更新日: 2021年7月8日
移住を考えている人、必見!まずは「お試し移住」を体験してみよう! 宿泊無料など、おすすめの「お試し住宅」もご紹介!!
移住に興味はあるけれど、地方暮らしは初めてで何が不安なのかもわからない方、希望の移住先が自分に合っているのかな?と不安な方は、「お試し移住」で、地方暮らしを体験してみましょう。
この記事では、数日~数年間滞在できる「お試し住宅」や移住体験ツアーがどんなものか解説し、特色のあるおすすめの「お試し住宅」も紹介します。
お試し住宅は宿泊代が無料~格安で、地域の施設案内や住民交流などもサポートしてもらえるので、個人で宿泊施設に泊まるよりお得にその地域を知ることができます。ぜひ移住の準備に利用してください。
※新型コロナウイルス感染拡大状況により、お試し住宅やツアーが休止・変更されることがあります。ご利用の際は、各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
目次
「お試し移住」とは
主に「お試し住宅(移住体験住宅)」を指し、実際に地域で短期間暮らすことで移住を検討できるように、一部の市町村が用意している制度です。
地域の主要施設案内、先輩移住者や住民との交流、就労体験などの体験プログラムがセットになっていることもあります。
また、これらの体験プログラムを中心に、日帰りや2~3泊(民泊・農泊の場合もあり)する「移住体験ツアー」も「お試し移住」と呼ぶことがあります。
お試し住宅は市町村外在住者であればUターン希望者も利用できます。帰省や旅行目的での宿泊はできません。
「お試し住宅」は家財やWi-Fiつきで1泊~1年ほど滞在できる
主に戸建て(平屋もしくは2階建て)ですが、キッチンや居間を共有するシェアハウスやマンションもあります。
新築や、古民家をリノベーションしたもの、自然の多い田舎にあるもの、利便性の高い市街地にあるマンションなど、さまざまなタイプがあります。
利用日数は1泊~2週間、数ヶ月~1年など住宅によって異なり、宿泊費は一日1,000~1,500円程度(光熱水費込)で、無料の住宅もあります(無料だと建物が古いといったことはありません)。
冷蔵庫、洗濯機、掃除機、テレビなど家財がそろっていて、身軽に利用できます。Wi-Fiも備えるところが増えていて、インターネット環境にも不自由しません。
寝具(布団)が用意されているところは少ないですが、レンタル(有料)を紹介してくれます。
駐車場、家庭菜園が付属していたり、自転車、レンタカーを無料で貸してくれたりするところもあります。
会社員でも、2泊~1週間くらいであれば、有給休暇などを使って「お試し移住」ができますね。
「お試し住宅」の魅力・メリット
移住後の生活をイメージできる
旅行で何度も訪れて気に入ったような場所でも、住んでみると印象が違うものです。
お試し移住で住民目線で過ごしてみれば、気候・自然環境、生活の利便性、都心への新幹線通勤の実際などを確認できます。
体験プログラムが用意されている
先輩移住者との交流会や町の施設・学校・保育所案内、先輩移住者の住まいや移住者の開業した店の訪問、不動産物件案内、就業起業相談などがセットになっている「お試し住宅」もあります。
セットになっていない場合も、希望すればサポートしてくれます。
見学したい施設や企業、住宅物件などがあれば、申込み時に伝えておくと希望に沿ったプランを用意してもらえます。
就業体験を移住後の仕事につなげられる
「お試し住宅」とセットで、あるいは「体験ツアー」として、アルバイト(有給)をしながら就農(農業法人に就職)体験、就業体験ができるもの、独立就農を目指す方が農家指導の無料研修を受けられるものもあります。
体験した会社や農業法人に、移住後の就職を約束される可能性もあります。
住民の口コミを聞くことができる
住民や先輩移住者との食事会などもあり、周辺地域の特色や、病院や子供の学校の評判などを聞くことができます。
同じ市町村でも、観光地や市街地との距離などによって、周囲の人との関わりの密度が変わるものですが、そういった地域の特色、自分に合った地域などもわかってきます。
移住後の家造りの参考になる
「お試し住宅」は移住希望者に人気のある様式で新築したものもあり、薪ストーブのあるログハウスなど、田舎暮らしスタイルのものもあります。
古民家をリノベーションした「お試し住宅」などは、伝統の中にデザイン的な要素もあり、移住後住みたい家のイメージが湧いてきます。DIYによるリノベ住宅もあり、移住後に自分で空き家リフォームを考えている人には参考になります(地元のDIY達人とも知り合えます)。
