコースの行程はこちら!
9:00 出雲縁結び空港を出発!
10:00 さんべ縄文の森ミュージアムを見学
11:30 SANBE BURGERでランチ
13:00 石見銀山世界遺産センターを見学
14:00 龍源寺間歩を歩こう
16:00 大森の町並みを散策しよう
石見銀山 群言堂でおやつタイム&理容館アラタ・観世音寺を見学
19:00 温泉津(ゆのつ)温泉に宿泊
三瓶・石見銀山モデルコースでは、世界遺産である石見銀山をはじめ、
豊かな自然の中で歴史を感じられるスポットをぎゅっと1日で体感できます!
思わず写真を撮りたくなる、大森の素敵な町並みも必見です。
それでは、三瓶・石見銀山モデルコースの見どころを詳しく紹介していきます♪
10:00 縄文時代の巨木がいまも香る!「さんべ縄文の森ミュージアム」
まず訪れたのが、出雲空港から車で1時間(大田市駅からは車で20分)、三瓶山のふもとに位置する「さんべ縄文の森ミュージアム」(三瓶小豆原埋没林公園)です。
こちらではなんと、4000年前の樹林が「埋没林」として残っており、間近で見学ができるのだとか!ぱっと見た感じ、どこにも森は見当たりませんが…さっそく行ってみましょう。
あまり聞き慣れない「埋没林」という言葉ですが、これは昔の森林が根を張ったまま、地層中に埋もれることによってできるいわば「森の化石」のようなもの。
さんべ縄文の森ミュージアムでは、埋没林や三瓶山についての展示が丁寧にされており、事前知識がなくても十分に学びながら楽しむことができます。
埋没林について学んだら、いよいよメインの展示棟へと向かいます!
さんべ縄文の森ミュージアムでは、貴重な太古の森を地底から発掘されたままの状態で展示しています。外から見えなかったのは、すべての展示が地下に残されているからなのですね。
階段を降りると、広い空間に何本もの巨木がそびえたっています。
発掘時に発見された立木の数は30本もあったそうで、まさに「森が埋まっていた」という表現がぴったりですね。当時の木が腐食せずにそのまま残っており、驚くことに今も木の香りが残っています!
もう一つの展示棟には、巨大な断面が大迫力の根っこが残されています!不思議な形をした根で、360°様々な角度から観察することができます。
今でも縄文時代の杉の香りを体験できるなんて驚きです。自然や歴史に興味のある方は三瓶を訪れたらぜひ立ち寄っていただきたい、ロマンあふれるおすすめスポットです!
さんべ縄文の森ミュージアム
- 住所
- 島根県大田市三瓶町多根ロ58-2
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通分校跡行きバスで25分、小豆原口下車、徒歩12分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉園17:00)
- 休業日
- 火曜定休(祝日の場合翌平日定休)、3月と12月の第1月~金曜、年末年始
- 料金
- 大人300円、小・中・高校生100円
11:30 島根のご当地バーガーをランチに!「SANBE BURGER」
さんべ縄文の森ミュージアムから車で10分、ご当地バーガーが食べられる人気店「SANBE BURGER」でランチをいただくことに!ご当地バーガー「三瓶バーガー」、いったいどのようなハンバーガーなのでしょうか?
大山隠岐国立公園に指定されている三瓶山は、キャンプやトレッキングなどでも賑わう大田市のシンボル。SANBE BURGERは、そんな三瓶山のふもとにあるハンバーガーショップです。ログハウス風の建物が目印!
三瓶山の自然に囲まれたお店では、地元産の新鮮な食材を使ったご当地バーガー「三瓶バーガー」をいただけます。家族連れやグループでもゆったりできそうな広々とした店内には薪ストーブがあり、肌寒い日でもあたたかです。
SANBE BURGERのハンバーガーは、島根県産の牛肉・豚肉を100%使った自慢のパテを炭火でひとつひとつ焼き上げています。「三瓶山の形をイメージしている」というバンズも、島根県内のパン屋さんのものを使っています。まさに島根県のおいしいをまるごといただけるグルメなハンバーガーです!
一番人気のシンプルな「三瓶バーガー」のほか、トマトバーガーやエッグバーガーなど種類豊富なバーガーが勢ぞろいしていますが、三瓶店のみで食べられるいちおしのメニューがこちらの「三瓶わさびバーガー」です!
