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地下鉄博物館へ行ってみよう!子鉄もママ鉄もテンションUP間違いなし

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2021年11月11日

地下鉄博物館へ行ってみよう!子鉄もママ鉄もテンションUP間違いなし

東京23区を中心に、網の目のように路線が張り巡らされている東京の地下鉄。
現在、東京メトロは9路線、都営地下鉄は4路線が運行し、毎日多くの人に利用されています。

そんな私たちの生活に欠かせない地下鉄のしくみや歴史を知ることができるのが、東京メトロ東西線葛西駅の高架下にある「地下鉄博物館(ちかはく)」。

いまから94年前に日本で初めて運行した地下鉄車両の展示や、運転シミュレーターなどがあり、電車大好きキッズも、ママ鉄やパパ鉄も楽しめる施設なんです。

地下鉄博物館ってこんなところ

地下鉄博物館ってこんなところ
地下鉄東西線葛西駅の高架下にある「地下鉄博物館」

地下鉄博物館は、東京での生活になくてはならない交通手段である地下鉄について、もっとこどもたちに知ってほしいとつくられた博物館。地下鉄の歴史から地下鉄をつくったり運行したりする技術までを、「見て、ふれて、動かして」学習できる参加型のミュージアムです。

博物館内は、「地下鉄の歴史」「地下鉄をつくる」「地下鉄をまもる」「旅客サービス」「地下鉄車両のしくみ」「日本と世界の地下鉄」「地下鉄プレイランド」という7つのエリアで構成されていて、実際にさわったり、体験したりできるしかけに、こどももおとなも興味深々!

今回は、電車大好きな筆者が特におすすめしたい、地下鉄博物館の見どころをご紹介しましょう。

※新型コロナウイルス感染症対策のため、見学は1回90分以内、再入場はできません。また、開館時間や休館日、展示内容などが変更になる場合があります。ご利用の際は、最新の情報をご確認ください。

地下鉄博物館

住所
東京都江戸川区東葛西6丁目3-1
交通
地下鉄葛西駅からすぐ
営業期間
通年
営業時間
10:00~16:30(閉館17:00)
休業日
月曜、祝日の場合は翌日休(12月30日~翌1月3日休)
料金
大人220円、4歳~中学生100円(団体割引あり、障がい者と同伴者半額)
リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。

地下鉄博物館の見どころ1. 日本初の地下鉄車両が見られる!「地下鉄の歴史」エリア

地下鉄博物館の見どころ1. 日本初の地下鉄車両が見られる!「地下鉄の歴史」エリア
真っ赤な丸ノ内線300形車両(手前)と日本初の地下鉄車両1001号車(奥)<写真:地下鉄博物館>

皆さんは、東京の地下鉄がいつ開通したか、ご存知ですか?

いまから94年前の昭和2(1927)年12月30日に、上野~浅草間を結ぶ2.2kmに開通したのが、日本の地下鉄の始まりなんです。その後、昭和14(1939)年に浅草~渋谷間がつながり、現在の銀座線となりました。その次に作られたのが丸ノ内線(東京では2番目、全国では4番目の開業)で、第二次世界大戦後の昭和29(1954)年に、池袋~御茶ノ水間が開通したそうです。

地下鉄博物館内に入ると、まず目を引くのが、赤と黄色の鮮やかな車両。赤い車両は、昭和29(1954)年に開通した丸ノ内線の第1号、300形車両(301号車)。黄色の車両は日本初の地下鉄車両1001号車(現在の銀座線)で、国の重要文化財にも指定されています。

真っ赤な車体が鮮やかな丸ノ内線の300形車両

丸ノ内線の車両は、レトロな車内に入ることもできます。真っ赤な車体に波形の模様を描いた白い帯を配した外装デザインや、ダークピンク×えんじ色の内装はかなりおしゃれ。開業当時は、戦後復興の象徴ともいえる斬新なデザインだったそうです。

シートに座ってもOK。感染症予防のため間隔はあけて

丸ノ内線300形車両のドア横にはレトロな予備灯がある

レトロな予備灯もこの車両の特徴です。予備灯は、かつて丸ノ内線と銀座線だけにあった設備で、この2つの路線では駅の手前などで車内が一時停電になり、予備灯がつくことがありました。

丸ノ内線300形車両は、開業~1990年代半ばまで走っていたので、筆者も子どもの頃、車内が真っ暗になって、パッと予備灯がついたのを覚えています。パパ&ママ世代や、おじいちゃん&おばあちゃん世代には、とっても懐かしい地下鉄ですよね。

重要文化財の1001号車。現在当時の車両を再現した特別仕様車が銀座線を走っている

日本で最初の地下鉄1001号車両は、文化財保護のため車内に入ることはできませんが、かつての上野駅を再現したホームから見学することができます。

昭和2(1927)年の開業当時は、「東洋唯一の地下鉄道」とあって、ものすごい人気だったのだそう。なんと3分間隔で運行していたというから驚きですが、それでも電車は超満員で、上野駅では乗車待ちの人の列が地上まで続いていたといいます。電車に乗るまでに1時間以上かかったというから、まるで人気アトラクション並みですよね。

