目次
- 「駅弁味の陣」ってなに?
- 第1回「駅弁味の陣」グランプリ 【鱈めし】ホテルハイマート(新潟県・直江津駅/1,200円)
- 第2回「駅弁味の陣」グランプリ 【牛肉どまん中】 新杵屋(山形県・米沢駅/1,250円)
- 第3回「駅弁味の陣」グランプリ 【米澤牛 焼肉重 松川辨當】 松川弁当店(山形県・米沢駅/1,600円)
- 第4回「駅弁味の陣」グランプリ 【鶏めし】 花善(秋田県・大館駅/900円)
- 第5回「駅弁味の陣」グランプリ 【比内地鶏の鶏めし】 花善(秋田県・大館駅/1,200円)
- 第6回「駅弁味の陣」グランプリ 【えび千両ちらし】 新発田三新軒(新潟県・新潟駅/1,380円)
- 第7回「駅弁味の陣」グランプリ 【海苔のりべん】 福豆屋(福島県・郡山駅/1,000円)
- 第8回「駅弁味の陣」グランプリ 【さけめし】 ホテルハイマート(新潟県・直江津駅/1,200円)
- 第9回「駅弁味の陣」グランプリ 【諏訪弁 ほいじゃねェ】 れすとらん割烹いずみ屋(長野県・上諏訪駅/1,080円)
- 「駅弁味の陣」への参加方法…お気に入りの駅弁を選んで投票しよう!
第7回「駅弁味の陣」グランプリ
【海苔のりべん】 福豆屋(福島県・郡山駅/1,000円)
平成30年(2018)、駅弁味の陣にも新たなブームが到来。第7回の駅弁大将軍に選ばれたのは、意外にも庶民が大好きな“海苔(のり)弁当”だったことに驚きました。
大正13年(1924)創業の「福豆屋」(東北本線郡山駅)が手がける「海苔のりべん」。開発の原点は、子どものころ、仕事で忙しかったお母さんが作ってくれたお弁当の思い出でした。ノリノリな感じが伝わるネーミングは、実際に、海苔が二層になっていることに掛けているのかもしれません。
大胆な題字の掛け紙に、十字の紐掛け。フタを開ければ、海苔の下にふわふわのおかかと白飯。手焼きにこだわる大きな玉子焼きは、出汁をたっぷり含んでいます。脂ののった鮭のハラス、ねっとりしたえび芋の食感。どれも普通でありながら、厳選した食材一品一品に手間ひまかけてアップグレード。家庭ではできない贅沢な味わいに仕上がっています。
平成22年(2010)に発売した当初はほとんど売れず、東日本大震災後は風評被害で大打撃を受けましたが、復興支援に福島を訪れた人の口コミで人気が拡がりました。福豆屋が使っている福島県産の食材は、放射能物質の検査を受けて安全性を確認していているそうです。どうぞ安心してお召し上がりください。
第8回「駅弁味の陣」グランプリ
【さけめし】 ホテルハイマート(新潟県・直江津駅/1,200円)
令和元年(2019)、第8回の駅弁大将軍には、初代覇者となった「ホテルハイマート」が返り咲きました。
駅弁の食材としてはマイナーな鱈とタラコを用いた「鱈めし」に続いて、今度は「さけめし」。鮭とイクラ、まさに“ど直球”ともいえるメジャー路線で勝負です。
ころんとした赤い器に十字の紐掛け、新潟県産コシヒカリを使った汐昆布の炊き込みご飯は「鱈めし」に同じ。焼いて手作業で粗くほぐし、秘伝のたれをかけた銀鮭を主役に据え、脇にはキラキラ光るイクラのたまり漬をたっぷりと。風味豊かな奈良漬け、口がさっぱりする甘酢生姜で、最後まで飽きずに食べられます。センターを飾る杏のシロップ漬けも、また嬉しいもの。
駅弁ではメジャーな食材の組み合わせだけに、他との差別化が難しいのではないかと思いましたが、そんな心配を軽々と超えていく安定感には、さすがの一言。親子食材対決が得意なホテルハイマートが次にどんな勝負を挑んでくるのか、楽しみですね。
第9回「駅弁味の陣」グランプリ
【諏訪弁 ほいじゃねェ】 れすとらん割烹いずみ屋(長野県・上諏訪駅/1,080円)
令和2年(2020)、第9回の駅弁大将軍に選ばれたのは、同年1月に販売開始されたばかりの「諏訪弁 ほいじゃねェ」。
個性的なネーミングは、諏訪地方の言葉で「また会おうね」という意味。「諏訪弁」という名前には、「諏訪のお弁当」と「諏訪の方言」の意味合いをかけています。
