更新日: 2021年3月31日
「野点」に挑戦してみよう! 屋外でカジュアルに抹茶を楽しむ
日差しが暖かくなってきたら、屋外で抹茶を楽しむ「野点(のだて)」はいかがですか?
天気のいい日に、自宅の庭やベランダで抹茶を味わえば、それだけで気分転換になりそうです。もちろん近所の公園で楽しむのもおすすめ。
最近は、キャンプやアウトドアで、野点を楽しむ人も増えています。
今回は、道具や作法を気にせずカジュアルに楽しむ野点の方法や、かわいい茶道具セット、抹茶の点て方など、気軽な抹茶の楽しみ方をご紹介します。
目次
庭やベランダでもOK!屋外で抹茶を楽しむ「野点」って?
「野点(のだて)」とは、戦国時代の武将たちが狩りをする際に屋外で茶を楽しんだ「野掛(のがけ)」からきているといわれています。
大まかにいえば、屋外で抹茶を楽しむのは全て野点。
作法など堅苦しいことは考えず、ピクニック気分で、自然のなかで点てたお茶を味わうのは、とっても気持ちがいいですよ。
煎茶と違い、抹茶は茶殻が出ないので後片付けもらくちん。屋外で楽しむのにはピッタリです。
煎茶の粉末ではありません。抹茶ってどんなお茶?
近年人気の抹茶ですが、私たちが普段飲んでいる煎茶とは、つくり方が異なるって知っていましたか? 煎茶を粉にしたものが抹茶ではないんです。
抹茶の原料となるのは、あまり聞いたことがないかもしれませんが、「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれるお茶。碾茶を石臼などで挽いたのが抹茶です。
お茶の木自体は、煎茶も碾茶も同じものですが、まず栽培方法が異なります。
碾茶つまり抹茶にするお茶の木は、茶葉を摘む前に20日間ほど畑に覆いをかけ、日光を遮って育てます。遮光することで茶葉の葉緑素が増し鮮やかな緑色になるほか、渋みをおさえて、うまみと甘みが強くなるのだそう。これは、最高級の緑茶として知られる「玉露」と同じ栽培方法で、煎茶に比べ手間がかかる分、高価になります。
こうして栽培された茶葉を摘み、蒸したあと、揉んで形を整えながら乾燥させると玉露に、揉まずに乾燥させ、葉脈などを丁寧に取り除いたものが碾茶になります。
その碾茶を粉末にしたのが抹茶です。
抹茶って、とても手間がかかっているんですね。
まずは野点に必要な道具を揃えよう
屋外で野点を楽しむために、まずは以下の道具を用意しましょう。
・抹茶
・茶碗
・抹茶をすくうスプーン
・抹茶を点てる茶筅(ちゃせん)
・お湯を入れたポット(サーモボトルなど)
高価なものは必要ありませんが、自分のお気に入りの茶椀があれば、それだけで気分が上がり野点が楽しめますね。
抹茶はスーパーやお茶屋さんで手に入ります。
茶椀は口径が広く、茶筅が触れるものなら大丈夫。カフェオレボウルやスープカップなどでも構いません。
抹茶を点てるのに必要な茶筅(ちゃせん)は、竹製が一般的ですが、最近はお手入れがラクな樹脂でできたものも販売されています。
お湯は保温性のサーモボトルなどに入れて持参しましょう。
本格的に道具を揃えたければ、おしゃれな野点セットも
最近人気のキャンプなど、アウトドアにも野点の道具を持っていけば、抹茶が楽しめます。
キャンプ場でコーヒーの代わりに抹茶を点てたら、ちょっとカッコイイですよね。
アウトドア用品の有名メーカー「モンベル」では、アウトドア仕様の野点セットを販売しています。おしゃれな巾着には、茶碗、茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)と、抹茶を入れる棗(なつめ)、小さいお盆が2枚入って、本格的!