自家製のわさびマヨネーズはつんとした刺激が大人向けで、しっかりとしたパテとの相性が抜群です。泣くほど辛くはないものの、わさびの風味は十分に味わえるおいしい辛さが後を引きます!鼻に抜ける香りが印象的でした。
わさびバーガーに使用しているわさびマヨネーズや、島根県産肉を100%使用したハンバーグステーキ、三瓶バーガーにまつわるグッズなどお土産も充実しています。
ドッグカフェも併設していて、ワンちゃん同伴OKの座席もあります!それにちなんで、お店のあちこちにワンちゃんをモチーフにしたものが隠れているので、ぜひ探してみてくださいね。
SANBE BURGER
- 住所
- 島根県大田市三瓶町多根1125-2
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通三瓶温泉方面行きバスで57分、三瓶自然館前下車すぐ
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~17:00(閉店、時期により異なる)
- 休業日
- 火曜
- 料金
- 三瓶バーガー=648円/
13:00 「石見銀山世界遺産センター」で銀の歴史を学ぼう
お腹がいっぱいになったところで、いよいよ世界遺産・石見銀山へと向かいます。
ガイダンスセンターである「石見銀山世界遺産センター」へは、SANBE BURGERから車でおよそ30分。山道をドライブして向かいます。
石見銀山世界遺産センターに入ると、広大な登録範囲をひと目で見渡せるジオラマが出迎えてくれます!
銀を採掘した坑道のみに注目してしまいがちですが、坑道と鉱山の居住地の跡をはじめ、町並みや街道、港町まで含んだ文化的景観がすべて「石見銀山」として世界遺産に登録されています。
石見銀山は、平成19年7月に世界遺産登録された日本最大の銀山です。現在は閉山していますが、戦国時代の後期から江戸時代の前期にかけて最盛期を迎えました。当時日本は世界の銀の3分の1を産出していて、そのかなりの部分を石見銀山が占めていました。
銀を採掘するために人が掘り進めた坑道を「間歩(まぶ)」と呼びますが、石見銀山には大小さまざまな間歩が残っており、調査では900箇所以上確認されています。しかし、現在常時見学することができるのは「龍源寺間歩」ただ一つのみ。
世界遺産センターでは、最大級の坑道である「大久保間歩」の一部を忠実に再現した展示室や、バーチャル技術で見学体験のできる「VR銀山」など、様々な間歩を体感できるスポットも充実しています。
他にも、世界遺産センターでは石見銀山をより深く学べる様々なプログラムも開催しています。曜日によっては「丁銀づくり体験」も実施していて、手作りのキーホルダーやストラップをつくることもできますよ。ガイドサービスも充実しているので、龍源寺間歩の見学に行く前にぜひ訪れてみてくださいね。
石見銀山世界遺産センター
- 住所
- 島根県大田市大森町イ1597-3
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通大森方面行きバスで30分、世界遺産センター下車すぐ
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 8:30~17:30、展示室は9:00~17:00(12~翌2月は~16:30)
- 休業日
- 最終火曜(年末年始休)
- 料金
- 入場料(展示室)=高校生以上400円、小・中学生200円/丁銀づくり体験=「丁銀キーホルダー」1500円(製作キット付き)、「丁銀ストラップ」500円/(20名以上の団体は展示室入場料割引あり、外国人は証明書持参で割引あり、障がい者手帳持参で入場料無料)
14:00 いよいよ石見銀山の坑道「龍源寺間歩」を探検!
世界遺産センターで石見銀山について学んだら、実際に龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)の見学へ出発です!
環境保護のため、石見銀山への観光目的の車の乗り入れは規制されています。車で行く場合は、先ほどの石見銀山世界遺産センターに駐車して、路線バスで現地へ向かいましょう。
「大森バス停」が龍源寺間歩の最寄りとなります。
大森バス停から龍源寺間歩までは約2.3km、片道徒歩45分のゆるやかな登り道です。
龍源寺間歩の内部の見学には20分ほど要するので、トータル2時間ほどみておくと安心です。
自転車であれば間歩の入り口まで近づけるので、晴れていればレンタサイクルでの移動もおすすめですよ!