ワカサギのから揚げと川海老の煮付けをのせた塩むすび、鯉の甘酢あんかけ、信州ポークの諏訪みそ焼き、しみ豆腐の煮物、野沢菜入り餃子にカリンの寒天など、諏訪の名産品が一度に味わえる逸品。四季に合わせて変わる掛け紙も魅力のひとつ。
歴代の駅弁大将軍が、歴史に裏打ちされた老舗の名物駅弁が続いた中で、この駅弁の出自はかなり異色。JR中央本線上諏訪駅前の「れすとらん割烹いずみ屋」、地元のソウルフードといわれるラーメンチェーン「みんなのテンホウ」、ゲストハウス「シャンブルドットTATAMI」がコラボして駅弁を開発。しかも、開発に至ったきっかけが、地元の共同浴場で何気なく交わした会話だったというから驚きです。
「観光で訪れた人に諏訪の魅力を伝える、オリジナルの駅弁がつくれないか」。長らく駅弁業者がいなかった諏訪で、異業種のメンバーが意気投合して生まれた新作駅弁が、駅弁味の陣に初参加でトップに躍り出たのは快挙! コロナ禍で旅行もままならなかった時期だけに、「また会おうね」という意味の名前も胸に沁みます。これまで駅弁大将軍に輝いた駅弁は必ず買って食べてきた筆者も、残念ながら、まだこの駅弁には会えていません。どんな駅弁かは公式サイトをご覧ください。
「駅弁味の陣」への参加方法…お気に入りの駅弁を選んで投票しよう!
記念すべき第10回開催(2021年10月1日~11月30日)は、JR東日本エリアの1都14県、全67種類の駅弁がエントリー。開催期間中は、東京駅「駅弁屋 祭」をはじめ、仙台駅、新潟駅など、69駅の駅弁販売店舗と、催事販売でエントリー駅弁を買うことができます。ふだんなら現地へ行かないと買えない駅弁に、身近で出会えるチャンスです!
※天候や交通事情などにより、その日の品揃えが異なります。時期や時間帯により販売していない駅弁もありますので、お目当ての駅弁があれば、事前に入荷予定をお問い合わせ頂くことをおすすめします。
投票の参加方法は簡単。エントリー駅弁を購入するともらえる「投票チケット」に記載された二次元コードから、専用サイトにアクセス。必要事項を入力して送信すると、抽選でJREポイントやホテル宿泊券が当たります。抽選結果の発表は12月上旬を予定。
投票チケットからの投票では、グランプリ「駅弁大将軍」と、副グランプリ「駅弁副将軍」のほか、「味覚賞」「盛付賞」「掛け紙賞」「最多応募賞」が選ばれます。また、今年度エントリーされた新作駅弁30品の中から「初陣賞」が、エントリーエリア内ごとで最も評価の高い駅弁には「エリア賞」が授与されます。
駅弁を直接買いに行けない方は、ぜひWEBアンケートへ。公式サイトに表示されたエントリー駅弁の一覧から「食べてみたい駅弁」を選び、詳細ページに表示された「この駅弁に投票する」ボタンをクリック(投票は1日1回限り)。WEBの投票が最も多かった駅弁が「そそられ将軍」に選ばれます。さらに今年は、過去の開催で「駅弁大将軍」「駅弁副将軍」を受賞した駅弁の中から10周年記念賞が選出されます。王者の中の王者を、あなたの投じる1票で選んでみませんか?
エントリー駅弁を眺めるだけでもワクワク。食べたい駅弁に投票すればもっと応援したくなり、買って食べればさらに楽しくなるのが「駅弁味の陣」。行方を左右する1票を投じて、お気に入りの駅弁を応援しましょう!
マルワ
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】駅弁こんしぇるじゅマルワ
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駅弁大好き歴25年。平成の”Windows95”時代から某IT企業のインストラクターとして全国の官公庁・小中学校へのパソコン導入に携わりながら、各地の駅弁や名産品を食べ続けるうち「うまいもの」「みやげもの」で日本地図が描けるようになりました。これまで全国を旅して食した駅弁は2,000個以上、「駅弁大会」と聞けば連日通って“大人買い”、休日は朝昼夕と駅弁が食卓に並ぶような家庭です。時々ちょっと苦手な食材もありますが、そこはすべて「実食」してのルポがモットー。食味の感想には個人差がありますので、その点はご容赦ください。