回転ドアのような自動改札機。横の箱にコインを入れる

運賃は10銭均一で、なんと駅の改札口は自動改札だったそうです!当時設置されていた自動改札機も展示されていますよ。ターンスタイルの自動改札機で、10銭硬貨を入れるとバーが回転するしくみです。

こちらもアトラクション感いっぱいで、大人気だったのもうなずけますね。

車内には開通当時の様子が再現されています

驚くことはまだあります。この車両、自動ドアなんです。つり革はスプリング式で車体が揺れてもグラグラしないという優れもの。快適な乗り物だったのがわかります。

車内には入れませんが、なかをのぞくと当時の様子が再現されているので、タイムスリップした気分になれますよ。

地下鉄博物館の見どころ2. トンネルってどうやって掘るの?「地下鉄をつくる」エリア

地下鉄博物館の見どころ2. トンネルってどうやって掘るの?「地下鉄をつくる」エリア
副都心線の建設現場で使われたシールドマシンのカッター部分<写真:地下鉄博物館>

東京の地下を網の目のように走る地下鉄。トンネルや駅は、どうやってつくられるのでしょう。地下鉄博物館の「地下鉄をつくる」エリアでは、トンネルを掘り進める巨大なカッターを見ることができますよ。

現在地下鉄のトンネル工事は、円筒型の巨大な機械、シールドマシンの前面に、デコボコの刃が付いたカッターディスクを装着して地下を掘り進み、セグメントと呼ばれるコンクリートの壁を設置してトンネルをつくる「シールド工法」が主流になっているそうです。

館内には、副都心線の東新宿駅~新宿三丁目駅のトンネル掘削に使われた、シールドマシンのカッターディスクが展示されています。巨大なカッターディスクがぐるぐる回って、土砂を掘り進んでいくんですね。

展示されているのは半円形ですが、実際は円盤状なので、なんとこの倍の大きさ!こんな巨大なものが地下を掘り進んでいくなんて、地下鉄をつくる大変さがよくわかります。

新宿三丁目駅付近の断面図。各路線のトンネルが交差する

ところで、東京には現在、東京メトロ、都営地下鉄合わせて13路線もの地下鉄が走っています。新しい路線ほど地下深くを走っていると、筆者も感じているのですが、東京の地下は複雑に利用されていて、新しくトンネルをつくるなんて、考えただけでも気が遠くなりそう……。

複数の路線が通っている新宿三丁目駅の断面模型が展示されていました。複雑にトンネルが交差していて、丸ノ内線と都営新宿線のトンネルの間は、わずか11cmなんだとか!ビックリです。

地下鉄工事の流れが立体映像で見られる、アンダーグラウンド3Dシアター

アンダーグランド3Dシアターでは、シールドマシンによるトンネルの掘削から、駅のホームの設置、レールを敷いて、電車が走り出すまでの地下鉄工事の一連の工程を見ることができます。

四角い窓からなかをのぞくと、地下で繰り広げられるダイナミックな工事の様子が、飛び出す立体映像で映し出され、迫力満点!キッズもママもテンション上がりますよ。

地下鉄博物館の見どころ3. 地下鉄ってどうやって動くの?「地下鉄車両のしくみ」エリア

地下鉄博物館の見どころ3. 地下鉄ってどうやって動くの?「地下鉄車両のしくみ」エリア
ボタンを押すとパンタグラフを上げ下げできる

地下鉄博物館の「地下鉄車両のしくみ」エリアは、地下鉄はどうやって動くのか、どうやって止まるのかなど、地下鉄が安全に走るしくみが学べるエリアです。

皆さんは電車がどこから電気を取り入れているか、ご存知ですか?

そう、電車の上についているパンタグラフです。通常電車は、パンタグラフが架線(電車用の電線)に触れることにより、電気を取り入れ、走ることができるのです。ここでは、普段電車の上についているパンタグラフを間近で見ることができます。パンタグラフを上げ下げする体験もできますよ。

近代化産業遺産にも指定されている、レトロな100形車両<写真:地下鉄博物館>

地下鉄のドアを開閉できる車両も展示されています。レトロなこちらの車両は、昭和13(1938)年に渋谷~新橋間の地下鉄開業に備えてつくられたもの。翌年には浅草~渋谷間がつながり、その後丸ノ内線の開業に伴い、路線名は銀座線となりました。

扉を自動開閉できるスイッチが取り付けられていて、車掌さんになった気分で、扉の開閉を体験することができますよ(2021年9月現在感染症予防のため休止中)。

駅から駅までの運転の流れ解説したパネル

電車が駅を発車してから次の駅に到着するまでに、運転士さんがどのように運転しているのかも、詳しく展示されています。

電車はモーターに電流を流すことで動き出し、加速を始めます。必要な速度に達すると、モーターに流れる電流を切り、惰力で走るのだそう。地下鉄のトンネル内は真っ暗で、乗っているだけではわかりませんが、実はかなりのアップダウンがあり、運転士さんはそれをうまく利用して運転しているんですね。

次の駅が近づいたらブレーキをかけ、決められた停止位置にピタリと止まるのもスゴイですよね。運転の流れがわかったら、さあ運転シミュレーターに挑戦してみましょう!

