更新日: 2021年7月12日
【福岡・八女】日本有数の高級茶「八女茶」の産地で、お茶と里山風景を楽しもう!
福岡県産のお茶といえば八女茶。福岡県八女市を中心に、筑後市、八女郡広川町、うきは町、朝倉市などで生産されているお茶の総称を「八女茶」といいます。
とくに八女市は玉露の三大産地の一つで、玉露の生産量は全国でもトップクラスを誇ります!
八女茶の玉露産地の中心となるのは、八女市星野村一帯。急峻な山と清流、寒暖の差など上質の茶葉が育まれる条件をそろえ、まろやかな風味で香り高い玉露を生み出しています。
カテキンやビタミンCを多く含み、健康や美容にもいいとされる八女茶と、その魅力を伝える「茶の文化館」、さらに産地の星野村の美しさをご紹介します!
八女茶ってどんなお茶?
福岡県八女地域でのお茶の栽培の始まりは、600年ほど前。明国(現在の中国)から帰国した、栄林周瑞禅師(えいりんしゅうずいぜんじ)がお茶の種子を持ち帰りました。そして、霊巌寺(れいがんじ)を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたのが由来とされています。
八女茶には、煎茶、かぶせ茶、蒸し製玉緑茶、玉露があります。とくに星野村周辺は、日本一の玉露の産地として有名なのです!お茶の生産量はそれほど多くはありませんが、そのぶん質の高いお茶を作るために、厳選した茶の芽を大きくしっかり育てる手法がとられているといいます。
八女茶作りの製法は、稲藁を用いて棚掛けで遮光する「藁覆い」による被覆栽培や、昔ながらの手摘みなど、100年以上にわたって受け継がれています。そんな伝統的な製法で栽培された玉露は「八女伝統本玉露」と呼ばれ、お茶では初めて国の地理的表示保護制度(GI)に登録されるほど、最高級品質と評価されています。
2020年度「全国茶品評会」の玉露の部では、なんと1~20位までを八女茶が独占したといいますから、質の高さは折り紙付きですね。
八女茶は一番茶の摘採が4月中旬に始まり、5月上旬が最盛期。二番茶が7月上旬、三番茶が7月下旬から8月上旬に摘採されます。摘採後は、深蒸しでお茶を作ります。急須でいれたお茶は「甘くてこくがあり、うまみが強い」、これが八女茶の特徴です。
八女茶を飲んで、食べて楽しめる!「茶の文化館」
八女茶の里、星野村にある「星のふるさと公園」には、日本茶がテーマの「茶の文化館」あります。
「茶の文化館」には、呈茶ホール、食事処、八女茶工房、展示ホールなどがあり、八女茶について、飲んだり、食べたり、体験したり、まさにお茶尽くしを楽しむことができる施設なのです!
お茶作りが体験できる「八女茶工房」では、製茶したお茶は持ち帰ることもできますよ。
充実の八女茶の施設のなかで、呈茶ホールと食事処 八女茶茶房をご紹介しましょう。
茶の文化館:呈茶ホール
「茶の文化館」の館内中央の呈茶ホールには、しずく茶をはじめ、抹茶、紅茶など、さまざまなお茶のメニューがそろいます。
そのなかでも、とくに注目したいのは、八女伝統本玉露の「しずく茶」が味わえること!
しずく茶とは、八女茶の八女伝統本玉露を最大限においしく味わうための飲み方。
玉露は3⁻4煎目までが一般的ですが、八女茶の八女伝統本玉露のしずく茶には、なんと5煎目までの作法があります。
湯を注ぐごとにお茶の味が変わっていき、最後はやわらかくなった茶葉をいただきます。
まさに、玉露をまるごと味わい、楽しむことができる飲み方ですね!
