更新日: 2024年7月27日
【関東】憧れの高級旅館~温泉宿ガイドブックのプロがおすすめする、一度は泊まりたい至高の宿
コロナ禍の長期化もあり、旅の「行き控え」で楽しみがない...という人は多いのではないでしょうか。
そんな近ごろのトレンドは、従来なら支出していたはずの旅行コストを憧れだった高級旅館やホテルにドン!と費やす「一点豪華主義」。贅を尽くした料理と温もりに満ちた温泉、ハイエンド宿ならではの極上空間は、スペシャルなひとときを叶えてくれます。
ここでは、ホテルと旅館の良さを融合させたハイブリッド・ラグジュアリー「箱根・強羅 佳ら久」(神奈川県)、日光田母沢御用邸に隣接し、皇室文化をイメージに取り入れた「ふふ 日光」(栃木県)、諏訪湖の眺めと信州料理に憩う「寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖」(長野県) をクローズアップ。
ホテル・旅館の取材歴20余年、まっぷるマガジン『温泉やど』シリーズで2500件以上の宿に関わってきた編集者が、「プロの目利き」でおすすめするイチ押しの高級宿をご案内します!
目次
執筆者のプロフィール
過去20年に渡って国内・海外の旅館やホテル、旅行全般のメディアを制作しているプロダクション「編集屋チョーク」です。
創刊28年の『温泉やど』シリーズをはじめとする「まっぷるマガジン」を通して、関わってきた宿は2500件以上。宿の良し悪し・見極めには“そこそこ”自信あります。
趣味は「品のある」宿の考察、支配人との一献、あとは庭いじりと猫いじり。
取材・撮影には特急で馳せ参じ、宿選びの参考にしていただける現場のライブ感と実直なレポートをお届けします!
予約時におさえておきたいポイントは?
満ち足りた至福の滞在を体験したいときにダンゼンおすすめの高級宿ですが、もちろん個々の期待や優先事項はさまざま。
せっかくお金を出すなら失敗したくない!という人のために、これから紹介する宿は、下記のカテゴリーに着目しています。予約時のポイントをおさえながら、自分のニーズに合わせた宿選びを!
- 客室…当然ですが、客室クラスが上がれば料金も上がります。さっくり素泊まりで一泊、料理のグレードを上げて部屋はモデレートで、おこもりできる連泊可能な客室がいい、1部屋の定員や眺望が優先など、まずは自分のプライオリティに順番をつけて、ベストマッチな客室選びを。今回は参考となる客室の広さも紹介しています。
- 部屋付き温泉…高級宿は客室に源泉かけ流しの露天風呂や内湯を備えていることが多々。ただ、なかには客室風呂は白湯、温泉は大浴場のみという場合もあります。温泉を重視したいなら、ぜひともチェックしておきたい項目です。
- 食事…部屋食、専用個室、食事処と大きく3つのパターンに分かれます。高級宿の場合、広間にずらーっと膳が並ぶことはまずありません。おこもり滞在がねらいなら部屋食に徹している宿がおすすめですが、ダイニング食の場合でも100%に近い宿がかなり慎重に密を避ける安全対策を実施しています。
- パブリックスペース…観光ではなく「宿そのもの」が旅の目的、というときは館内・敷地内に何があるのか、何ができるのか、は気になるところ。これはHPで紹介している宿が多いので、事前に確認しやすいポイントです。
なお、本記事の表示料金は、2名で宿泊した場合の1名料金の目安となっています。
箱根・強羅 佳ら久(神奈川県・箱根町)
クラス感にときめくファシリティと
箱根の自然美にまどろむ宿
2020年秋にオープン、箱根の峰々の先に遥か相模湾をも見渡す丘に居を構えるラグジュアリー旅館です。
全70室のバルコニーすべてに強羅温泉を引く露天風呂が付き、さらに共用の展望風呂や貸切風呂をも配して温泉旅館のぬくもりに満ちていながら、ホテルの機能性やプライバシーの高さを併せもち、個々のペースに応じたスマートな旅がしたいという向きに格好のセレクションとなりえる宿です。
インクルーシブサービスの宿泊者専用ラウンジをはじめ、プリフィックスでディナーを提供するメインダイニング、グリルレストラン、厳選アイテムが美術館のように並ぶショップ&ギャラリー、五行説由来のデイスパなどハイエンドな宿にふさわしいファシリティも魅力たっぷりです。
壮大な景観を誇る展望露天風呂
大きな魅力は、館内2か所にある展望風呂と3つの貸切風呂。