地下鉄博物館の見どころ4. 運転士気分を味わおう!「地下鉄プレイランド」エリア

地下鉄博物館の見どころ4. 運転士気分を味わおう!「地下鉄プレイランド」エリア
千代田線の運転シミュレーター<写真:地下鉄博物館>

地下鉄博物館の「地下鉄プレイランド」エリア最大の目玉は、なんといっても地下鉄を運転できるシミュレーター! 電車好きなら誰もが、電車の運転にはあこがれますよね。地下鉄博物館には、2種類の運転シミュレーターがあるんです。

本物の運転台で体験できる千代田線のシミュレーター

まずは、千代田線の運転シミュレーター。体験できるのは小学生以上ですが、なんとこちらは、運転士さんの訓練用に使用されていた本物の運転台で操作できるんです!

もちろん筆者も体験してみました。走っている映像が前面に映し出されて、ワクワクが止まりません。ガタゴト揺れる動揺装置も付いているので、本当に運転している感覚に!運転の方法は、スタッフの方が丁寧に教えてくれるので、小学生でも大丈夫。キッズもパパ&ママも、電車好きならテンションアップ間違いなしです。

誰でも体験できる簡易型運転シミュレーター

小学生未満のキッズは、親子で楽しめる簡易型の運転シミュレーターへ。簡易型といっても、加速をしたりブレーキをかけたりといった運転体験は可能。運転席から眺めるトンネルや駅の様子はもちろん本物です。

小さいこどもでも、運転士さんになれちゃいます。

こちらのシミュレーターは、日によって体験できる路線が替わるそう。筆者が訪れた日は、銀座線と日比谷線を体験することができました。いつも利用している路線でも、運転席から眺めると線路の先を見通すことができ、ワクワクしますよ!

1/80スケールの地下鉄模型が走るメトロパノラマ<写真:地下鉄博物館>

「地下鉄プレイランド」エリアのもうひとつの見どころは、都心の地下を走る東京メトロの全路線を1/80スケールで再現したメトロパノラマです。

1日4回、11時、13時、14時、15時半になると、東京メトロの9つの路線全てが15分間運行(2021年9月現在感染症予防のため平日のみ)。始発電車が車庫から出発し、終電を終え車庫に戻るまでの様子を見ることができます。今年デビューした有楽町線・副都心線の新型車両17000系も走っていました!

メトロパノラマのスゴイところは、全ての路線が高低差も含めて再現されていること。複雑な駅として知られる大手町駅と赤坂見附駅もリアルに再現されているので、乗り換えが大変な理由がわかるなど、発見がいっぱい!

通勤や通学でいつも使っているルートをたどってみるとおもしろいですよ。こちらはキッズよりパパやママのほうが、夢中になってしまうかも。

地下鉄博物館のオリジナルグッズは必見!「ミュージアムショップ」もチェック

地下鉄博物館のオリジナルグッズは必見!「ミュージアムショップ」もチェック
ちかはくキャラクターグッズから本格的な鉄道のDVDまであるミュージアムショップ

もちろんミュージアムショップもありますよ。地下鉄博物館オリジナル商品を中心に、マスクやTシャツ、マグネットやワッペンなどのグッズを販売。ちかはくのマスコットキャラクター「ぎんちゃん・まるちゃん」のグッズも、こどもたちに人気です。筆者はかなり楽しそうな、地下鉄路線図のジグソーパズルを購入してしまいました!

オリジナルのマグネットやワッペン、かわいい絆創膏なども

銀座線、丸ノ内線、東西線が描かれたこども用のマスク

地下鉄博物館に行ってみよう

東京メトロの地下鉄博物館をご紹介してきましたが、いかがでしたか?今回ご紹介したエリア以外にも、地下鉄の総合指令所を体験できるコーナーや、世界の地下鉄を紹介するコーナーなどもあって、見どころ満載!

地下鉄博物館は、リーズナブルな料金でたっぷり遊べるのも魅力です。バリアフリーでベビーカー置き場や授乳室も完備、こども用トイレがあるので、ママやパパもうれしいですよね。

毎日なにげなく利用している地下鉄について知ることができるので、新鮮な発見がいっぱいです。電車好きなキッズはもちろん、おとなも大満足間違いなしの地下鉄博物館へ、秋の1日お出かけしてみてはいかがですか?

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