豊かな自然に囲まれた道を、水の音や鳥の声を楽しみながら歩いていきます。
道すがら、他の坑道の跡や寺社、精錬所跡などが残っており、往時の姿を垣間見ることができます。
歩くこと45分、ようやく龍源寺間歩の入り口に到着しました!入場料を支払い、いざ坑道内へと向かいます。
龍源寺間歩は、江戸時代前半に開発されてから200年以上にわたり良質な銀や銅を産出した坑道です。
全長は約600mもありますが、そのうちの157mが公開されています。
龍源寺間歩は、石見銀山屈指のスケールを誇る大きな坑道です。壁面にはノミの跡が当時のまま残っており、この広さの坑道を人が手彫りしたという事実に驚かされます。
もちろんすべて人力なので、1日かけても掘り進めるのはわずか30cmほどだったそう。
見学で歩く通路の左右には、「ひおい坑」と呼ばれる小さな穴がたくさん伸びています。鉱脈を追って掘り進めたものの、途中で鉱脈が途絶えて掘るのをやめた穴なのだとか。
当時の人々の動きが見えるようで、とても興味深いスポットです。
穴を掘り進めると出てくる水を排水するために、垂直に100mも掘られた竪坑(たてこう)も見学することができます。覗き込むと、江戸時代にこれだけの技術があったことに驚かされること間違いなしです!
通り抜け用に設けられた新しい坑道には、石見銀山絵巻の一部を展示。当時の石見銀山の姿を感じることができますよ。坑道内は一方通行で、戻ることができません。見落としのないよう気になる場所はゆっくりと見学し、最後に絵巻でおさらいするのがおすすめです。
龍源寺間歩は、実際に歩いて当時の坑道を見学できる貴重な場所。石見銀山を訪れたら、体力や時間にゆとりをもってぜひ訪れてみてください!
龍源寺間歩
- 住所
- 島根県大田市大森町
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通大森方面行きバスで28分、大森下車、徒歩50分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~17:00(最終入館、時期により異なる)
- 休業日
- 無休(年末年始休)
- 料金
- 大人410円(20名以上の団体は大人310円、小人150円)
16:00 江戸時代の風情が残る「大森の町並み」さんぽ
石見銀山・龍源寺間歩の見学後は、徒歩でふもとの町並み「大森地区」へと向かいます!
大森地区は、江戸時代の初期に石見銀山の政治・経済の中心として栄えた町です。全長およそ1kmに渡って、白壁やオレンジ色の「石州瓦(せきしゅうがわら)」が美しい町並みが広がっています。
武家屋敷や代官所跡、歴史的な建造物や文化財が並び、一帯が重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。現在は町家を利用したカフェやおみやげ屋さんも多く、落ち着いた雰囲気でのんびりと散策できる人気スポットとなっています。
外観からは想像もつかないおしゃれな内装のお店も多いので、ぜひいろいろなお店を覗いてみてくださいね。
今回は、特におすすめのスポットを3つご紹介します!
大森のおすすめスポット①石見銀山 群言堂 本店
一つ目のおすすめスポットは、「石見銀山 群言堂 本店」です。
群言堂は、ここ大森の町に本店を構え、現在では全国に店舗を持つライフスタイルブランドです。昔ながらの文化や素材を大切にしながらも、時代に合った進化を続け、日本の美しい暮らしを発信しています。
大森の町並みの中心にたたずむ本店は、築170年を超える江戸時代の商家を18年かけて再生。明るくおしゃれな雰囲気の店内ですが、よく見ると中庭や土間など、当時の名残を感じられる場所もたくさん残っています。
部屋ごとにがらっと雰囲気が異なるので、お気に入りの品を探しながら店内を探検してみるのも楽しいです。
本店では、オリジナルの衣類・生活雑貨の販売のほか、寛ぎのスペースやカフェも併設しており、ゆったりとした時間を過ごすことができます。石見銀山や大森をたくさん歩いたあとのおやつ休憩にもぴったりです!
