更新日: 2021年3月12日
【連載エッセイ・第27回】猫と田舎で暮らしてみた~6匹と僕たちの里山生活~
東京生まれ、東京育ち。9年前に奥さんと、大分・国東半島へ移住。
そこで出会った猫たちと、こんどは、自然豊かな伊豆の田舎へ。
ゆっくりと流れる時間のなかで、森や草むらで自由に駆け回る猫たちと、一緒に暮らす日々のあれこれをお伝えしていきます。(毎週火曜日・金曜日に公開)
>>第1回から読む
家で寝るということ
他人様の猫ブログを見ているとなんとも器量良しの猫様たちが、玩具で遊んだり箱に入ってみたりの素敵な写真がこれでもかと満載されている。
それに比してうちはと言えばどいつもこいつもだらしなく寝ている写真ばかり。ひっくり返ったり、ベロを出したり、折り重なったりで見苦しいことこの上ない (T_T)
だけど外で散々遊びまわった彼らが家に戻って来るのは、ご飯にありつくためと寝るためだけなのだからしょうがないんだよな。
うちは田舎のせいもあり家と庭の行き来は24時間自由にしている。それは子猫の頃からずっとそうで、夜中でも大雨でも彼らは好きに家を出入りできる。
そんな猫たちだけど国東にいた頃も伊豆へ来てからも彼らが眠るのは必ず家の中と決まっている。春や秋の気候がいい時期なら彼らは庭のテーブルや切り株の上でも昼寝をするし、デッキへ並べた椅子の上でうたた寝もする。けれど本当に「眠る」ときは家の中のどこかなんだ。
僕は猫たちの油断しきった寝姿を眺めながら、彼らにとってはここが一番安全で、ここが一番居心地がいいんだろうなと親バカ丸出しでいる。
我が家の猫たちも9歳になり、さすがにかつてのように夜通し遊び歩くことも、泊りがけの遠征をすることもなくなった。今では朝食と夕食の後に1~3時間くらい家の周りをウロウロするだけで、あとはソファや毛布や座布団の上で油断しきったまま伸びている。
だから猫ブログや猫インスタに並ぶ可愛い猫たちと同じ写真が撮れなくても、うちの猫たちのだらしない寝姿は、彼らの信頼の証なのだと僕は満足している。
伊豆・箱根の新着記事
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】高橋のら
1960年東京生まれ。製本業経営を経て編集プロダクションを設立。
2011年に東京から大分県国東市へ移住し、2014年に国東市から静岡県伊豆半島に転居しました。現在は伊豆の家で編集業を営みながら仕事上のパートナーでもある家内と、国東で出会った6匹の猫たちと共に暮らしています。
国東での猫暮らしを綴った著書「猫にGPSをつけてみた」雷鳥社刊があります。