とくに箱根屈指の眺望を掌にできる展望風呂は、どこまでも伸びゆく大自然の景観が解放的と大好評です。水面に空が映り込み、空中温泉のような臨場感を味わえる「蒼海」、大文字山こと明星ヶ岳の造形美が目の前に広がる「明星」があり、この2浴場は朝夕で男女交替(15:00~24:00、5:00~10:00)。豊富な湯量を誇る強羅温泉らしく、惜しみなく満たされた湯が体をすっぽり包みこんでくれるのも快適です。
貸切風呂は、箱根近辺の奇岩で造成された野趣ある「岩の湯」、竹林を配した高貴な「檜の湯」、ナノレベルのマイクロバブルがリラクセーション効果を促す「シルクの湯」。いずれも60分5000円、15:00~23:00の間で予約制となっています。(シルクの湯のみ真湯)
エグゼクティブ感にあふれるゲスト専用ラウンジ
くつろぎ空間として、まず第一におすすめなのが宿泊者専用のラウンジ。滞在中はいつでも何度でも、気軽に利用することができます。
フリーフロータイムの14:00~19:00は上質なスパークリングワインや生ビールなど各種アルコール、ソフトドリンク、カクテルフード、スイーツなどを無料のインクルーシブサービスで提供。夜19:30~24:00は大人の宵を優雅に楽しむバータイム(有料)となり、翌朝7:00から11:00もまた無料で香り高いコーヒーや茶菓子が並びます。
航空会社のエリートクラスラウンジを思わせる洗練されたスタイルで、選りすぐりの家具もここちいいクオリティの高さ。各々のティーテーブルや照明にプラグが付いているので、ちょっとしたワーキングスペースにも使えますよ。
(※コロナ対策として県の要請により2021年8月31日まで酒類の提供を停止中、20時までの営業)
大自然を目の当たりにする露天風呂付き客室
客室は、絵画のような谷筋を眼下に見下ろす東棟、まぶしいほどの緑が身近に迫る西棟があり、それぞれに56㎡以上の広さ(バルコニー含む)を確保した和タイプと洋タイプを用意しています。
いずれもリビングとベッドスペースがつながったワンルームでバルコニー付き、室内のどこにいても箱根の自然美が目に飛び込んできます。各々シャワーブースと露天風呂があり、もちろん湯は県下随一の人気を誇る強羅温泉。湯ざわりがよいだけでなく、浴後の保温効果や爽快感がここちいい塩類泉を好きなだけ堪能することができます。
またサータ社と共同開発したオリジナルマットレスやアロマにこだわったオリジナルのスキンケア製品、ナノスチームの美顔器など採用しているアメニティーも上質。備品のタブレットから大浴場の混雑状況を確認することができるのもうれしい配慮ですね。
客室タイプは以下のようになっています。
<客室棟東>
デラックスルーム…和タイプ・洋タイプ(いずれも約57㎡)4名定員
佳ら久ルーム…和タイプ・洋タイプ(いずれも約57㎡)2名定員
<客室棟西>
デラックスルーム…和タイプ4名定員・洋タイプ3名定員(いずれも約56㎡)
ユニバーサルルーム…洋タイプ(約56㎡)2名定員
食事は現代日本料理とグリル料理の2タイプ
2食付きで宿泊の場合、夕食は自慢の2コースから選ぶプランが通年、設定されています。
ひとつはメインダイニング「六つ喜(むつき)」で味わう日本料理。洋の食文化を取り入れた“新しい日本料理”を提案する料理長が、厳選した食材を巧みに昇華させ、あっと驚くプレゼンテーションも交えて腕を揮います。とはいえ、基本はあくまで会席料理。古来の伝統や歴を尊重し、見た目だけではない極上の味わいが幅広い年齢層のゲストに好評です。メインはプリフィックススタイルで、魚料理3種と肉料理3種から好みの2品を選ぶことができるのも、うれしい趣向ですね。
もう一方はグリルスタイルの「十邑(とむら)」。近海から揚がる鮮度抜群の魚介や厳選した牛肉が目の前で炎を上げて調理され、斬新かつ美しい盛り付けのフルコースが供されます。こちらは最上階にあり、大きなピクチャーウインドウの外に広がる圧巻の自然景観が見事。大人な雰囲気のウエイティングバーも配され、欧米ホテルのように食事前のカクテルタイムを過ごすこともできます。
朝食は「六つ喜」が和食、「十邑」では洋食。夕食にグリル料理、朝ごはんは和食というフレキシブルな選択ももちろんOKで、またいずれのダイニングも半個室風スペースや完全個室が用意されていますよ。
2つのテラスやスパでラグジュアリーな時間を