カフェでは、島根で育った紅茶「べにひかり茶葉」を使用した紅茶や、島根のりんごを100%使用したジュースなど、島根ならではのメニューも楽しめます。
群言堂のカフェでぜひ召し上がっていただきたいのが、春限定のいちごパフェです。
「大地の畑のいちごパフェ」は、島根県大田市のいちご農家さんの「紅ほっぺ」を使った爽やかなパフェ。すっきりとした甘さのいちごシャーベットと、香り豊かなラベンダーアイスが相性抜群で、まさに春にぴったりの味わいです。
最後までザクザクとした食感が楽しめるグラノーラや練乳ブラマンジェまでどれも美味しく、無くなってしまうのがもったいないと思うほど。いちごの爽やかな味わいが好きという方にはぜひおすすめしたい、いちご尽くしのメニューです。
※「大地の畑のいちごパフェ」は、3月初旬から5月の初旬ごろまでの提供です。
季節ごとに旬の果物を楽しめるパフェは必見です。次回は夏みかんパフェを予定しているとのこと!こちらも楽しみですね。
パフェのほか、ランチタイムにはカレーやハヤシライスも提供されています。
写真の「いのししスパイスカレー」は、島根県美郷町のいのししを使った群言堂のオリジナルカレー。有機スパイスが効いており、ちょっと大人な味わいのキーマカレーです。
いのししと聞いて想像するようなジビエ特有のクセはほとんどなく、穏やかで滋味深い味わいです。食べ進めたら、付け合わせのアチャールもカレーに混ぜると様々な味の変化が楽しめます!スパイスカレーがお好きな方にはぜひおすすめしたい一品です。
カフェで提供されるお茶をはじめ、出雲そばや仁多米の煎餅など島根ならではの美味しい商品もたくさん揃っています。石見銀山のおみやげ探しに、ぜひ訪れてみては?
群言堂 石見銀山本店
- 住所
- 島根県大田市大森町ハ183
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通大森方面行きバスで28分、大森下車、徒歩約3分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~18:00、カフェは11:00~16:30(L.O.、ランチタイムは~15:00<L.O.>)、時期により異なる
- 休業日
- 水曜、祝日の場合は営業(年末年始休、臨時休あり)
- 料金
- いのししスパイスカレー(飲み物付き)=1500円/
大森のおすすめスポット②理容館アラタ
二つ目のおすすめは、大正末期から昭和初期に創業した「理容館アラタ」です。
文化的な遺産として全国理容連合会の「理容遺産認定」に認定されており、大正末期の理容文化を今に伝えている貴重なスポットです。
現在は営業していませんが、店内にはアールヌーボー調の理容椅子や手動式のバリカンなど、当時使われていた理容道具が展示されています。今は休憩所として開放されているので、ノスタルジックな雰囲気の理容館を自由に見学できます。椅子に腰かけて写真撮影もできますよ!
理容店の店先にはおなじみの、くるくる回るサインポールも残されています。
大正から昭和にかけての雰囲気が感じられる「理容館アラタ」、昔ながらの理容館の雰囲気が感じられる素敵な写真スポットです。ぜひ立ち寄ってみてくださいね!
銀山ヴィレッジ 和田珍味石見銀山店
- 住所
- 島根県大田市大森町ハ79理容館アラタ和田珍味石見銀山店
- 交通
- JR山陰本線大田市駅から石見交通大森方面行きバスで26分、大森代官所跡下車、徒歩3分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~16:00(変動あり)
- 休業日
- 不定休
- 料金
- 無料
大森のおすすめスポット③観世音寺
3つ目のおすすめスポットは、大森の町並みの中心にそびえるお寺「観世音寺」です。
寛政の大火(1800年)により焼失したため創建は不明ですが、本堂や山門は1860年に再建され、現在に残っています。
観世音寺は小高い岩山の上に建つお寺で、江戸時代には大森代官所が銀山の繁栄を祈願する場所でした。
近隣に高い建物はありませんので、美しい瓦の連なりが眺められる唯一のスポットと言っていいでしょう。石見銀山の繁栄当時から、大森の町並みを見守ってきた観世音寺。石見銀山と大森町の歴史に想いを馳せて、ゆっくりと過ごしてみるのもおすすめです。
19:00 温泉津(ゆのつ)温泉の宿に宿泊
石見銀山観光のあとにぜひ泊まりたい温泉地が、大森の町から車で20分ほどのところにある「温泉津温泉(ゆのつおんせん)」です!
温泉津温泉は、レトロな湯宿が谷間の細道に並んでいる風情豊かな温泉街。室町時代以降、石見銀山の採鉱に伴って、銀の積み出し港として栄えた湯治の町です。山から海へと銀を運び出していく当時の人々の疲れを癒していた湯に、ぜひ浸かってみては。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
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