更新日: 2021年12月21日
フィギュアに命を吹き込む海洋堂の展示がすごい! 大阪・門真の「海洋堂ホビーランド」を徹底紹介!
世界的にも名高いフィギュア制作メーカー・海洋堂による「海洋堂ホビーランド」は、門真市駅前のイズミヤ門真店の3階にあります。
創業者である宮脇修氏が館長・総合プロデューサーを務めるこの施設は、従来の海洋堂のホビー館やミュージアムとは異なり、宮脇館長と息子の宮脇修一専務が集めた貴重なコレクションが多数展示されています。
「好き」を究めた卓越した技術で世界の博物館や美術館にも進出している造形集団・KAIYODOの成り立ちをはじめ、造形師や塗装師の作品が一堂に眺められ、土・日曜、祝日にはフィギュア製作が体験できるコーナーもあります。
リアルな造形物の表現力の高さや、ほんの小さな店から始まり、海洋堂が世界に名を馳せるまでにたどってきた歴史などが紹介され、子どもから大人までが楽しめる空間です。
目次
海洋堂ホビーランドって?
フィギュアメーカーの「海洋堂」が直営する「海洋堂ホビーランド」。滋賀県や高知県などにも海洋堂の展示施設がありますが、海洋堂ホビーランドのコンセプトは海洋堂の57年の歴史がわかる、フィギュアのテーマパーク。
海洋堂は1964(昭和39)年に大阪府守口市の商店街で模型店として創業。アニメの登場人物や動物などのオリジナルの模型制作を手掛け、フィギュアの呼び名を日本に定着させました。
宮脇館長の「子どもたちにはフィギュアを通して好奇心や想像力を養ってほしい」という思いから、フィギュアの塗装が体験できるコーナーも設置されています。
海洋堂ホビーランド
住所:大阪府門真市新橋町3-1-101 イズミヤ門真店3階
電話番号:06-4397-7100
開館時間:10:00〜18:00(入場は〜17:30)
定休日:不定休
入館料:大人1000円、中高生700円、小学生500円、未就学児は無料
ぜひこちらもあわせてチェックしてみてくださいね♪
「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 龍遊館」
http://www.ryuyukan.net/
宮脇専務のYouTubeチャンネル「センムチャンネル」
https://www.youtube.com/channe
海洋堂ホビーランドへのアクセス
電車
大阪モノレール、京阪電車「門真市駅」下車、徒歩すぐ
車
大阪から阪神高速守口線を経由して森小路出口へ。さらに国道163号に進み、約20分。
※イズミヤ門真店に提携駐車場あり
「海洋堂ホビーランド」は宮脇修館長のことを知れば、より面白くなる!
現在93歳の宮脇修館長は1964(昭和39)年、大阪の守口市に一坪半の模型店「海洋堂」をオープンしました。
間口はおよそ3メートル、奥行1.5メートルと非常に小さな店だったのですが、独創性に富んだ店づくりが評判に。人気とともに拡張した店内には潜水艦を泳がせるモケイプールやレーシングコースを設置。
爆竹を仕込んだ大ジオラマで戦車を走らせるコーナーを造ると、たった2か月で1000台以上の戦車を販売しました。その販売数はなんと日本一。その後も奇想天外なアイデアの数々で、海洋堂の快進撃は続きました。
行く前に読めばよりわかる!「海洋堂ホビーランド」を知るキーワード5
600坪のフロアに14のテーマ展示がある「海洋堂ホビーランド」。順路に沿って展示を見ると「海洋堂」の成り立ちや発想の秘密、「海洋堂」がこれまでにどんな仕事をしたのかがよくわかるように作られています。
「海洋堂ホビーランド」に行く前に読めば、よりわかる、そしてもっと楽しめるキーワードを5つ紹介します。
運命を決めた木刀の展示から始まる「海洋堂ホビーランド」
海洋堂をオープンする前のこと。長男の専務が小学校に上がるまでは定職にもつかず、宮脇館長は非常に焦っていたといいます。
手打ちうどん屋か、息子が大好きなプラモ屋で小商いをするかを迷ったあげく決めかねて、一本の木刀に運命を委ねます。木刀を天井から吊し、紐を切って東西に倒れればうどん屋、南北ならプラモ屋に決めようとするのです。
海洋堂がプラモ屋になった瞬間。まるで映画のワンシーンのような「木刀」から、海洋堂ホビーランドの展示は始まります。決めるときに使われた運命の木刀を吊し上げ、二択を決めるシーンが再現されています。
海洋堂ホビーランド その1:「帆船の海洋堂」と言われるまでになった帆船模型とプラモの山
1970年頃、宮脇館長はブロンズ彩色技法を編み出し、自ら開発した道具類を使って、帆船プラモを販売しました。
その販売数は、なんと世界一。アートプラ(プラモデルのアート化)の思想を提唱するきっかけとなった自作の帆船模型や、当時「帆船の海洋堂」と言われるまでになった数々の帆船模型が公開されています。
また、壁を覆うほどに積まれたプラモデルの山も必見。運が良ければプラモデルについて説明してくれる詳しいスタッフがいることもあるそうです。
海洋堂ホビーランド その2:すぐれた作り手とガレージキットを生み出したあそびの塾「ホビー館」