広い敷地内にはシグネチャー的な空間といえる2つのテラス庭園が配され、のんびり散策を楽しんだり、空を仰ぎ見ながら大人の無為を堪能したりと、自由自在に安らぎのひとときに憩うことができます。
ブラックタイルを敷き詰めた水盤が高貴な趣を醸す「水のテラス」は、夕暮れからライトアップがはじまり、水鏡に光の演出が揺れるさまはフォトジェニック度大。水盤の中にあるベンチで水に囲まれながら、瑞々しい時間を過ごしてみるのもおすすめです。また竹林が風雅な「森のテラス」は箱根の山々が目の前に広がり、大自然の息吹が圧倒的。テラスの下段にあるカウンターシートはラウンジから直接アクセスでき、飲み物やフィンガーフードを外へ持ち出すのもOKです。
温泉との相乗効果でさらにリラックスを促したいときは「インナーバイオリズムを整える」ことに着目したデイスパ「Gora Spa AIOI」へ。
「木・火・土・金・水」の元素からなる五行説と選りすぐりのアロマを取り入れ、個々のエレメントに合わせたボディートリートメントやフェイシャルケアを提供。男性向けのメニューや、カップルで同時に施術が受けられるペアルームも用意されています。(シグネチャーコース90分3万3000円~、ボディートリートメント60分1万8500円~、フェイシャル60分1万9000円~、ペアパッケージ60分2名3万7000円~など、いずれも要予約)
編集者からのおすすめポイント
「箱根・強羅 佳ら久」のチェックポイントはこちら!
・全ファシリティに格調があり高級感をしっかり味わえる
・選べる食のタイプと調理クオリティーの高さ
・旅館とホテルのメリットを統合したバランスのいい接客サービス
こういったあたりに着目しながら、ぜひ「箱根・強羅 佳ら久」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
客室付き露天風呂と大浴場は、同じ強羅温泉でも異なる源泉を使用。たっぷり湯三昧を堪能することができますよ。
お宿のデータ
箱根・強羅 佳ら久
はこねごうらからく
所在地/神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-8
アクセス/箱根登山鉄道強羅駅から徒歩3分(JR小田原駅から送迎あり)
電話番号/0460-83-8860
料金料金/1泊2食付(税・サ込)5万600円~
駐車場/54台
子ども/宿泊可(大人の50・70%)
>>「箱根・強羅 佳ら久」をネットで宿泊予約
ふふ 日光(栃木県・日光)
日本の良き伝統を現代へ
高貴なクラシックモダンの粋
日光東照宮までのんびり歩いて15分ほど、日光田母沢御用邸記念公園へは5分とかからず、100年の歴史が紡いだ御用邸の庭園に隣接していることもあり、深閑とした森の静謐さや日本の様式美を深く意識した格調高い造作が際立つラグジュアリーホテルです。
周知のとおり日光は、明治維新以降、来日したヨーロッパの王侯貴族や文化人、世界各国の御雇外国人らが静養先として好んだ地で、往時に整備されたホテルや別荘は明治から大正の流行モダニズムを反映した洋風建築。
現在も色濃いその名残を品よく取り入れ、レトロに偏り過ぎない和洋折衷のインテリアで日光らしさを表現しているのも、地域に寄り添っている姿勢が見えて好感がもてます。
全客室と大浴場にこだわりの自家源泉を引湯
すべての客室に配した温泉風呂や大浴場に引く「田母沢温泉 ふふ 日光の湯」も大きな魅力。
開業にあたってゼロから掘削したという、こだわりの自家源泉で、pH8.6のアルカリ泉は肌をすべるなめらかな湯ざわりが快適と評判は上々です。
客室の温泉は滞在中いつでも自由に、大浴場は15:00~24:00、6:00~11:00。ドレッシングルームには、ビールやアイスキャンデーなど無料の湯上がりサービスも用意されていますよ。
すべて異なるデザインをほどこした全24室
田母沢御用邸付属邸の跡地という皇室ゆかりの地であることを踏まえ、伝統美に焦点を当てたしつらいの宿ですが、なかでも“クラシカルな日本の気品”をもっとも感じられるのがゲストルーム。
文明開化を思わせる和洋エレガンスの造作や重厚かつ繊細な家具・調度で、コンセプトの「高貴な香り 優雅なるとき 開かれた聖地」が体現されています。
古来の伝統建築と西洋建築の特徴を兼ね合わせた文明開化の和洋混在は、もはや日本文化のひとつ。隣接する田母沢御用邸を見ても、江戸・明治・大正三時代の日本建築に英国文化がプラスされ、早くから和洋折衷様式を取り入れていたことが分かります。