持ち運びがしやすいように全てがコンパクトな特別仕様で、茶椀は割れないようにメラミン製。茶筅が倒れないように、赤いお盆には茶筅を立てるための突起も付いています。茶筅は軽く、少しの風でもすぐに倒れてしまうので、屋外で使うのにはうれしい工夫ですね。
道具を入れる巾着の内側にはスポンジが入っているので、持ち運びも安心です。
■モンベル
モンベル・カスタマー・サービス:TEL 06-6536-5740
>>公式HPはコチラ
楽天などの通販サイトでは、野点に必要な茶道具一式が揃った茶道具セットも販売されています。
ひとつずつ購入するよりも、リーズナブルに本格的な道具が揃うので、チェックしてみてはいかがですか?
持ち運びに便利で野点にピッタリな、かわいい巾着袋や籠に入っているセットもありますよ。
道具が揃ったら、野点の前に抹茶を点ててみよう
茶道具が揃ったら、野点に行く前に、まずは抹茶を点ててみましょう。
茶筅の使い方など、ちょっと難しそうに見えますが大丈夫。誰でも簡単にできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
抹茶の点て方①抹茶小さじ1杯(約2g)を茶碗に入れる
抹茶はダマにやりやすいので、一度茶こしで振るってから使うとおいしい抹茶が点てられます。
抹茶の点て方②お湯約60ccを茶碗に注ぐ
お湯は少し冷ました約80℃くらいがベスト。抹茶に直接お湯がかからないように、そっと入れましょう。お湯の量は少しだけ(約60cc)。茶碗の底から2~3㎝ほど入れれば十分です。
抹茶の点て方③茶筅を振って抹茶を点てる
茶筅は手首のスナップをきかせて、アルファベットのMの字を書くように振ります。あまり力を入れすぎないのがポイントです。
茶筅は穂先が折れやすいので、使う前にお湯に浸しておきましょう。
抹茶の点て方④泡が立ったらできあがり
泡が立ってきたら、茶筅をそっと引き上げます。きれいな泡がおいしそうにできあがりました。
屋外でもっと簡単に抹茶を楽しみたいと思ったら、携帯用の耐熱ボトルを利用するのもおすすめです。耐熱ボトルに抹茶とお湯を入れ、シャカシャカ振るだけで、抹茶のできあがり。
家族や友だちと一緒なら、人数分のお湯と抹茶をボトルに入れてシェイク!カップに注ぎ分ければ、一度に全員分の抹茶ができますよ。
暑い日には、冷たい抹茶もおすすめ。お湯のかわりに冷たい水を入れてシャカシャカすれば、冷抹茶のできあがり。すっきりと味わえます。
お菓子があれば、野点がもっと盛り上がる!
お菓子を用意すれば、野点がもっと楽しくなります。
お菓子の甘みが抹茶を引き立て、よりおいしく味わえますよ。
季節の和菓子はもちろん、チョコレートなどの洋菓子にも、抹茶はよく合います。
筆者のおすすめは、ホワイトチョコレートのお菓子やマカロン。甘みの強い洋菓子とほろ苦い抹茶は、相性抜群です。
出かけた先で野点をするなら、その土地のお菓子を買い求めるのも楽しいですね。
カラフルなお菓子をかわいいナプキンや懐紙に並べれば、ちょっとしたお茶会の気分も味わえます。
作法なんて気にせず、「野点」で抹茶を楽しみましょう
屋外で抹茶を楽しむ「野点」をご紹介しましたが、いかがでしたか?
茶葉をまるごと味わえる抹茶は、煎茶だと茶殻に残ってしまう栄養素もすべて摂取することができます。抗酸化作用があるカテキンや、ビタミンC、ビタミンEも豊富に含まれ、美容や健康にも効果があるなんてうれしいですね。
ピクニック気分で野点を楽しめば、リフレッシュ効果も満点!
作法は気にせずに、野点で気軽に抹茶を楽しみましょう。
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