更新日: 2022年3月24日
【私の移住体験】一軒家が無料で借りられる!自然豊かな秩父で「お試し移住」
埼玉在住・都内通勤中のサラリーマン。結婚して数年、妻と二人きりの生活を楽しみながらも、「そろそろ子供がいてもいいな」と考えることが増えてきました。
子育てをするなら、出来るだけゆったりとした場所でのんびり育てたい というのが私たち夫婦の希望でした。
そこで浮かんだアイディアが、私の実家がある秩父市への移住。秩父市には「お試し居住住宅」という制度があると知り、早速利用してきました。
今回は、秩父市お試し移住体験記をお伝えします。
秩父市について
秩父市は、埼玉県北西部に位置する人口6万人の市。埼玉県内で最も広い市町村と言われています。東京都内へのアクセスが良く、特急を使えば1時間強で池袋に到着。都心から近い観光地としても、テレビや雑誌でよく取り上げられるようになり、新しいお店やサービスも増えています。
生まれた場所とはいえ、もともと住んでいたのは15年以上も前のこと。今や街の様子は変わり、自分も子供だった頃の目線とは異なります。妻にとっては知らない土地に移り住み、子育てをすることになるので慎重になる部分もありますが、まずは秩父がどんな街なのかを改めて確認したいと思うようになりました。
そんな中で見つけたのが、期間限定で住んでみるという「お試し居住住宅」という制度 。なんと、お試し移住用に秩父市が一軒家を無料で貸してくれるのです!
秩父市のお試し居住施設「絆」について
秩父市野坂町にあるお試し移住用の施設は、西武秩父駅から徒歩で10~15分。「秩父杉の家『絆』」という名前の通り、杉がふんだんに使われた豪華な一軒家です。
この制度を利用できるのは、秩父地域1市4町以外に住所があり、秩父への移住を検討している人やその家族。秩父夜祭や年末年始期間を除き、3〜7日の間お試しで住むことができるのです。2〜4人で利用できるということですが、小学生以下の子供は「2人で1人」とカウントするため、例えば大人2人、子ども4人まで利用することが可能です。
申し込みは以下のような手順で進みます。
① ホームページ上の問い合わせ、または電話で「秩父市移住相談センター」に連絡
② 秩父市移住相談センターで、移住後のプラン等のヒアリングなど事前面談
*私たちはコロナ禍だったこともあり、オンライン面談でした
③ 秩父ファンクラブ入会(入会金・会費無料)
④ 面談後、利用申請書等記入・提出
⑤ 後日、居住の許可証を受け取って、予約完了
移住センターのスタッフさんは皆さんとても親切で、手続きもスムーズに進みました。ホームページ上で設備や用意されているものはチェックできるので、持参する必要のあるものを集めて当日を迎えました。
申請できる期間も限られていますので、余裕を持って計画してください。
■秩父市 移住相談センター
埼玉県秩父市宮側町1番7号 秩父地場産センター5階
TEL:0494-26-7946
毎日10時~15時まで営業(土日・祝日含む)
※12/2・3と年末年始(12/29〜1/3)は休業
※申請は利用開始予定日が属する月の前々月の初日から、利用開始予定日の14日前まで
いよいよ迎えたお試し移住当日
ドキドキしながら迎えたお試し移住当日。スタッフの方が家の使い方や最後に提出する書類の説明などをしてくれます。コロナの影響もあり、今回は1日2回の体温測定がありました(体温計は借りられます)。
建物は木のぬくもりが感じられるおしゃれな一軒家で、1Fにはキッチン、風呂・トイレ、リビングと小上がりがあり、2Fには何にでも使えそうな広い空間と、寝室、子供部屋があります。窓が大きく天井が高いので、とても広く感じます。
子供部屋の壁は黒板でできていて、自由に書いてOK!お子さまがいれば大喜び間違いありません。冷蔵庫・電子レンジ・ポット・トースター・掃除機などの生活家電は揃っていますし、鍋や食器も自由に使えます。ただし洗濯機がありませんので、近くのコインランドリーを利用。歯ブラシやタオル、ハンガーなどは持参する必要があります。
徒歩20分、車で5分の場所に100円ショップがあるので、足りないものがあればすぐに買い足すこともできて便利でした。
秩父市はとても広いので、車で周囲を散策してみたところ、コンビニ、スーパー、ホームセンター、衣料品店など、生活に必要なものはなんでも揃い、秩父市の市街地は想像以上に便利でした。数日間のお試し移住地としても、とても便利で心強い立地です。
秩父は車社会ですので、移住の際には車が必要だということも確認できました。
お試し移住住宅周りのお店をご紹介
少しでも地元の日常を感じてみようと、地元の方が集まりそうなお店をチェックしてきました。
直売所「アグリマルシェよこぜ」
「アグリマルシェよこぜ」では、地元の農産物や地元の方が作った惣菜、漬物、饅頭、ハンドメイド品などが並びます。ずらりと並んだ見慣れない野菜や惣菜から、秩父の食や生活を垣間見られます。価格はどれも手頃ですし、新鮮な野菜は見るからに美味しそう!葉物の野菜やキノコ類が、特にお買い得です。
今回は数日間の滞在のため、すぐに食べられる苺やトマト、卵、パン、酒蒸し饅頭を購入。普段スーパーで食べているものより美味しかったです。
この日足を運んだのは午前中でしたが、地元の方や観光客の方で活気がありました。
■直売所「アグリマルシェよこぜ」
住所 秩父郡横瀬町横瀬4294-3
電話 0494−22−0831
交通 西武秩父線横瀬駅より徒歩17分、車で5分
営業時間 (4月~9月):午前8:30~午後5:00(10月~3月):午前8:30~午後4:30
休業日 なし(12/31〜1/3休み)
カード 利用不可
駐車場 あり|台数:70台|無料
・パン屋「ラパンノワールくろうさぎ」
お次は「ラパンノワールくろうさぎ」というパン屋さん。30年前に奄美大島でオープンしたパン屋さんだそうで、1999年に故郷の秩父へお店を移されたとのこと。
自家培養の天然酵母と国産小麦が使われており、具になる材料も極力、有機栽培や無農薬の素材を選んでいるというこだわりがあり、近所に安心で美味しいパン屋さんがあるのはうれしいですよね。
店内には様々な種類のパンが並び、見ているだけでも楽しい気分になります!