ふふ 日光では、格天井や下がり壁、寄せ木細工の床に装飾性のある天井といった、時代ごとに成立した和と洋の様式をさらに洗練されたデザインで昇華させ、迎賓館のような空間に仕上げているのが印象的です。
客室タイプは6つ、基調カラーやファブリックも含め24室すべてのしつらいが異なります。
共通するのは、自家源泉を引いた切石造りの内風呂(ふふラグジュアリープレミアムスイートのみ露天風呂もあり)と、一葉の絵のように眺める日光の自然林。大きなピクチャーウインドウが全室に確保され、身近に迫る森の景観は潤い感たっぷりです。
ベッドスタイルはツイン基本ですが、希望によって2台を密着させるハリウッドツインにしてもらうことも可能。冷蔵庫内のビールや手作りアイスティーなどは、他のふふ同様インクルーシブです。
客室タイプは以下のようになっています。
・スタイリッシュスイートツインorキングダブル…5室(約57㎡)2名定員
・コンフォートスイートツインorキングダブル…5室(約57㎡) 2名定員
・プレシャススイートツイン…3室(約66㎡) 2名定員
・プレミアムスイートツイン…6室(約71㎡) 2名定員
・ふふラグジュアリーコーナースイート…3室(約76㎡) 3名定員
・ふふラグジュアリープレミアムスイート…2室(305約137㎡、306約143㎡) 4名定員
季節と気品を大切にした和洋折衷の味わい
気になる夕食は、懐石料理と鉄板焼きのプランがあり、いずれも宮中晩餐会をイメージした高貴かつ雅な仕立て。地元栃木の食材はもとより、その時期の美味を国内外から取り寄せ、熟練のシェフたちが腕を揮っています。
「日本三大珍味」の雲丹、唐すみ、このわた、「世界三大珍味」のキャビア、フォアグラ、トリュフを常に盛り込んでいるのも大きな特徴。
季節に敏感な日本の感性から生まれた節目「二十四節気」と「七十二候」を意識し、その繊細さや気品を献立に反映、皇室でも使われている香蘭社の美しい器がいっそう引き立ち、食指を誘ってくれます。(いずれのプランも献立は月替わり、写真の料理は一例です)
客室アメニティーの人気No.1はオリジナル紅茶
アメニティーは、ふふの名物ともいえるオリジナルブランド「余香」。全国のふふに置かれていますが、日光では春の花とベルガモットの香り。同じくアロマオイルのSPRING GOLDも「春」をテーマにしています。
また大好評なのが、オリジナルのFUFU BLEND紅茶。檸檬紅茶、洋梨紅茶、ロゼワイン紅茶などがあり、これがおいしいと評判です。ハンドブレンドにこだわる宇都宮のY’s teaとふふが共同開発したもので、客室用のティーバッグ、ラウンジ用の紅茶とハーブティー、スーベニア用の紅茶・ハーブティー缶各種、紅茶の入浴剤などで取り入れられています。
ラウンジのおすすめは無償のカクテルタイム
パブリックの要は、メイン棟にある「ふふラウンジ」。滞在中いつでも好きなとき、好きなように過ごすことができるエクスクルーシブな空間です。
前述したハンドブレンドのオリジナル紅茶やノンカフェインのハーブティーとともに味わうアフタヌーンティーセットが好評なほか、夜はブランデーやウィスキー、焼酎、ワインをはじめ、グラッパやマールまでアルコールの取りそろえが豊富です。
また夕方16:00~19:30に限り、シャンパンやビール、自家製サングリアなどのアルコールとソフトドリンク各種をインクルーシブサービスで提供。ディナー前の時間をバーで過ごす欧米スタイルのカクテルタイムで、粋なクラブラウンジの優雅さを楽しむことができますよ。
高級感あふれるオリジナルのスーベニア
メイン棟のショップには、ここでしか購入できないオーガニックスキンケアシリーズ「余香」やハンドブレンド紅茶をはじめ、浅草「文扇堂」の扇子、品格あふれるティーカップなど、すべてオリジナルの商品が並んでいます。
客室にはハイセンスな小物が備品として置かれているので、「これどこで買えるの?」と思わず心をくすぐられたときは、このスーベニアブティックをのぞいてみるといいですよ。
客室常備のタブレットからオーダーして購入することもでき、玄関脇にあるユーティリティボックスへ届けてくれます。このユーティリティボックス、タオル交換やルームサービスの受け渡しも可能で、プライバシーに配慮があり、なおかつ便利と好評です。
編集者からのおすすめポイント
「ふふ 日光」のチェックポイントはこちら!
