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2022年「有名駅弁と全国うまいもの大会」で見つけた、食べた、おすすめ駅弁10選!

駅弁こんしぇるじゅマルワ

更新日: 2024年6月28日

2022年「有名駅弁と全国うまいもの大会」で見つけた、食べた、おすすめ駅弁10選!

駅弁こんしぇるじゅマルワです。

2022年1月に開催された京王百貨店の「駅弁大会」(第57回・有名駅弁と全国うまいもの大会)。
筆者の今大会の実績は、合計32種類(実演駅弁14種・輸送駅弁18種)。うち3種類は期間中に “再履修” したため、食べた総数は35個、総額にして41,298円になりました。例年に比べて控えめではありますが、過去に食べたことのない駅弁が全体の3分の2を占めたことを考えると、保守よりは攻めの姿勢で終えた気がします。

では、今大会で筆者の印象に残った駅弁を、いくつかご紹介していきましょう。

ガチな容器が大反響! 『JR貨物コンテナ弁当』1,420円

ガチな容器が大反響! 『JR貨物コンテナ弁当』1,420円

筆頭にくるのは、やはりコレでしょう。お馴染み(?)の「JR貨物19D型コンテナ」をそのまま弁当容器にした、『JR貨物コンテナ弁当・神戸のすき焼き編』。
昨年末に淡路屋の公式Twitterで告知されるや否や、大変な反響を呼びました。「貨物」というガチなモチーフでありながら、ミニチュアとして精巧、かつ四角い形状が容器としての使い勝手も良さそうなところが、鉄道ファンでなくとも魅力を感じさせる要因だと思います。
肝腎の中身は、定番の甘辛い「すき焼き弁当」。弁当容器としては深さがあるので、添付された伸縮タイプの箸では少々食べにくい点が気になるものの、この商品は企画の楽しさが勝った好事例です。
反響の大きさに対して需要と供給のバランスが合わず、現在は容器生産が追い付かない状況だそうですが、期間限定・数量限定の商品ではないので、追加生産すると公式Twitterで明言されています。今大会でご縁のなかった方も、少し待てば必ず出合えるはず。貨物コンテナ弁当は、今後シリーズ化される予定です。楽しみですね。

直営店と実演販売限定! 『たこ壷カレー』1,200円

直営店と実演販売限定! 『たこ壷カレー』1,200円

話題の貨物コンテナ弁当を世に打ち出した「淡路屋」が、時おなじくして発売開始したのが『たこ壷カレー』。ロングセラー駅弁『ひっぱりだこ飯』の姉妹品です。
公式Twitterの “中の人” が「ぜったいウケる!と思っていたところ……貨物が大バズり!」「本命の『たこ壷カレー』が霞んでしまう」と、深夜の嘆き。運悪くコンテナと発売時期が重なってしまったのでしょうが、実は『たこ壷カレー』は淡路屋の直営店と各地百貨店の実演販売限定展開。オンラインショッピングでも流通しないため、この駅弁のほうが希少価値があったのです。前半戦こそ苦戦したものの、後半戦に入ってよく動いているように見えました。

ターバンを巻いたタコを描いた掛け紙に「たこ壷から漂う異国の香り」とあるとおり、壷に鼻を近づけると、ふんと香るスパイシーなカレーのにおい。ドライカレーの上には定評ある真ダコの旨煮が乗り、割箸のかわりに付いてくる木製のスプーンで掘りながらいただくスタイル。タコとカレーの意外な相性の良さ、食べ始めは甘く感じても、そのあとには “おっ!?” と驚く本格的な辛さがきます。痛快です。

いかめし三代目社長のチャレンジ 『3代目のいかめし de 丼!!』1,800円

いかめし三代目社長のチャレンジ 『3代目のいかめし de 丼!!』1,800円

※特製丼の内側には「殿堂入記念」のロゴ入り(しかも金色)

