更新日: 2023年2月20日
【千葉】古民家に泊まれる!「佐原商家町ホテル NIPPONIA」で小江戸情緒旅
新型コロナウイルス広がり、はや二度目の夏がやってきました。ワクチン接種は浸透しつつあるもののなかなか旅に出られず、旅行好きの方はもどかしい思いをされていることでしょう。
そんな方にオススメしたいのが、ホテル内で旅情緒を満喫できる「佐原商家町ホテル NIPPONIA」です。
千葉県の佐原は、江戸情緒溢れる水の町。古くから使われていた商家や蔵をリノベーションし、町に点在する形で運営されている宿泊施設です。歴史ある建物を活かした客室やレストランは美しく、室内でも十分に土地の文化を学び、楽しむことができます。
30分に1度水が流れ落ちる、通称「じゃあじゃあ橋」も見どころです。
今回は魅力たっぷりの佐原商家町ホテル NIPPONIAをご紹介します!
目次
古き良き町の面影を伝えてくれる「佐原商家町ホテル NIPPONIA」
「NIPPONIA(ニッポニア)」とは、全国各地の古民家をリノベーションした複合型宿泊施設です。北は北海道から南は九州まで、幅広く展開されているホテルですが、関東甲信越圏では2021年7月現在で千葉と山梨だけ。
NIPPONIAのリノベーションは、家屋をただ機能的にするだけでなく、建物の風合いや文化的な特徴を生かして客室が作られています。佐原商家町ホテル NIPPONIAでは、町に点在する商家の家屋や蔵を客室やフロント、そしてレストランとして利用し、それらを統合して「佐原商家町ホテル NIPPONIA」と呼んでいます。
このNIPPONIAの立つ佐原という町は千葉県の北東部に位置する地域で、東北と江戸をつなぐ水郷として発展してきた場所です。「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸優(まさ)り」と謳われ、「江戸よりも優れている町」として盛り上がりを見せていました。今でもその美しい街並みは健在で、ドラマやCMの撮影地としても頻繁に登場しています。日本地図の父、伊能忠敬を輩出した土地でもあり、経済のみならず、文化の面でも進んでいました。
川沿いに店や施設が集まっているので、徒歩で観光しやすいのも魅力の一つ。古民家を利用したおしゃれなカフェでくつろいだり、「小江戸さわら舟巡り」で舟から町の景観を楽しんだり、食べ歩きをしたりなど、楽しみ方はさまざまです。小江戸の風情を満喫した後は、貴重な展示品が見られる伊能忠敬記念館に立ち寄るのもよいでしょう。
現在は「知る人ぞ知る穴場の旅先」というイメージがありますが、近年人気が高まってきている注目のスポットです。
ホテルへのアクセスは東京から電車で向かう場合、JR総武線千葉行きに乗り、快速・各駅停車を乗り継いで佐倉駅まで約1時間。その後JR成田線に乗り換えて、約40分で佐原駅に到着です。
JR佐原駅から佐原商家町ホテル NIPPONIAまでは、徒歩約12分。タクシー利用だと約4分と、駅からのアクセスは良好です。徒歩ルートは商店街を通り抜けていくので迷わずに行けますし、町の様子を見ながら進んでいくので、歩いて向かうのもよいですね。
車で向かう場合は、佐原香取ICで降りて約20分。駐車場は無料で利用できます。
・住所:〒287-0003千葉県香取市佐原イ1708-2