977年、宮脇館長は「ホビー館」を開設。
門真市に200坪の倉庫を借り、全長180mのスロットレーシングコースやジオラマコーナー、展示コーナーや工作台など、さまざまなコーナーが設置されました。
ここは海洋堂の高い技術を育んだラボのような存在で、海洋堂の現造形師であるボーメもここの常連でした。プラモケイの衰退とともに、既成のプラスチックモデルに飽き足りなくなった若者たちが特殊造形素材を使って、好きなものを持ち込むようになり「造形狂」という仲間が増えていきました。
すべてゼロから削り出す造形作品を造りはじめるきっかけになった場所が「ホビー館」です。当時のホビー館の写真や製作されたガレージキット(レジンキャストなどで少数生産される組み立て式の模型)が展示されています。
海洋堂ホビーランドのキーワード その3:宮脇館長とクリス・ウェイラス氏との出会い
1985(昭和60)年、宮脇館長はクリス・ウェイラス氏と出会います。
映画「グレムリン」や「ザ・フライ」などの特殊メイクを担当し、アカデミー賞を受賞したクリス・ウェイラス氏と宮脇館長はすぐさまに意気投合。1993年には世界初の動く実物大恐竜展「ディノアライブ」を大阪で開催しました。
「友情の森」というコーナーには、友情の証として贈られた実物大のティラノサウルスとトリケラトプスヘッドが展示されています。
海洋堂ホビーランドのキーワード その4:「海洋堂」の創始者・宮脇館長の頭の中をのぞいてみる!?
現在93歳の宮脇館長が60年かけて集めたお宝の数々を「館長の部屋」というコーナーに展示。
親友のクリス・ウェイラス氏から贈られた「グレムリンの頭骨」や「グレムリン・モホーク」などのほか、樹齢1100年の木の根っこや北海道から持ち帰った「タラバガニの剥製」など造形の魅力が味わえるものが蒐集されています。
読書家でもある宮脇館長の蔵書や海にちなんだコレクションなど実物を眺めてみると、奇想天外な発想を持つ宮脇館長の頭の片隅がのぞけるかもしれません。
海洋堂ホビーランドのキーワード その5:造形集団「KAIYODO」が創る立体作品が一堂に並ぶ
ガレージキット、アクションフィギュア、食玩などのフィギュアをはじめ、現在もあらゆる立体作品を世に送り出している「海洋堂」。
福井県立恐竜博物館やニューヨーク自然史博物館など、リアルでいきいきとした造形を作る腕が認められ、公的施設からの信頼も厚い会社です。
「THE KAIYODO」というコーナーでは、ほかでは見られないフィギュアの原型や塗装見本のほか、土・日曜には造形師や塗装師の実演も見ることができます。
大人気の体験コーナー「だ・びんち工房」でフィギュアの塗装を体験してみよう!
「海洋堂ホビーランド」では、あそびという原始感覚の中から、子どもの真の喜びや夢が引き出せればという思いを込めて、ホビーを通して造形教育に少しでも役立つような場を提供しています。
土・日曜、祝日に行なわれているのは、フィギュアの塗装教室。不定期でフィギュアの造形教室も行なわれています。対象年齢は小学3年生以上(※小さい子どもが希望の場合は、スタッフまで要相談)
■フィギュアの塗装教室
・ティラノサウルス
・ヴェロキラプトル
・ネコバッジ他
各1100円/約60分
■開催日時 土・日曜、祝日/①10:30~11:30②13:30~14:30③15:30~16:30
人気みやげをチェック♪ショップで海洋堂のオリジナルグッズをおみやげに帰って帰ろう!
木刀をかたどったユニークなバナナカステラや「海洋堂」が模型店時代に使用していた包装紙の柄を、手ぬぐいとして復刻したオリジナルの手ぬぐい、海洋堂の歴代ロゴマークをデザインしたピンズをおみやげにぜひ。
ピンズセットには、ウルトラ怪獣やメカのデザインで有名な成田亨氏が海洋堂のためにデザインした貴重なロゴマークも入っています。
また、551の豚まんやたこ焼き、じゃりん子チエなど大阪名物をかたどったミニチュアフィギュアのガチャガチャにトライするのも楽しいですよ。
まとめ
世界的にも名高いフィギュア制作メーカー「海洋堂」による施設「海洋堂ホビーランド」についての記事はいかがでしたか。
フィギュアファン、海洋堂ファンなら間違いなく感動する展示が満載の施設ですが、小さな模型店がここまで大きくなった、というサクセスストーリーはじつに興味深く、フィギュアファンでなくても十分に楽しめる施設だと思います。
迫力満点の恐竜が展示されている「友情の森」は、子どもも喜ぶエリア。土・日曜、祝日に訪れて「フィギュア塗装体験」で作る楽しさを満喫するのもおすすめです。
駅近でじっくり滞在できるので、雨の日にもおすすめです。ぜひおでかけしてみてくださいね。
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】白桃澄江
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うつわや刺繍など手仕事を見に行く旅が好きです。北アルプス登山や宮古島の八重干瀬にシュノーケリングに行くのも毎年のルーティーン。