更新日: 2024年7月30日
かわいいスナップで子どもの写真を撮ってみよう 方法をカメラマンが解説!
カメラのスナップ撮影で知っておくと何倍もステキな写真を撮れる…そんなテクニックを一挙にご紹介。
構図や光の取り込み方を知っておけば、もっと特別なワンシーンが写真に記録できます。
日常や特別な日の一コマを切り取るスナップ写真。
子どもの成長は早いので、貴重な成長のワンシーンは写真に留めておきたいものです。
また写真に撮られることに抵抗をなくすことで、子どもの自己肯定感を伸ばしてあげられるという効果も。
どんどん写真を撮って、親子でステキなコミュニケーションをとりましょう。
こちらの記事では、まっぷるマガジンやことりっぷシリーズで20年来活躍しているカメラマンが撮影テクニックを解説。
プロならではの技術をちょっとだけ取り入れて、特別な一枚にチャレンジしてみてください。
目次
スナップ撮影に必要なカメラって?
スマホで気軽に、いつでも写真が撮れる時代ですが、ここは少し仕上がりにこだわって、レンズ交換のできる一眼レフやミラーレスカメラを使って撮ってみましょう。いざ選ぶとなるとメーカーや種類が多くて迷いますが、基本的にはデザインだったり、持ち運びの重さだったり、自分が持ちたいと思えるカメラを選びましょう。
【一眼レフカメラ】
高性能であらゆるシーンに対応できる優れたカメラです。高価で扱いも少し難しいところがありますが、一眼レフでも安価で扱いやすい機種もあるので、いろいろ調べてみよう。
【ミラーレスカメラ】
デザイン性や軽量なことから女性にも人気のカメラ。初心者向けに扱いやすい設計で多機能。カメラを始めてみたいに人におすすめです。スマホとの違いは、レンズがあれば遠くの被写体もばっちり撮影できる点です。とくに運動会などの行事で子どもを撮影したい人にはオススメ。
【レンズ】
カメラを購入すると標準ズームレンズとセットで買うのが一般的です。
ズームレンズはリングの操作で広く撮ったり、アップで撮ったりできます。カメラと別にレンズを持つのは荷物になってしまいますが、望遠のズームレンズがあると写真に広がりがでます。離れたところから自然な表情を捉えたり、学校行事の時にも活躍します。
スナップ撮影で楽しく遊ぶ子どもを撮ろう ~公園編~
公園で遊ぶ子どもたちを撮るには一緒に楽しむのが一番。子どものそばでカメラを構えて待っているより、一緒に楽しみながら撮ると、子どもの自然な表情や動きを写真に収めることができます。でも遊びながらカメラの設定をしているとシャッターチャンスを見逃します!事前に済ませておきたいカメラの設定や、動き回る子どもを撮影するコツをご紹介します。
カメラの設定は事前に済ませよう
シャッター優先(TV)にする
撮りたいと感じた時に、さっと撮れるように、前もってカメラの設定をしておきましょう。
カメラには大きく3つの撮影モードがあります。全自動で使えるプログラムとシャッター優先や絞り優先。
早い子どもの動きについていくためにもシャッター優先にしておきましょう。とっさに撮ると写真がブレてしまうことがあります。シャッター優先で、できる限り早いシャッター速度にしておけば臨場感のある写真がとれます。いろんなシーンに対応できるように1/250以上のシャッター速度に設定しておけば安心です。シャッター速度に関係してきますが、ISO感度はオートにしておくのがベスト。
なお、シャッター優先モードは、Canonでは「Tv」、Niconでは「S」など、メーカーによって表記が異なるので、取扱説明書を読んでチェックしてみてくださいね。
動き回る子どもを上手く撮るには