・電話:0120-210-289(VMG総合窓口)
・交通:JR佐原駅南口より徒歩12分
・営業期間:通年
・営業時間:チェックイン15:00 アウト12:00
・休業日:無休
・料金:2食付77,430円〜、素泊まり53,240円〜
・カード:利用可能
・駐車場:10台
>>公式HPはこちら
街中に点在する「佐原商家町ホテル NIPPONIA」
街には4箇所の宿泊棟があり、それぞれ「YATA(やた)」「AOI(あおい)」「SEIGAKU(せいがく)」「GOKO(ごこ)」と名前がついています。
佐原は「あやめパーク」という菖蒲園があることでも有名で、棟の名前はすべて菖蒲の品種から名づけられており、GOKO棟は「五湖の遊(ごこのあそび)」、YATA棟は「八咫(やた)の鏡」、SEIGAKUは「青岳城(せいがくじょう)」から来ています。
それぞれ成り立ちが異なるので、部屋ごとに趣きが違うのも魅力の一つです。予約時にどの部屋に決まったかをチェックすることができますよ。
元製綿業を営んでいた商家の母屋や土蔵、倉庫を客室にした「YATA」はフロント棟から徒歩約2分。地元で愛された料亭「柳半別邸」をリノベーションした「AOI」はフロント棟から徒歩約8分。日用雑貨やお香の卸を営む商家は「GOKO」と名付けられ、忠敬橋からほど近い町の中央に位置し、フロント棟からは徒歩4分の場所にあります。
唯一、ペットと泊まれる客室が「SEIGAKU」。元は佐原の名家・清宮利兵衛邸のお屋敷で、フロント棟近くにあります。
カフェとして利用されている「GEISHO棟(げいしょとう・旧中村屋商店)」は、県の指定文化財となっており、町のランドマーク的な建物です。当時の建築物がそのまま活かされており、まるでタイムスリップしたかのような気分になれますよ。
フロントがある建物「KAGURA(かぐら)」でまずチェックインを済ませ、宿泊棟に向かいます。
コロナ禍の対策としては、チェックイン時の検温や各所出入り口での消毒が行われています。宿泊棟が町の中に分散しているため、一般的なホテルに比べて宿泊者同士の接触や密が抑えられるのはうれしいですね。実際、レストラン以外で他の宿泊者とすれ違うことはなく、安心して過ごすことができました。
チェックインをしたら町を歩いて宿泊棟へ
チェックインではフロントスタッフの方が丁寧に案内をしてくれます。パッケージが素敵な基礎化粧品のアメニティセットを受け取り、部屋に向かいましょう。
部屋に向かうと言っても、フロントからエレベーターで部屋に向かう普通のホテルではなく、町を歩いて部屋に行く、というのがユニークなポイントです!
棟への入り口は、一見小さな勝手口でまるで隠れ家のよう。狭い通路を抜けると、右手に部屋がありました。
今回泊まるのはフロントから徒歩4分程度のところにある「GOKO棟」の403号室です。
古民家をリノベーションした客室はまるで秘密基地のよう!
土間で靴を脱ぎ、部屋に入ると右手にリビングが広がります。「隠れ家」や「アジト」といった言葉が似合う空間で、統一されたセンスの良いインテリアに心が躍りました。
もともとこちらは中村屋商店の分家筋にあたる商家の蔵だったそう。部屋の中には土壁や鉄の扉が見られ、普通のホテルにはない雰囲気が味わえますよ!
