更新日: 2021年2月12日
【連載エッセイ・第19回】猫と田舎で暮らしてみた~6匹と僕たちの里山生活~
東京生まれ、東京育ち。9年前に奥さんと、大分・国東半島へ移住。
そこで出会った猫たちと、こんどは、自然豊かな伊豆の田舎へ。
ゆっくりと流れる時間のなかで、森や草むらで自由に駆け回る猫たちと、一緒に暮らす日々のあれこれをお伝えしていきます。(毎週火曜日・金曜日に公開)
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目次
野菜を作る
以前にも書いたけれど我が家もささやかに家庭菜園で野菜を作っていたりする。と言っても実際に野良仕事をするのは奥さんで、僕はもっぱら料理をするか食べるだけ。
やっぱり田舎に住んだら野菜を作らなきゃと思う人は作ればいいし、野菜を作る暇があったら別なことをして野菜なんか買えばいいと思うならそうすればいい。
うちはたまたま畑に使えるスペースが庭にあったし、奥さんは農家の娘なので野菜の作り方を義母から伝授されているんで、だったら作らないのはもったいないよな? みたいな感じで家庭菜園を始めたのでした。
今の時期だとホウレン草、小松菜、大根、春菊、ブロッコリーなんぞが採れて、どれもなかなか美味しかったりする。春菊とかね、若くて柔らかい葉を生のままサラダに入れたり味噌汁へ薬味代わりに入れたりすると日本のパクチーって感じでホント美味しいよ。そして育ってきたなら鍋の定番として大活躍。
夏野菜なんぞは上手く育つと食べきれないくらい採れるんで、そういう時だけご近所さんに朝採れ定期便でお裾分けする。うちはいつもご近所さんたちからいろんな物を貰ってばかりなので、豊作の時くらい恩返ししなくちゃね。
そして奥さんが畑仕事をしている時には必ず猫が傍らにいる。6兄妹の中でも次男坊のひでじがいることが多いかな? 何をするでもなく土の上にちょこんと座って畑仕事の様子をじっと見ている。ひでじだけでなく我が家の猫たちは、子猫の頃からそうやって畑の中を駆け回って育ってきたし、遊ぶのも喧嘩するのもトイレも土の上だった。
国東から伊豆へ来て畑の面積は10分の1くらいに減ったけど、猫たちにとっても僕ら夫婦にとっても土の手触りや匂いの有る無しは、様々な意味で都会生活と今の暮らしを分ける存在なのだと思う。
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【筆者】高橋のら
1960年東京生まれ。製本業経営を経て編集プロダクションを設立。
2011年に東京から大分県国東市へ移住し、2014年に国東市から静岡県伊豆半島に転居しました。現在は伊豆の家で編集業を営みながら仕事上のパートナーでもある家内と、国東で出会った6匹の猫たちと共に暮らしています。
国東での猫暮らしを綴った著書「猫にGPSをつけてみた」雷鳥社刊があります。