トップ >  国内 > 

目次

【日本の世界遺産】富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)

【日本の世界遺産】富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)
富岡製糸場

富岡製糸場は官営模範工場として創建されて以降、民間への払い下げなどの変遷を経て1987年に操業を停止しました。閉業時の所有者だった片倉工業は「貸さない、売らない、壊さない」の方針を堅持し、維持・保存に努めたのです。群馬の初代県令楫取素彦も製糸場を重要視したひとりでした。

2003年、群馬県による「富岡製糸場を世界遺産に」というプロジェクトが始動。2013年に国内の世界遺産候補として国の推薦を受けました。

2014年に登録勧告を経て、同年6月に世界遺産委員会で正式に登録されたのです。

世界遺産決定後、国内でもその価値が再評価され、東置繭所、西置繭所、絹糸所の3棟が国宝に指定されました。

人類共通の財産を後世へと伝えるため、施設の維持・管理のための修復工事や入場料見直しなどが検討されています。

【基本情報】

登録年:2014年

構成資産富岡製糸場田島弥平旧宅高山社跡荒船風穴

所在地:群馬県富岡市、伊勢崎市、藤岡市、甘楽郡下仁田町

  • 行きやすさ★★☆
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★★☆

【日本の世界遺産】明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県・岩手県・静岡県)

【日本の世界遺産】明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県・岩手県・静岡県)
端島(軍艦島)

日本は幕末から明治時代にかけて、わずか半世紀ほどの短期間で西洋の技術を取り入れ、産業の近代化を成し遂げました。その中心となったのが、総合産業としての造船、素材産業としての製鉄鉄鋼、そして、エネルギー源としてこれらの産業を支えた石炭産業でした。

日本の産業の近代化は、西洋諸国による植民地支配がもたらしたものではなく、明治維新という社会の大きな変化を受けて、自らの意思で達成したものです。それも、単に西洋の先進技術を取り入れるのではなく、匠の技ともいわれる日本の伝統的な技術を組み合わせ、日本に適した技術を開発していった点には目を見張るものがあります。

その理念は現在でも、海外の技術に日本独自の知恵や工夫を加えることで世界の製造業をリードする、日本のものづくりの基礎となっています。

西洋以外の地域で、しかも20世紀初期に日本が他国に先駆け産業国家としての地位を築き上げたことは、「20世紀の奇跡」とされ、世界史において特筆すべきことだといわれています。

それを証言するのが、構成資産に記された現存する建造物などで、その多くが、造船、製鉄・鉄鋼、石炭産業に関するものとなっています。これらは、九州(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県)と山口県のほか、静岡県や岩手県にも及び、全国8県11市に分散しています。

これらは相互に密接な関係性があり、全体で1つの価値のある資産として、世界遺産への登録を果たしました。

【基本情報】

登録年:2015年

構成資産萩反射炉恵美須ヶ鼻造船所跡大板山たたら製鉄遺跡萩城下町松下村塾旧集成館寺山炭窯跡関吉の疎水溝韮山反射炉橋野鉄鉱山三重津海軍所跡小菅修船場跡三菱長崎造船所第三船渠・三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン・三菱長崎造船所旧木型場・三菱長崎造船所占勝閣・高島炭坑端島炭坑旧グラバー住宅三池炭鉱三池港三角西港官営八幡製鐵所遠賀川水源地ポンプ室

所在地:福岡県北九州市、大牟田市、中間市、佐賀県佐賀市、長崎県長崎市、熊本県荒尾市、宇城市、鹿児島県鹿児島市、山口県萩市、岩手県釜石市、静岡県伊豆の国市

  • 行きやすさ★★☆
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★☆☆

【日本の世界遺産】ル・コルビュジエの建築作品 ‐近代建築運動への顕著な貢献‐(東京都)

【日本の世界遺産】ル・コルビュジエの建築作品 ‐近代建築運動への顕著な貢献‐(東京都)
画像:123RF 国立西洋美術館

国立西洋美術館は、西洋美術の収集と展示を行う、東京都台東区の上野公園にある美術館です。川崎造船所の社長を務め、実業家として知られる松方幸次郎が、第一次世界大戦の前後にヨーロッパで収集した美術作品「松方コレクション」を中心に、収蔵と展示を行っています。

なかでも、モネの『睡蓮』、ゴーガンの『海辺に立つブルターニュの少女たち』、ロダンの『考える人』などが有名です。

松方コレクションは、第二次世界大戦後、敵国人財産としてフランス政府により没収されましたが、日仏親善のため、日本に寄贈返還されることになりました。

その際、フランス美術館の創設が条件とされたことから、当時のフランスを代表する建築家で、近代建築の巨匠といわれたル・コルビジュエの設計により、1959 (昭和34)年、国立西洋美術館が建設されました。

重要文化財にも指定されている本館は、ル・コルビジュエの設計した建築の特徴ともいえる、ピロティ、屋上庭園、自由なファサード(正面)などの設計要素が多く見られ、とても貴重だといわれています。

【基本情報】

登録年:2016年

構成資産:国立西洋美術館

(フランス)ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸、サヴォア邸と庭師小屋、ペサックの集合住宅、カップ・マルタンの休暇小屋、ポルト・モリトーの集合住宅、マルセイユのユニテ・ダビタシオン、ロンシャンの礼拝堂、ラ・トゥーレットの修道院、サン・ディエの工場、フィルミニの文化の家

(ドイツ)ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅

(スイス)レマン湖畔の小さな家、イムーブル・クラルテ

(ベルギー)ギエット邸

(アルゼンチン)クルチェット邸

(インド)チャンディガールのキャピトル・コンプレックス

  • 行きやすさ★★★
  • 観光地としての充実度★☆☆
  • フォトジェニ度★☆☆

【日本の世界遺産】「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)