もちろん、気軽に味わえるグリーンティーや抹茶もありますよ。
八女伝統本玉露しずく茶の飲み方をプレ学習
それでは、八女伝統本玉露しずく茶の味わい方をシミュレーションしてみましょう。
時間をかけてゆっくり味わうことで、心も落ち着いてリラックス効果も上がりますよ。
①1煎目
茶葉に45℃のお湯を注いで蓋をします。2分ほどたったら茶碗の蓋をずらし傾けて、隙間からこぼれ落ちてくる玉露を味わいます。
②2煎目
50℃ほどの湯を半分ほど注ぎ、30秒ほど待って飲みます。
③3煎目
残りのお湯を注ぎ、30秒ほど待って飲みます。
④4煎目
80℃ほどの熱いお湯が提供されるので、たっぷり注いで15秒ほど待って飲みます。
⑤5煎目
テーブルに置かれている酢醤油を好みでかけて、茶葉を食べます。
八女茶を使ったメニューいろいろ:お食事処 八女茶寮
緑茶、紅茶、ウーロン茶の原料は、すべて同じお茶の木の葉っぱなのは、ご存じですか?
発酵(酸化)させるかどうかがお茶の違いになりますが、ビタミンCを含んでいるのは緑茶だけなのです!
館内の「お食事処 八女茶寮」では、そんな栄養満点の緑茶の八女茶を使用したいろいろなメニューが味わえます。
たとえば、ざる茶そば、玉露カレー、星野抹茶アイス…といった具合に、お茶をふんだんに使ったメニューが並びます。
そのなかでもとくに人気なのが、星野抹茶アイス!抹茶の味わいが濃厚で、お土産用に買い求めるお客さんも多いみたいですよ。自宅で星野村を思い出しながら一服すれば、お肌にも効果がありそうです。
店内の大きな窓には、美しい里山の風景が広がり、くつろぎ度も満点です!
茶の文化館
- 住所
- 福岡県八女市星野村麻生10816-5
- 交通
- JR鹿児島本線羽犬塚駅から堀川バス福島行きで20分、福島で堀川バス星野行きに乗り換えて50分、池ノ山前下車、徒歩20分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 休業日
- 火曜、5・8月は無休(12月29~31日休)
- 料金
- 玉露しずく茶(菓子付)=500円~/石臼抹茶ひき体験=500円~/八女茶そばセット=1100円/
八女茶の里 星野村では、初夏は茶畑、秋は棚田が必見!
八女茶の里の星野村は、2009年に「日本で最も美しい村」への仲間入りを果たしています。「日本で最も美しい村」は、日本を代表する美しい景観や文化資源をもつ農山村の集まりで、茶畑や棚田が描く風景は星野村を代表する景観です。
八女の茶畑は八十八夜を迎える5月初旬あたりが最盛期。星野村の八女茶畑では、シーズンには茶摘み体験を実施しています。詳しい情報はホームページを確認してみてくださいね。
また、秋のお彼岸の頃には、まるで錦絵のような棚田を見ることができます!
場所は、星野ふるさと公園から車で県道52号と県道804号を経由して約8kmの鹿里(ろくり)地区。星野村の中でも標高が高く、少し開けた地形に壮大なスケールの棚田が広がっています。
黄金色に色づいた稲穂と、畔いっぱいに真っ赤な彼岸花が咲き誇る様は、まさに絶景!
見頃は9月下旬あたりの1週間程度。展望所があり、そこか写真をとれば映え写真になること、間違いなし!です。
いかがでしたか?
今度の休日は、おいしい八女茶と美しい風景を訪ねて星野村にでかけてみませんか?
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【筆者】クロス編集事務所
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会社創立は平成元年。以来、『まっぷるマガジン』『ことりっぷ』などなど、福岡市の編集プロダクションとしての立地を生かし、見どころ、グルメ、温泉、宿など九州一円の観光情報誌の制作にかかわってきました。
これからも、これまで培ってきたノウハウを存分に発揮して、個性あふれる九州の魅力と元気のよさを多くの方々に伝えていきたいと思います!