京王の駅弁大会で販売数50回連続1位を達成、殿堂入りを記念して開発された、いかめし史上初のどんぶり駅弁、いかめし阿部商店『3代目のいかめし de 丼!!』。
チラシの写真を見て、「え、あの“いかめし”にチーズ??」。しかも、たっぷり掛かっています。「さすがにそれは……」と警戒した筆者。話題づくりが優先したかと、はじめは訝しく思っていました。
ですが、食べてみると、歯切れのいいイカのうまみと醤油味が、マヨネーズに似た緩い食感のチーズと絶妙なコラボレーションを発揮。気がつけば、輪切りにされた2杯のイカにチーズをたっぷりまとわせて、パクリ、またパクリ。……イケます。いや、とても美味しい。北海道の野菜が彩りを添え、異なる食感がいいアクセントに。
「“いかめし” のイカと米は、ぜったい別れちゃダメ!」と一方的に思い込んでいた筆者も、「どうだ、うまいだろ」と言わんばかりの美味しさに唸りました。

若き3代目社長が半年間「このどんぶりに命をかけていた」という渾身の作ですが、残念ながら、今回の駅弁大会だけの限定販売。「駅弁」とは違うけれど、世代交代を鮮やかに印象づける面白い企画でした。味わいがとても新鮮だったので、後半戦で再度購入して “再履修”。
今回の好評価を得て、新たなチャレンジに意欲を燃やす新社長。次なる一手が楽しみです。

見た目のインパクトが強烈 『鮪づくし弁当』1,560円

見た目のインパクトが強烈 『鮪づくし弁当』1,560円

※輪切りの下にも鮪がいっぱい

駅弁の美味しさは、見た目も大事。今大会で最もインパクトがあったのが、福島・いわき駅「小名浜美食ホテル」の『鮪づくし弁当』ではないでしょうか。なんと、鮪の尾の部分が皮つきのまま輪切りでどーん!と乗った、わっぱめしです。尾の身の厚みは2センチ以上、少々グロテスクに見えなくもないけれど、珍しい部位だけに興味を惹かれました。
いざ実食。箸で身をほぐそうとすると、いきなり予想を裏切られる逞しい弾力が返ってきます。考えてみれば、鮪は回遊魚。常に動いている部位だけに、筋肉も発達しているのでしょう。割箸が折れそうになるので早々に“手づかみ”に切り替え、両手を使って野獣になった気分で格闘すること、約30分。濃厚で美味しい! ただし、これを車内で食べるのはハードルが高そうです。

この駅弁は、尾の切り身の下にも、ほろりとした炙り鮪と、生ハムに近い食感の「ヅケ」(これが絶品!)が敷いてありました。部位の味の違いを楽しめて、かつ “長持ち” する駅弁。手もとにおしぼりは必携、ぜひお供に日本酒をご用意ください。

徳島県に駅弁が復活 『阿波尾鶏トロッコ駅弁』1,300円

徳島県に駅弁が復活 『阿波尾鶏トロッコ駅弁』1,300円

コンビニの台頭で、県内最後の駅弁業者が2016年(平成28年)8月に撤退。以来、沖縄を除く46都道府県の中でただ一つ「駅弁のない県」といわれた徳島県でしたが、2019年(令和元年)10月から観光列車「藍よしのがわトロッコ」限定で駅弁(車内で販売)が復活。下り便で販売される『阿波尾鶏トロッコ弁当』が、満を持して、今大会の実演駅弁に登場しました。
徳島線・貞光駅の栗尾商店が提供するこの駅弁、通常は季節運行の列車内でしか食べられない(事前予約制)とあって、徳島県生まれの筆者がとりわけ楽しみにしていた駅弁です。嬉しい!