【日本の世界遺産】「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)
宗像大社

福岡県宗像市の宗像大社は、宗像三女神「田心姫神」「湍津姫神」「市杵島姫神」を祀る由緒ある神社です。九州本土からおよそ60㎞離れた沖ノ島には神が宿るとされ、島全体が御神体として信仰されています。

4世紀ごろから国の安寧などを祈る祭祀が行われ、今でも遺跡が良好な状態で残っていることから信仰の歴史を知ることができる貴重な遺産として評価されています。

宗像市にある宗像大社辺津宮は宗像三女神を祀る全国6000か所以上の神社の総本宮で、市杵島姫神を祀っています。古くは国家鎮護、現在は航海・交通安全の神様として信仰を集めています。

【基本情報】

登録年:2017年

構成資産:宗像大社沖津宮(沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩)・宗像大社沖津宮遙拝所宗像大社中津宮宗像大社辺津新原・奴山古墳群

所在地:福岡県宗像市、福津市

  • 行きやすさ★★☆
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★☆☆

【日本の世界遺産】長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県)

【日本の世界遺産】長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県)
大浦天主堂

世界遺産に登録されたのは長崎県西部の海岸沿いと五島列島、そして熊本県にある教会とキリスト教関連施設

島原・天草の乱の舞台となった「原城跡」、禁教時代にキリシタンが潜伏した「平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)」と「平戸の聖地と集落(中江ノ島)」、同じく「天草の崎津集落」、無人島に教会が残る「野崎島の野首・舟森集落跡」、幕末の開国に伴う信徒発見の舞台となった「大浦天主堂と関連施設」、民家の形式を残した素朴な木造教会「旧五輪教会堂」、解禁後にド・口神父の設計で建てられた「出津教会堂と関連施設」、有田焼のタイルが敷かれた「黒島天主堂」、地元の石材を用いた石造りの教会「頭ヶ島天主堂」、ド・口神父考案のド・口壁が用いられた「大野教会堂」、信徒たちが中心となって建てたレンガ造りの教会「田平天主堂」、日本の伝統技術を生かした木造教会「江上天主堂」の資産で構成されます。

潜伏キリシタンの信仰継続に関わる伝統の証となる遺産群で、登録を目指して12年目で念願の世界遺産登録となりました。

【基本情報】

登録年:2018年

構成資産原城跡平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳、中江ノ島)・天草の﨑津集落・外海の出津集落・外海の大野集落・黒島の集落野崎島の集落跡頭ヶ島の集落・久賀島の集落・奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)・大浦天主堂

所在地:長崎県南島原市、平戸市、長崎市、佐世保市、小値賀町、新上五島町、五島市、熊本県天草市

  • 行きやすさ★☆☆
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★★★

【日本の世界遺産】百舌鳥・古市古墳群‐古代日本の墳墓群‐(大阪府)

【日本の世界遺産】百舌鳥・古市古墳群‐古代日本の墳墓群‐(大阪府)
画像:123RF 仁徳天皇陵

堺市の「百舌鳥古墳群」、羽曳野市・藤井寺市の「古市古墳群」の2つからなる百舌鳥・古市古墳群は2019年に世界文化遺産に登録されました。

古墳時代の最盛期(4世紀後半から5世紀後半)に、当時の政治・文化の中心地のひとつであった大阪平野に200基を超える古墳が築造されたもののうち、45件49基の古墳が現存しています。

世界的にも独特な、鍵穴型の前方後円墳が多数集まり、大きさと形状に多様性を示す4種類からなる古墳により構成されています。それらは、墳墓によって権力を象徴した日本の歴史を物語る歴史的資産でもあります。

見学に際しては、古墳に立ち入ることができないため、百舌鳥古墳群ビジターセンターなどで空撮映像などによって見物することができます。

【基本情報】

登録年:2019年

構成資産反正天皇陵古墳仁徳天皇陵古墳・茶山古墳・大安寺山古墳・永山古墳・源右衛門山古墳・塚廻古墳・収塚古墳・孫太夫山古墳・竜佐山古墳・銅亀山古墳・菰山塚古墳・丸保山古墳・長塚古墳・旗塚古墳・銭塚古墳・履中天皇陵古墳・寺山南山古墳・七観音古墳・いたすけ古墳・善右ヱ門山古墳・御廟山古墳・ニサンザイ古墳・津堂城山古墳・仲哀天皇陵古墳・鉢塚古墳・允恭天皇陵古墳・仲姫命陵古墳・鍋塚古墳・助太山古墳・中山塚古墳・八島塚古墳・古室山古墳・大鳥塚古墳・応神天皇陵古墳・誉田丸山古墳・二ツ塚古墳・東馬塚古墳・栗塚古墳・東山古墳・はざみ山古墳・墓山古墳・野中古墳・向墓山古墳・西馬塚古墳・浄元寺山古墳・青山古墳・峯ヶ塚古墳・白鳥陵古墳

所在地:大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市

  • 行きやすさ★★☆
  • 観光地としての充実度★☆☆
  • フォトジェニ度★☆☆

世界遺産を訪れて、日本の文化・自然の素晴らしさを再発見しよう

1993年から始まった、日本の世界遺産の歩み。

登録までの果てしないプロセスは、その資産を世界遺産にしたいという人たちの強い思いが支えるものです。

だからこその価値が必ずそこにあり、

私たちが住む日本の素晴らしい歴史的価値や自然の恵みを再発見するのに訪れる価値があるといえましょう。

興味を持った方は、次の旅プランに世界遺産というキーワードを加えてみませんか?

1 2 3 4

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。

皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!