■ラパンノワールくろうさぎ
住所 埼玉県秩父市野坂町1-18-12
電話 0494-25-7373
交通 西武鉄道西武秩父駅より徒歩5分、秩父鉄道御花畑駅より徒歩4分
営業期間 通年
営業時間 10:00〜17:00
休業日 毎週火・金曜日
カード 利用可能
駐車場 あり | 台数:3台 | 無料
温泉「満願の湯」
大きな内風呂と露天風呂があり、露天部分は奥長瀞渓谷に面していて、しっとりとした雰囲気があります。平日夜だったのですが、お湯を独り占めできてしまいました。
林の中で風を感じながら湯に浸かっていると、温泉の湧く土地に住むことの贅沢さを感じます。
秩父に移住すれば、毎日温泉に通うことも夢じゃありません!
秩父温泉 満願の湯
- 住所
- 埼玉県秩父郡皆野町下日野沢4000
- 交通
- 秩父鉄道皆野駅から皆野町営バス西立沢行きで18分、秩父温泉前下車すぐ(長瀞駅・皆野駅から無料送迎あり、要相談)
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~20:30(閉館21:00)
- 休業日
- 無休(6月に点検休あり)
- 料金
- 入館料=大人850円、小人(3歳~小学生)500円/入館料(土・日曜、祝日)=大人1000円、小人600円/入館料(平日17:00~)=大人650円、小人350円/
イタリアンレストラン「クリエッタ」
ランチに伺ったのは、イタリア料理屋さんの「クリエッタ」さん。テラス席からは秩父のシンボル「武甲山」が望める贅沢な場所にあり、秩父の名産品を使った料理が手ごろな価格でいただけます。
特に「豚の味噌漬け焼きとねぎのチーズピッツァ(1,150円・税込み)」が絶品。こんなお店が家の近くにあれば、常連になること間違いありません!
野菜、豚など美味しい素材がとれる秩父には、このほかにも美味しいレストランがたくさんあり、お店を開拓する楽しみもできそうです。
■クリエッタ
住所 埼玉県秩父市別所414-3
電話 0494-26-5955
交通 西武秩父駅より車で約10分(無料送迎可能)
営業期間 通年
営業時間 ランチ:11:30~15:00(LO.14:30) ディナー:17:30~21:00(LO.20:00)
休業日 毎週水曜 ディナータイム・毎週木曜日・第3水曜終日
カード 利用可能
駐車場 あり | 台数:13台その他P有 | 無料
秩父人から見た移住者
秩父の人から見て、外から来た移住者をどう思うのか。そのことがずっと気になっていました。偶然にも幼い子どもをもつ友人が秩父に住んでいるので、移住者の印象を聞いてみることに。
結論、移住者との壁を特別感じることはないそうで、むしろ幼稚園では移住してきた人のほうが優しくて、仲良くなったということもあるのだとか。移住者は地域で浮いてしまうのでは?と心配にしていた妻は、少し安心したようでした。
地元の人が、移住者を好意的に受け止めてくれていることは、移住に際してとても重要なポイントです。もちろん色々な意見の人がいますが、このように実際に住む人と話をしてみることも、移住検討段階では必要なことでしょう。
やって良かったお試し移住
考えているだけでなく、実際に移住体験をしてみると、想像以上に秩父の人の温かさを感じることができました。肩の力を抜いてコミュニケーションできることの嬉しさは、なんとも言えません。都会でどんなに気を張って生活しているかということに気づき、驚きさえ覚えます。
移住センターのスタッフの方が「子育てをしていると特に、秩父での暮らしはホッとする」とおっしゃっていました。この方ご自身も移住で秩父に来られたそうで、経験者が語る言葉の意味が、少しわかったような気がします。
今回のお試し移住では、お店やそこに住む人々、土地の雰囲気をゆっくり感じてみることができ、移住を本格的に考える上で貴重な体験となりました。これからも、冬の厳しさや子育て環境、制度など、こまめに情報収集をし、「絆」を有効利用させてもらおうと思っています。
少しでも秩父移住に興味のある方は、ぜひ利用してみてくださいね!
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