地方都市中心市街地でのシニアライフ向け「お試し住宅」もある
50~60代以上を対象にした「お試しマンション」もあります。デパートや飲食店をはじめ、映画館や美術館などの文化施設から、医療機関、市役所がコンパクトに集まっている地域で、都心より家賃が安価な住宅です。
さまざまな地域の移住をお試しできる
いくつかの移住地候補があり迷っているときも、短期で「お試し移住」をすればお得に比較検討できます。同じ住宅は1回のみ利用、または同一年度内に1回のみ利用としている自治体が多いので、滞在期間内にその地域を効率的に見ておきましょう。
検討した結果、お試し移住の際に、担当者が熱心に要望に応えてくれた自治体を選んだ、という人もいます。行政や地域の人の対応に安心できるかどうかも、注目ポイントですね。
移住後のサポートが受けられる
おためし移住を体験してから実際に移住することになった場合、住まい探しや仕事探しなど、自治体からの手厚いサポートが受けられ、相談もしやすくなります。
ペット可の「お試し住宅」もある
お試し移住をしてみたいけれど、ペットがいるので長くは家をあけられない、という方も、住宅によってはペット可のものもあります。「お試し住宅 ペット可」で検索してみてください。
お得に泊まれるだけじゃない! 移住後の夢が広がる「お試し住宅」
移住後に暮らす家の夢が広がりそうな、様々なタイプの「お試し住宅」を紹介します。移住したい県の体験住宅の中でも、新築、古民家を改装したもの、マンションタイプ、エコハウスなど、いくつかタイプを用意していることがありますので、安価に宿泊する目的だけでなく、興味のある建築様式の体験住宅を選んで、その土地の気候や立地に合った家がどんな造りなのかを実際に見ておくとよいでしょう。
薪ストーブ・デッキのある家(北海道)
北海道南部に有る浦河町は「北海道の湘南地方」とも呼ばれ、冬は温暖で、豊かで住みよい自然環境に恵まれています。町内には約200の牧場があり、3,000頭以上のサラブレッドが駆け回っています。
薪ストーブが備えられ、内装もすべて木のぬくもりが感じられる体験住宅です。
写真提供:浦河町
- 対象:浦河町に移住を検討する方
- 利用料金:5〜9月は月95,000円(3,200円/日)、4月・10〜12月は月110,000円(3,700円/日)
光熱水費込み。布団レンタル料、清掃料が別途必要
※1~3月は利用できません - 設備:テレビ、食卓テーブル、ベッド、薪ストーブ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、オーブントースター等、バス、トイレ
- 住所:浦河町東栄572-9
詳しくは>>北海道浦河町「民間体験住宅」
総ひのき壁、木造住宅の新築や二地域居住向けにコンパクトな住宅(長野県)
木曽地域で古くから用いられてきた「板倉工法(耐久性があり、増改築がしやすく、解体再利用が可能)」を取り入れ、木曽の材木をふんだんに使って建てられた温もりのある住宅です。
高断熱、高気密の住宅で、コンパクトながらロフトもあり、外と室内を繋げるウッドデッキも楽しめます。
写真提供:長野県木曽町
- 対象:木曽町への移住・定住を希望する方、木造住宅の建築を検討している方
- 宿泊期間:1泊2日(無料見学可。事前連絡要)
- 利用料金:1泊2日15,000 円(12月1日~3月31日 は17,000 円)
※ペット同伴不可、利用希望日の12日前までに申し込み - 設備:冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、シャンプー・タオル類、ドライヤー、鍋・食器類、寝具4組、バス・トイレ
- 住所:木曽郡木曽町福島6904番地3(木曽町二地域居住モデルハウス)
詳しくは>>長野県木曽町 田舎暮らし体験住宅【板倉工法モデル住宅】
期間中何回でも泊まれ、滞在した物件の賃貸や購入もできる(神奈川県)
「三浦市トライアルステイ」は短期間のお試し居住とイベント等を体験して「三浦市への移住のきっかけづくり」を行うプログラム。気に入れば滞在した物件の賃貸や購入の相談もできる物件を用意しています。2021年から、リピーター利用もできるようになりました。
写真提供:三浦市
写真は古民家の旅宿。第7回(2021年)三浦トライアルステイではほかに3つの住宅が選べる