・調度品や建具までディテールへのこだわりを徹底
・御用邸の庭園から続く森の緑が潤沢
・ラウンジのカクテルタイムはアルコールも無償
こういったあたりに着目しながら、ぜひ「ふふ 日光」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
ハイエンドながら、外資系高級ホテルにありがちな緊張感を与えない接遇サービスは日本の宿ならでは。自家源泉の温泉も評判です!
お宿のデータ
ふふ 日光
ふふにっこう
所在地/栃木県日光市本町1573-8
アクセス/JR・東武日光駅から東武バス湯元温泉・奥細尾行きで10分、蓮華石下車、徒歩1分
電話番号/0570-0117-22(総合予約センター)
料金料金/1泊2食付(税・サ込)3万8500円~14万円前後
駐車場/24台
子ども/宿泊可(施設使用料として1650円一律、食事代は別途)
>>「ふふ 日光」をネットで宿泊予約
寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖(長野県・諏訪市)
信州の恵みと諏訪湖の絶景
五感に響く癒やしの湯宿
日本最古の神社のひとつといわれ、創建年代も不詳というほどに神秘的な諏訪大社のお膝元、名称のとおり「真にくつろげる空間ともてなし」を体現化した湖畔の湯宿です。
諏訪湖周辺の2大湯処である上諏訪温泉・下諏訪温泉には多くの宿が建ちますが、ホスピタリティへの評価の高さは群を抜き、些細なところにまで行き届くつつましい心配りや、スタッフの知識がプロフェッショナルと評判。
信州諏訪の調理法に重きをおいた料理は板前のていねいな手仕事が伝わり、また湖に面した全8室の半露天風呂付き客室ではいつでも好きなときに上諏訪温泉を源泉かけ流しで満喫することができます。
気候を考慮した半露天風呂付きの客室
客室は2タイプ全8室とスモールラグジュアリーを目指した規模。2名定員のモデレートと3名定員のアッパークラスがあり、いずれにも諏訪湖が目の前に広がる露天風呂を備えています。
この露天風呂スペース、寒冷地であることに加え、ときおり強く舞う諏訪湖からの風が安らぎの妨げにならないようにと大きな開閉窓を配し、冬は暖房を入れることができるよう工夫された造作。季節や天候をまったく憂うことなく、滞在中いつでも上諏訪温泉を楽しむことができます。
さらに、空気浄化作用を半永久的に発揮する特殊な漆喰壁、素足で歩くとそのここちよさが実感できる浮造りを掛けた杉板の床など、建材や仕様にこだわることで快適かつ安心な空間であることを第一のプライオリティーに。ソファや椅子は、信州エリアが誇る老舗インテリアブランド・柏木工のコレクションを採用、上質で頑丈な飛騨家具は体に添って使いやすいと好評です。
客室タイプは以下のようになっています。
・スタンダードタイプ「千島桔梗」「駒草」「唐松草」「桜草」…和室10畳+ツインベッドスペース+半露天風呂(約45㎡)2名定員
・ワイドタイプ「風露」「薄雪草」「岩梅」「杜若」…和室10畳+ツインベッドルーム+内湯+半露天風呂(約75㎡)3名定員
諏訪湖の眺めを掌にする絶景露天風呂
最上階にある名物の展望露天風呂「綿雫」は、湯あみ着を着用して入る混浴スタイル。ファミリーやカップルでいっしょに楽しめるうえ、ダイナミックな眺望が魅力です。
平安末期にはすでにその美しさが謳われていた諏訪湖、春は桜並木、夏の夜は毎日打ち上がる花火、冬は飛来する白鳥を見ることができるほか、固有の自然現象である御神渡り(湖面上に走った氷の亀裂がせり上がるプレッシャー・リッジ現象)が発生する年も。
そんな光景を湯に浸かりながら目の当たりにできるのは、まさに極楽至極。かたわらのデッキには無料ドリンクサービスも用意されていますよ。
「信州諏訪らしい」味わいを基本とする郷の料理
気になる料理は、「萃の膳」「郷香」と名付けられた夕食・朝食ともに、郷土の調理法を生かすという大前提が大切に守られています。