予測できない子どもの動きや表情。一瞬のシャッターチャンスを逃さない為にもフォーカスモードと連写モードも設定しておくと、いきいきとした子どものシーンが撮れます。運動会などにも使えるので、ぜひ覚えてください。
【 フォーカスモード 】
フォーカスモードは、「ONE SHOT」「AI FOCUS」「AI SERVO」の、計3つがが用意されています。「AI SERVO」に設定しておきましょう。子どもの動きに合わせてピントが自動的に追いかけてくれます。
【 連写モード 】
動き回る子どものベストショットを撮影するのはプロでも至難のワザ。一連の動きを連写で撮影して、ベストショットを選びましょう。
望遠ズームレンズを使って撮ってみよう
望遠ズームレンズは同じ位置からでも写真を広げたり、ズームインしたりできるメリットがあります。
このメリットを使えば同じシーンでも印象の違った写真が撮れます。望遠ズームレンズは遠いところを撮るというイメージですが、風景を切り取るという時にも使えます。望遠ズームレンズを使いこなしていろんなアングルを撮ってみよう。
こちらの写真の場合、上が標準レンズ、下が望遠ズームレンズを使用したものとなります。同じ位置からの撮影でも子どもの生き生きとした表情を捉えることができますね。
逆光で撮影をしてみよう
写真は光の向きによって印象が変わります。光の種類は大きく3つあり、順光、逆光、斜光(サイド光)と呼ばれています。それぞれの特徴を理解して使い分けてみよう。
【 順光 】
光が正面から当たっている状態。青空や色のある背景にすることで鮮やかな写真になりますが、立体感がでにくく、ペタッとした印象の写真になりがちです。
【 逆光 】
逆光は被写体の後ろから入る光。逆光で写真を撮ったら暗くなった経験があるかと思います。扱いにくい光ですが、撮り方次第ではふんわりとしたやわらかい写真に仕上がります。
【 斜光(サイド光) 】
日差しが横から入る光のこと。陰影が入り立体感を出すのに適しています。
上から順光、逆光、斜光(サイド光)となります。逆光でも絞り優先オートを使用して、絞りの数字をできるだけ小さくすることで背景がぼけて良い感じに仕上がります。
スナップ撮影で子どもを撮ろう ~屋内編~
お家や施設でも子どものワンシーンを撮りたくなる時がありますよね。屋外よりどうしても暗くなってしまう室内では、撮った写真を見るとブレてしまって残念な写真になることも。そうならないように、対処方法をご紹介します。
屋内でのスナップ撮影にお役立ち知識「ISO感度」
簡単にいうとカメラが光をとらえるセンサーの能力のこと。カメラによって、その能力は違いますが、近年カメラも性能が上がり、暗いところでの撮影が容易になっています。基本ISO感度はオートでOK。それでも暗いところでの撮影は手ブレの可能性はあります。しっかりカメラを構えて撮りましょう。
屋内でのスナップ撮影にお役立ち知識「フラッシュは使わない」
暗いところではフラッシュを使う。昔は何となくそんな気がしていませんでしたか?カメラによっては内臓フラッシュなどありますが、周りの明るさとのバランスがくずれ雰囲気がなくなります。フラッシュを使わず、ISO感度の機能だけで撮影すれば、周辺の雰囲気も残しながら自然な感じで撮れます。差し込む自然光や部屋のライトの光をうまく使って撮りましょう。
例えば、よくあるお誕生日ケーキのシーン。必然的に暗い環境での撮影になりますね。フラッシュを使用しないパターンでは、ナチュラルな仕上がりになります。
フラッシュを使用すると、全体的にくっきりとした画像になり、立体感が乏しくなります。好みの問題もありますが、フラッシュを使用しない方が“今どき”の写真になりますね。
スナップ撮影で特別な一枚に挑戦!