- 対象:三浦市への移住を検討している方
- 募集期間:2021年3月16日~2022年3月15日
- 利用期間:2021年3月16日~2022年3月31日
※上記期間のうち1泊、1週間など期間を選べ、期間中は何回でも宿泊でき、季節を変えて体験できる - 利用料金:(写真の物件、定員8名)
【日割りコース:1泊2日〜6泊7日】2名以上〜(2名から対応可)1泊1人5,000円
【1週間コース:7泊8日〜】1週間あたり55,000円
【1ヶ月コース:4週間以上〜】月200,000円(1ヶ月以降は、1週間単位で利用可能) - 設備:テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、ガスコンロ、ダイニングセットほか。食器はなし。駐車場は近隣5,000円/月。ペット不可
※WEBアンケートを記入して応募。入居まで最長10営業日 - 住所:三浦市三崎1丁目15-13
詳しくは>>三浦市「トライアルステイ」
貸し農園が利用できる体験住宅(福井県)
美浜町では、農業とのふれあいと生きがい(健康)づくり、また、交流や定住促進を目的とした「貸し農園」を2017年から運営しています。農具の貸付けや栽培全般のサポートがあるので、土いじりをしたことがない方でも、マイペースで野菜作りができます。
写真提供:美浜町
- 対象:美浜町で新規就農者を目指す人、美浜暮らしを目指す人、美浜暮らしを体験したい人、市民農園を利用している人で、宿泊型市民農園を体験したい方
- 利用期間:1か月まで
(農林水産課が指定した新規就農候補者については1年まで) - 利用料金:1泊2日で2名まで5,000円(光熱水費込)。1名追加ごとに1,000円加算
(新規就農候補者は月額10,000円)
農園利用料:年額5,000円 農園1区画あたり30平方メートル - 設備:冷蔵庫、洗濯機、Wi-Fiなど。寝具はレンタルで利用可。テレビなし。
- 住所:福井県三方郡美浜町山上3-33-1
水車近くのエコハウス(山梨県)
富士山の北東にある都留市は年間を通して豊富な水がいつも市内を流れていることから、水車を設置し、小水力発電のまちとして全国のモデルになりました。水車のすぐ近くにエコハウスが建てられ、小水力発電の電気が供給されています。
断熱、太陽エネルギー利用、空気集熱式ソーラーシステムなど、エコハウス造りの参考にもなります。
写真提供:都留市
- 対象:市外居住者で、都留市への移住または二地域居住を検討している方(1組4名程度対応可能)
- 利用期間:平日のみ、1泊2日(移住相談員による市内案内あり)
- 利用料金:無料(3名以上では1名2,000円の布団代)
- 設備:キッチン・バスルーム・トイレ・洗面台・テレビ・エアコン・ベッド・布団一式・調理器具・ドライヤー・シャンプー類・駐車場完備。タオル・歯ブラシはなし
- 住所:山梨県都留市上谷1-2-3
詳しくは>>都留市お試し居住
サテライトオフィス、家庭菜園が利用でき3か月まで宿泊無料(京都府)
福知山市では、公営住宅「鬼の里Uターンプラザ1」の2LDKアパートタイプの部屋が4戸、体験住宅として用意されています。最長1年利用できますが、最初の3か月が無料で、安価にじっくり地域を体験できます。サテライトオフィス、家庭菜園も付帯しています。
写真提供:福知山市
- 対象:福知山市への移住を検討している方
- 利用期間:1日~1年
- 利用料金:3か月以内無料、~6か月2,900円、~9か月8,700円、~12か月以内17,400円(各月額)
別途共益費月1,000円 - 設備:家電付き(設備は部屋によって異なる)、駐車場2台分
サテライトオフィス使用料2,200円/月(税込)(インターネット環境はありません)
家庭菜園使用料100円/月 - 住所:福知山市大江町公庄425番地
詳しくは>>福知山市「福知山移住」
※空き室が出たら公式サイトで公募があります(申込者多数の場合は、審査のうえ入居者を決定)。
移住希望者とも交流できるシェアハウス型体験住宅(広島県)
地域住民との交流はもちろん、移住希望者同士でも交流を体験してほしいという思いからつくられたシェアハウス。築120年以上の古民家を改修し、8畳が6室あった和室を2分して、2組の家族を受け入れています。
写真提供:北広島町
- 対象:北広島町に移住を検討している方
- 利用期間:7日~1か月(応相談)
- 利用料金:7日間7,000円~1か月15,000円 共益費3,000円/月
