更新日: 2024年9月8日
慣れた頃が要注意?登山時にひそむ危険とは【山と高原地図編集部 連載 Vol.2】誰もが頷く!?登山あるある
登山の楽しみで大部分を占めるのは、登り切ったという達成感ではないでしょうか。
自身の登山スキルのステップアップを実感できて、まるでどこまでも歩いていけるような気分になりますよね。
しかし、そんな慣れてきた頃が実は一番注意すべきタイミング。
今回は改めて登山時にひそむ危険を5つピックアップいたしました。
登山の初級者の方も、中・上級者の方もぜひ一度初心に立ち返ってみてはいかがでしょうか?
※本記事は夏山時を想定しています。
目次
今回の登山あるあるは?
友達の誘いにのって登山を始めたものの、今ではその魅力にどっぷり。
日帰りから小屋泊、テント泊まで色々チャレンジしてみたい!
最近の悩みは、週末が近づくと山の天気が気になって仕事が手につかないこと。
家では騒ぎ倒すほど虫が苦手なちず子ちゃん。一方で、山中のテント内に現れた虫には素手で対抗できるようです。
山中という極限状態だからこそなせる技なのか、それとも、登山をやる人にとっての「嫌な慣れ」ってやつなのでしょうか‥。
さて、上記の嫌な慣れは置いておくとして、人間誰しも慣れてきた頃が一番注意散漫になるもの。ここらで一度、登山時にひそむ危険を改めて確認してみましょう!
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登山時の危険1.天気が急変してしまったら
山の天気は崩れやすいもの。山地の影響を受け、強い上昇気流が生じやすい山の天気は、想像以上に厳しい状況を作り出します。
特に夏山で注意したいのが、積乱雲(入道雲)に伴う雨、風、そして雷です。最近は予報精度が上がり、また山小屋でも天気情報を得ることができるようになったため、行動指針の当てとしてとても役立ちます。しかし局地的な気象の変化にはその場で対応せざるを得ません。
真夏の3,000mの稜線では「10時過ぎたら雲が広がり、昼過ぎには雷雨」くらいに想定して、登山計画を慎重に立てるのがポイントです。
登山時の危険2.雷が鳴り始めてしまったら
山での雷への対処法については、雷が発生しやすい時間までに安全確度が高い山小屋に入ってしまうことが一番です。
外にいる時に雷が鳴り始めてしまったら、近くの樹林帯やくぼんでいるところに避難しましょう。その際、木の真下ではなく、枝からは3、4m以上離れたところで姿勢を低くすること。また岩場にある鉄製のハシゴや鎖、水たまりは雷の通り道です。絶対に避けましょう。
稜線に出ているのであれば少しでも下って標高を下げることも対策としてあげられます。特に山頂や突起部分に居た場合は、すぐにその場から離れましょう。
登山時の危険3.危険動物・虫に遭遇してしまったら
熊などをはじめとする危険動物に遭遇した際に、絶対にしてはいけないのは大声を出して相手を刺激すること。熊鈴などを付けて、先だって相手がこちらの存在に気が付くようにしておきましょう。
遭遇してしまった場合には、無関心なふりを装って静かにその場を離れるのが一番です。猿は目が合うと威嚇されたと勘違いして襲ってくる場合もあるので、遭遇しても目を合わせすぎないように。
加えて注意が必要なのは蛇やスズメバチ、アブ。これらは黒い服に寄ってくる習性があるため、そのような格好はなるべく避けたほうが無難です。
登山時の危険4.怪我や捻挫をしてしまったら
怪我や捻挫をしてしまった際、自力での下山が難しい場合は速やかに救助を呼びましょう。
一日の中でも午前中と昼頃、さらに詳しく見てみると山行計画の最終日、下山時での救助要請が多いとされています。疲労が蓄積している最終日、帰宅できるという安堵感も加わって、うっかり足を滑らせて怪我に至ってしまった‥そんなケースが怪我や捻挫を引き起こしてしまうのでしょう。
こうした事例は日本アルプスなどの高山エリアのみならず、低山エリアを含むすべての山域に言えることです。無理のない登山計画を立てたとしても、疲労の蓄積や気象条件、身体のコンディションなど、様々なことを起因とする怪我は多いです。
集中力の途切れやすい下山時も、最後まで気を引き締めて歩きましょう。疲れてきたなと思ったら、迷わず休憩をはさみましょうね。
登山時の危険5.道に迷ってしまったら
もし道に迷ってしまったら、分かる場所まで引き返すのが鉄則です。登山道から外れて沢や谷に下るのは非常に危険で、滑落事故につながりかねません。
登山道中にも道標をはじめとして、手書き看板や岩へのマーキングによって正しい方向を案内しているものもあります。地図と併せて確認してみましょう。道迷いを防ぐにはこまめに地図をチェックするのが一番。要所で現在地を確認する癖をつけましょう。
また、大前提として余裕のある登山計画を立てることが大切です。時間に余裕があれば、多少のミスは取り返すことができます。焦りはトラブルを拡大させるだけです。
危険を避け安心安全な登山を楽しむために
今回紹介した登山時の危険は数あるうちの一部です。
ここで「ええ!この他にも危険なことが沢山あるの?」と思うか、「よし!ここに書いてある危険性は把握できたから、他のも調べて対応策を考えてみるぞ!」となるかはアナタ次第。
事前に登山時の危険性を知り、その対応策を練っておくことで有事の際でも冷静に対処する事が出来るはずです。
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