今回滞在した部屋には檜でできた浴槽が設えてあります。この檜浴槽は佐原の職人さんによって手がけられており、立ち上る木の香りや浴槽の滑らかな手触りからここに泊まる価値をしみじみと感じました。
浴室から見えるリビングが楽しい
大きな窓からはリビングが見えるというユニークな造り!開放的な気分でリラックスタイムを満喫しましょう。
シャンプー等のアメニティは、愛媛県大州の繭を使った国産天然シルクが使われたもの。フロントで受け取った基礎化粧品をはじめ、どのアメニティも和の良さが生かされており、上質なものに触れながら、ゆっくり身繕いができる贅沢な時間を味わえます。
ゆったりとした時間が流れる静かな寝室
こちらの客室はメゾネットタイプになっており、寝室は階段を上がった2階にあります。2台のベッド以外には、小さなテーブルとソファがあるのみ。テレビも時計もあえて置かれておらず、日常を忘れてゆっくりくつろげるように工夫されています。
この日はまだ寒さの残る春先でしたが、布団と暖房器具のおかげで暖かく、ぐっすり眠ることができました。
発酵フレンチが絶品!「佐原商家町ホテル NIPPONIA」の魅力が詰まった食体験
千葉県は豊かな海と土地を合わせ持った食材の宝庫であり、とりわけ佐原は酒・醤油・味噌・麹などの発酵文化が強く根付いた土地。佐原商家町ホテル NIPPONIAのレストラン「LU EN(ルアン)」では、その土地でとれた季節の食材をふんだんに使ったフレンチが提供されています。
こちらのレストランは木造建築で、もともと酒蔵として利用されていた場所を活用しています。
ランチ・ディナーともにコース料理が基本。ゆっくりおしゃべりをしながら、丁寧に作られた料理を楽しみます。子ども連れの場合はコースかワンプレートか、状況に合わせて選択が可能です。
メニューには「味醂(みりん)トニック」なるユニークなオリジナルドリンクが。最上の白みりんを使ったものだそうで、ネーミングからは味の予想が全くつきません!甘くて重たい感じなのかなと思いきや、懐かしい甘みと炭酸のスッキリした味わいのバランスがよく、繊細な味わい。ここでしか味わえないドリンクですので、ぜひ試してみてください!
五感で楽しむディナーコース
まずは前菜の「カツオ」から。カツオは3〜5月が旬で、肉厚なカツオのたたきを、粒マスタードと一緒にいただきます。
2品目の前菜は、国産のズワイガニのマリネと根セロリのムース。パイ生地と一緒にいただきます。芽吹いたばかりの花のようなデコレーションは、春到来の喜びを感じさせてくれます。
こちらはオマール海老が使われた魚料理。柔らかく煮込まれた白菜が、クリーミーなソースと一緒に白身魚を包みこんでいます。
佐原は江戸時代から酒造りが受け継がれてきた土地なのですが、この料理には地元酒造の大吟醸が使われています。ふんわりと日本酒の香りが漂い、優しいお味。鮮魚とオマール海老も肉厚で、満足感のある一皿です。
肉料理は、しっとりした赤身肉美味しい「かずさ牛」。千葉県のブランド牛で、あっさりとした脂が特徴です。コクのあるもろみ味噌が牛肉をまとめあげ、ヘルシーかつ旨味の強い味わいです。真っ赤な器も、主役に相応しい存在感がありますね!
前菜からデザートまで、千葉の旬を余すことなく堪能。和の風味を大切に、優しくヘルシーな料理の数々は世代を問わず楽しめます。素朴な調理法もよいですが、五感で感動できるフレンチが旅を演出してくれることでしょう。
レストランは宿泊者以外でも利用可能ですから、記念日などに大切な人と訪れてみるのもよいですね。
またメニューは季節ごとに異なるので訪れるたびに新たな発見がありそうです。
寝起きに染みる野菜たっぷりの和朝食
ディナーも素晴らしいのですが、朝食もまた贅沢です。朝食をいただいた場所はKAGURA
棟。朝ごはん前後にお散歩できるのも、佐原商家町ホテル NIPPONIAのユニークポイントです。
まずは冷たい甘酒のドリンクで、スッキリと目覚めましょう。
二段のお重に入った豪華な朝食は、野菜をたっぷり使ったヘルシーな料理ばかり。鰆の西京焼きと粕汁、地元の食材がふんだんに使われた小鉢など、贅沢な和定食で一日が始まります。
ビュッフェ形式ではなく御膳で一人分がそれぞれ提供されるので、コロナ禍の心配も軽減され、より安心して朝食を楽しめますね!
身も心も癒す古民家リノベーションホテル「佐原商家町ホテル NIPPONIA」
江戸の情緒感じる歴史的な建物を活用することにより、一般的なホテルとは一線を画した佐原商家町ホテル NIPPONIA。ホテルの部屋にいながらにして、土地の歴史や文化を感じられるのはここでしかできない体験です。
非日常の旅が恋しくなった方は、ぜひ佐原商家町ホテル NIPPONIAをお試しください!
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