信州は味噌や醤油、地酒など料理の基本となる調味料のふるさと。日本ならでは、信州諏訪ならではのテイストと手法で全国から取り寄せた旬食材を昇華させ、調理人の真摯な姿勢が伝わる品々が膳にのぼります。
火の物には厳選した信州牛を鍬焼きや陶板焼きで、鍋にはった吸地に具材をくぐらせて客前調理される椀物、ひと工夫された信州蕎麦や季節の土鍋ご飯といった素朴な品も、華美な演出に偏っていないところが好ましく、上質の食材と調理人の腕がいっそう際立ちます。
また、海のない長野県、向付には肉厚の信州サーモン(マスの新品種)や大イワナといった“信州のお造り”が安曇野のワサビとともに供され、これがなかなか驚きのおいしさです。
地元蔵の呑み比べが楽しい囲炉裏の地酒Bar
1階にある和モダンな囲炉裏間は、萃の顔ともいえる空間。昼間は茶の間として、20:00~23:00は地酒Barとしてオープンし、常時20種以上の日本酒やローカルワイン、自家製の漬け物やチーズといったおつまみが用意されています。
諏訪湖周辺には9つの酒蔵が点在し、霧ヶ峰高原からの伏流水を仕込み水として使う美味しい酒造りが古くから伝承されています。おすすめは、この9蔵元の代表銘柄(神渡・高天・御湖鶴・舞姫・麗人・横笛・本金・真澄・ダイヤ菊)を少しずつテイスティングできる「呑み比べセット」。もうちょっと手軽に…という向きには5蔵元、3蔵元の呑み比べチョイスもありますよ。
編集者からのおすすめポイント
「寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖」のチェックポイントはこちら!
・接遇サービスの距離感や細やかな気配りが抜群
・客室付き露天風呂は源泉の蛇口をひねるだけで100%かけ流し
・食材の品質の良さとていねいな手仕事がわかる料理
こういったあたりに着目しながら、ぜひ「寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
温泉、料理、もてなしと三拍子そろってコスパ大。華美絢爛を控えた信州らしい空間造りにも品があり、落ち着いた時間にくつろげる宿ですよ。
お宿のデータ
寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖
くつろぎのすわのゆやどすいすわこ
所在地/長野県諏訪市湖岸通り2-5-27
アクセス/JR中央本線上諏訪駅から徒歩15分(上諏訪駅から送迎あり)
電話番号/0266-58-3434
宿泊料金/1泊2食付(税・サ込)3万2670円~6万5000円前後
駐車場/60台(徒歩1分の姉妹館「上諏訪温泉しんゆ」と共用)
子ども/宿泊可(大人の50~80%)
>>「寛ぎの諏訪の湯宿 萃sui-諏訪湖」をネットで宿泊予約
至福のときが待つ、極上温泉やどへ
関東でおすすめ度の高い極上温泉宿3軒を紹介してみました。
全国で何千軒もの温泉宿を長年取材してきたプロの編集者がセレクトした珠玉の宿です。
近場でゆっくりのんびり、絶品の夕餉と良泉にまどろんで心と身体をリセット。
こんな贅沢な時間を過ごしに行きませんか?
関東・甲信越の新着記事
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】編集屋チョーク
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過去20年に渡って国内・海外の旅館やホテル、旅行全般のメディアを制作している編集プロダクションです。まっぷるマガジンを通して、関わってきた宿は2500件以上。宿の良し悪し・見極めには“そこそこ”自信あります。
趣味は「品のある」宿の考察、支配人との一献、あとは庭いじりと猫いじり。二輪・四輪問わず、輪っかの付いているものなら何でも好き。取材・撮影に特急で馳せ参じ、宿選びの参考にしていただける現場のライブ感と実直なレポートをお届けします!