写真を撮り始めると、もっとセンスある写真が撮りたくなってきますよね。ワンランク上の撮影テクニックをマスターして、おしゃれでかわいい写真に挑戦してみよう。
特別なスナップ写真に挑戦!構図にこだわってみる
カメラは基本センターフォーカス。どうしてもピントが合った瞬間シャッターを押してしまいがち。後でみると人物が常に真ん中にいて記録的な写真になり、ぱっとしないと感じます。構図を意識して撮影すると、いつもと違った印象的な写真に仕上がりますよ。
【 日の丸構図 】
撮りたい被写体が真ん中にいて分かりやすい構図ですが、初心者っぽく記念撮影みたいな写真に見えます。背景や状況にもよりますが、主役がはっきり目立つように背景がシンプルで、すっきりしている時におススメです。
【 三分割構図 】
画面を縦横3分割し、交わる4点に被写体を配置しバランスを出す基本的な構図です。動きを出したり、奥行きを見せたりする時に使います。あまり意識し過ぎず、視線の先や動きの出る方向を少し空けて撮ると空気感が出ます。
特別なスナップ写真に挑戦!背景をぼかすには
背景がぼけて人物が浮かび上がるような写真を撮ってみたい。そんな時は望遠レンズを使って撮ってみよう。
【 絞り優先(AV)】
望遠レンズは背景がきれいにぼけるという特徴があります。その効果を使って撮ります。ただ望遠レンズを使えばボケるというわけではありません。撮影モードを絞り優先にしましょう。絞りとはレンズの性能によりますが、どれだけ光を捉えられるのかという数字(F値)です。初心者が使うレンズだと、最小値が4.5~5.6ぐらいの数値になります。その数字が小さいほど背景にボケ味に効果でます。背景のボケがほしいなら4.5に設定しましょう。人物と背景の距離によっても効果は変わります。背景の距離が遠いほどキレイにボケるので撮影場所はできるだけ広い場所がよいでしょう。
特別なスナップ写真に挑戦!小物や花を使って撮ってみよう
特別な一枚を撮影する際でも、やはり主役は子ども!ただし小物をよいあんばいで引き立たせるために、服装と背景が同化するようなロケーションを選び、自然と小物が浮き立つような構図にしてみましょう。
特別なスナップ写真に挑戦!スマホのポートレート撮影機能
スマホのカメラにポートレート機能が搭載されていれば、ぜひチャレンジしてみましょう。一眼レフのように背景をぼかした写真を撮ることができます。iPhoneのポートレート機能では、照明エフェクトが「自然光」、「スタジオ照明」、「輪郭強調照明」、「ステージ照明」、「ステージ照明(モノクロ)」、「ハイキー照明(モノクロ)」と幅広く選ぶことができます。Androidの機種でも、ポートレートでぼかしの濃度を選べるものもあります。
上の写真がポートレート機能を使ったもので、下の写真が通常モードで撮影したものとなります。ポートレートモードでは被写体がくっきり浮かび上がって特別な感じが演出できます。
かわいいスナップで子どもの思い出ストックがもっと色鮮やかに!
こども写真にNGカットはありません。つまらない顔をしていようが、泣いていようが、一枚一枚その時の思い出になります。いろいろなテクニックはありますが、一番のコツはたくさん撮ること!子どもたちが大きくなって、見返した時に、家族で昔に戻れるような一枚を撮ってください。撮影テクニックにこだわりすぎず、こどもの写真は瞬間を逃さないのが基本、という点もお忘れなく。
今回撮影のご協力をいただいた箕面公園昆虫館は、日本三大昆虫宝庫と称される大阪府箕面の森に建つ小さな昆虫館です。一年中多くの蝶が飛び交う放蝶園のほか、見どころもたくさん。ぜひ立ち寄ってみてくださいね。公式ホームページはこちらです。
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昭文社旅行ガイドブック編集部にて編集歴約20年。関西在住の編集者。アウトドア、文学、映画&ドラマ、雑学なんにでも興味津々。中川政七商店をはじめとした「日本の古きよき物」も日々こつこつ収集中。わりと最近、KPOPのおっかけも始めました。旅行・おでかけネタを中心にミックスカルチャーな情報を発信します。