吉野川の写真を用いた、明るいブルーの掛け紙が爽やか。玉子そぼろの黄色を背景に、鮮やかな紅ショウガが差し色になって食欲を刺激します。徳島名物・特産地鶏である “阿波尾鶏” の歯ごたえと甘み、コクのある味わいが人気の秘訣。添えられた “すだち” の果汁をプラスしたら、酢飯にも似た爽やかな味に変化するのが面白かったです。
ただ一点、小さなカップに入ったドレッシング状のものが何なのか、どう使うのが正解なのか、分からずじまい。筆者は鶏肉にかけていただきましたが、柑橘のほろ苦さと軽い辛味がプラスされ、複雑な味わいが楽しめました。

おもてなしNo.1! 毎年会いたい定番駅弁 『湖北のおはなし』1,200円

おもてなしNo.1! 毎年会いたい定番駅弁 『湖北のおはなし』1,200円

駅弁大会の輸送駅弁に毎回エントリーされる、米原駅「井筒屋」の『湖北のおはなし』は、筆者が毎年再会を待ちわびる逸品。唐草模様の風呂敷でキュッと包まれた佇まいが美しく、結び目を解くときはいつもワクワクさせられます。情緒ある籠のお弁当箱には、鴨のローストや鶏のくわ焼きなど、湖北地方の名産品がぎっしり。“ぬた” や煮物の味付けも品がよく、本当に美味しいお弁当。
特に、ほのかに桜の香りがする“おこわ”は、抜きんでた美味しさ。季節によって、山菜、枝豆、栗、黒豆と内容が変わるのも、四季折々の表情を感じさせます。もう数えきれないほどリピートしているのに、中に入っている「おこんだて」の紙を見ながら味わうたびに新鮮な感動があるのはなぜでしょうか。

片隅に収まるサイコロの小さな箱には、お口直しの飴玉がひとつ。必ず「5」の目が正面になっているのは、「また “ご縁” がありますように」との願いから。彩りや盛り付けの美しさもピカイチで、このお値段は良心的。駅弁におもてなし部門があるならば、間違いなくNo.1だと思います。

島根のうまいもの全乗せ感覚 『銀河一番星』1,500円

島根のうまいもの全乗せ感覚 『銀河一番星』1,500円

JR西日本の特急「WEST EXPRESS銀河」の山陰ルート運行を記念して発売された駅弁。『島根牛みそ玉丼』はじめ、調製元の松江駅「一文字屋」が作る4種の人気駅弁をぎゅっと1折に盛り込み、「あれもこれも、みんな食べたい!」というわがままな欲求を満たしてくれるオールスター弁当です。
この駅弁は、掛け紙で商品のコンセプトを語りつくしている点が秀逸。県魚の “飛魚(あご)” や大山鶏(だいせんどり)といった山陰の食材をたっぷり使い、紅ズワイガニのワイン寿司、ちょっぴり甘めの「だしめし」など、ひねりの効いた味わいのごはんが3種類。デザートには、ひと口サイズの可愛い“おはぎ”が入っています。

京都・大阪と出雲を結ぶ「山陰ルート」の運行は2021年(令和3年)6月に終了しているため、この駅弁は期間限定販売なのかもしれません。それを知ってか、数ある輸送駅弁の中で、いつも早々に売り切れていました。「銀河」運行記念駅弁は、姫路の「まねき食品」や神戸の「淡路屋」も企画・販売しているので、こちらの商品も何かの折に復刻されないかなぁと、淡い期待を抱いています。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

駅弁大好き歴25年。平成の”Windows95”時代から某IT企業のインストラクターとして全国の官公庁・小中学校へのパソコン導入に携わりながら、各地の駅弁や名産品を食べ続けるうち「うまいもの」「みやげもの」で日本地図が描けるようになりました。これまで全国を旅して食した駅弁は2,000個以上、「駅弁大会」と聞けば連日通って“大人買い”、休日は朝昼夕と駅弁が食卓に並ぶような家庭です。時々ちょっと苦手な食材もありますが、そこはすべて「実食」してのルポがモットー。食味の感想には個人差がありますので、その点はご容赦ください。