- 設備:水道(井戸水)、キッチン・風呂、トイレ(洋式・洗浄機能付き)、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、掃除機、食器類、調理器具類、Wi-Fi、寝具(レンタル)。レンタルサイクルあり
- 住所:広島市山県郡北広島町大塚
築100年の古民家を改装(大分県)
棚田百選に選ばれた別府市・内成(うちなり)にある築100年の古民家を改装した「ホリデーハウス御園(みその)」には畑もあり、移住後空き家改修をしたい方、家庭菜園を楽しみたい方の参考になります。別府の市街地から車で約20分の距離に位置していて、別府各所の温泉にもでかけられます。
写真提供:別府市
- 条件:別府市に移住を検討する方
- 利用期間:貸し出しは1週間単位で、最大4週間の1棟貸し
- 利用料金:1週間20,000円、2週間30,000円、3週間40,000円、4週間50,000円
※光熱費、消耗品は別途精算 - 設備:テレビ、Wi-Fi、風呂・トイレ、冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー、調理道具、食器、洗濯機、ドライヤー、炊飯器、ダイニングテーブル、ソファー、寝具、ティッシュ、トイレットペーパーなど。調味料、タオル、シャンプーなどはなし
- 住所:大分県別府市内成
「お試し住宅」が用意されていない市町村でお試し滞在をしたい場合は?
長期滞在すると補助金がもらえることがある
「お試し住宅」以外でも、移住検討のために民間の宿泊施設や賃貸物件に長期滞在(1~5年)する場合、家賃の一部を助成する制度がある自治体もあります。
「お試し移住」の前に、市町村の公式サイトなどで補助金制度を調べておきましょう。
定額全国住み放題サービスを利用する
ADDressは、日本各地に用意された家を移り住んでも月額44,000円(光熱水費込、敷金礼金なし)で利用できます。
家財、Wi-Fi完備で、自治体の「お試し住宅」に用意されていないことが多い寝具もあります。
家族が滞在する場合も追加費用はありません。
宿泊タイプの移住体験ツアーに参加する
次に紹介する体験ツアーは、日帰りの他に2~3泊のものもあります。長期滞在はできませんが、地域の住民の家に泊まるもの(無料)もあり、「お試し住宅」とは違った滞在の楽しさがあります。
数日のお試しなら「移住体験ツアー」
「お試し住宅」は数日から長くて1~2年滞在するものですが、日帰りや1~2泊程度で気軽に現地を体験してみたい方には、移住体験ツアーがおすすめです。
参加費は無料のところがほとんどですが、4,000円程度かかるものもあります。
宿泊費・往復交通費・食費はすべて無料のものから、自己負担のものまで様々です(半額程度補助金が出る場合もあります)。
パッケージ型移住体験ツアー
開催日・体験内容が決められたツアーです。
効率良く主要な施設などを回ることができ、複数の参加者と一緒なので気軽に参加できます。
1~2時間のものから1~2泊のものまであります。
オーダーメイド型移住体験ツアー
希望する場所や日程に合わせて現地を案内してくれたり、先輩移住者との交流の場を設けてくれたりします。1~2泊のものがほとんどです。
ツアーの例
- 1日目:集合 → ツアーの説明・市の概要説明 → 各参加者の希望場所を視察見学(空き家、小学校、農業法人、先輩移住者宅など) → 農村民泊
- 2日目:空き家・スーパー視察、先輩移住者訪問 → 空き家視察 → 移住施策制度の説明&個別相談会 → 参加者、先輩移住者、地域の人との夕食交流会 → 農村民泊
- 3日目:スーパー・病院・ホームセンターなどを視察 → 空き家視察 → 解散
事前アンケートに書いた参加者の希望に合わせてくれるので、見たい場所、移住後に住みたい家のイメージ、知りたいことなどを書いておきましょう。
職業体験ツアー
移住後の仕事につなげられるように、地場産業や農業・漁業・酪農、福祉などを体験できます。
農業体験では、作業を教えていただいた農家に民泊したりもします。
オンライン移住体験ツアー
写真やライブ映像で現地を紹介してくれる自治体もあります。コロナ禍でお出かけを自粛したい方におすすめです。無料で1時間程度、事前に希望を連絡した見学内容に沿って案内してくれます。
働きながらお試し移住
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