更新日: 2023年2月2日
【愛知・瀬戸】招き猫ミュージアムで自分だけの招き猫を作ろう!
名古屋市の北東に位置する瀬戸市は、1,000年以上も前から陶磁器を作ってきた歴史を持つ「やきものの街」。市内には現在もいくつもの窯元があり、美術館や体験工房といったやきもの文化を堪能できるスポットがたくさんあります。
市の中心部からほど近い場所にある、日本最大規模を誇る招き猫の博物館「招き猫ミュージアム」もそのひとつ。ここでは招き猫を見るだけでなく、世界にひとつだけのオリジナル招き猫を作ることができます。
今回は招き猫のすべてを堪能できるミュージアムの魅力をご紹介します!
目次
招き猫ミュージアムとは
招き猫ミュージアムは数千点の招き猫コレクションを展示する、日本最大の招き猫専門の博物館。博物館のテーマは「過去・現在・未来の招き猫」。「過去」とは、ミュージアム2階に展示されている昔作られた古今東西の招き猫のこと。「現在」は、ミュージアムで展示販売されている現代の作家による招き猫。「未来」は、これから生まれる招き猫のことを指します。
招き猫ミュージアムへのアクセス
電車でのアクセス
名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」より徒歩8分。駅から街の中心部を流れる瀬戸川に沿って東に歩いていくと到着します。名古屋駅からの所要時間は約40分で、運賃は大人610円です。
名古屋駅―(JR中央本線:約12分)―大曽根駅―(名鉄瀬戸線:約20分)―尾張瀬戸駅
車でのアクセス
東海環状自動車道「せと赤津I.C.」から約5分。ミュージアムの目の前にある提携駐車場(最初の30分無料)が利用可能です。「招き猫ミュージアム」および併設のショップ「おもだか屋」での利用金額に応じて、駐車サービスを受けられます。こちらの提携駐車場にも巨大な招き猫がいますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
招き猫ミュージアムの入場料金
建物内は、1階がミュージアムショップ、2階が有料展示エリアになっています。チケットを購入する際は、1階ミュージアムショップのレジに声をかけましょう。
● 大人:300円
● 大学生・高校生:200円
● 中学生以下:無料
招き猫ミュージアムでは、スマートフォンアプリのガイドを活用しよう
招き猫ミュージアムには公式アプリも用意されていますので、訪問前にぜひインストールしておきましょう。館内で音声ガイドを聞きながらゆっくり見ることができます。
App Store:招き猫ミュージアム公式ガイドアプリ
Google Play:招き猫ミュージアム公式ガイドアプリ
招き猫ミュージアム
- 住所
- 愛知県瀬戸市薬師町2
- 交通
- 名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅から徒歩8分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~16:30(閉館17:00)、体験受付~15:00
- 休業日
- 火曜、祝日の場合は開館(12月29日~翌1月4日休)
- 料金
- 入館料=大人300円、高・大学生200円、中学生以下無料/お茶セット(招き猫菓子付き)=400円/コーヒー=400円/染付体験=500円~/
歴史や風土を感じさせる「過去」の招き猫を見学
まずは過去の招き猫を見るために、2階の展示スペースへと向かいます。
ミュージアムへ続く階段を上がっていくと、壁一面にずらりと並ぶ招き猫がお出迎えしてくれました。どこを見ても猫、猫、猫!思わず「すごい!」という声が出ます。
展示スペースには、各地の文化を色濃く反映された様々な招き猫が展示されています。陶器や磁器だけでなく、張り子や土人形といったその土地に伝わる伝統的な工芸技術を生かした招き猫も作られてきました。
日本各地の招き猫がずらり
瀬戸と並ぶやきものの産地として知られる愛知県常滑市の招き猫は、頭と目が大きくデフォルメされたかわいらしいフォルムと、大判小判を持っているのが特徴。全国的に招き猫といえばこのデザインが有名です。
一方で瀬戸の招き猫はスラリとしたフォルムで、現実の猫に近いのが特徴です。
さらに常滑の招き猫は素焼きの上に色をつけただけのものが多いのに対し、瀬戸の招き猫の多くはまず藍色の顔料で下絵付けをした後に釉薬(ゆうやく)をかけて約1,300℃で焼き、さらに赤や金色で上絵付けをして約700℃で焼くという工程を経て作られています。
2度行う焼成の温度が異なるのは、顔料 によって耐えられる温度が違うから。上絵付けに使う赤や金は熱に弱いのです。
釉薬をかけることによって、コーティングになると同時にガラスのようにツヤツヤになり、高級感が出ます。さらに釉薬の上からつけた赤色や金色も、2度目の焼成によって釉薬に溶けて定着します。
釉薬をかけて2度焼成するという手間をかけることで、色が落ちにくく、長い年月を経ても美しいままの招き猫ができあがるというわけです。
石川県加賀地方の特産品として知られる九谷焼の招き猫は、「デコ盛」と呼ばれる絢爛豪華な色合いと、片足を崩したちょっとセクシーな座り方が特徴。かつては製品のほとんどが海外に輸出されていたため見かけることは少なかったものの、現在では国内でも知名度が上がってきています。
関東の人にはおなじみ「ヒゲタしょうゆ」の招き猫。販促商品としてお店に配布されていたことから、知名度が上がりました。
時期によって展示内容が変わる企画展示コーナーでは、新型コロナウィルスの疫病退散を願う「赤猫展」が開催中(2021年9月ごろまで)。疫病よけの赤色に染められた数々の招き猫を見ることができます。
大阪の「住吉大社」や世田谷の「豪徳寺」など、招き猫にまつわる神社仏閣を紹介するコーナーも。招き猫が庶民の信仰と結びついてきた縁起物だということが分かります。
左手?右手?それとも両手?
招き猫は、左右どちらかの手を挙げているデザインが一般的。左手挙げは「人招き」、右手挙げは「金招き」といわれています。しかし「両方のご利益を得たい」という願いから両手挙げのデザインも生まれ、今ではすっかり定着しました。
「未来の招き猫」の染付にチャレンジ!
招き猫ミュージアムでは、見るだけでなく染付体験も楽しめます。「過去の招き猫」を見た後は「未来の招き猫」を作るべく、チャレンジしました。
染付の素材は、貯金箱になる招き猫のほか、猫型のかわいいお皿や小鉢なども用意されています。費用は330円からで、一番大きな招き猫型貯金箱でも1個880円とかなりリーズナブル。手軽に楽しめる料金設定になっています。
※染付体験は、3密を避けるために予約制になっています。日程および時間帯をあらかじめお電話で確認のうえお出かけください。
いよいよ染付体験開始!
今回は招き猫型貯金箱の染付を体験しました。素材の招き猫は「両手挙げ」「右手挙げ」「左手挙げ」の3種類から選べます。一番人気は両手挙げで、一番レアなのは左手挙げということで、今回はレアな左手挙げを選択しました。
手に取ったときのサラサラとした手触りが気持ちよく、「どんな招き猫にしようかな?」とワクワク。見本も用意されているので、デザインが浮かばなくても真似するだけで本格的な招き猫を作ることができます。
鉛筆で下描きをし、「呉須(ごす)」という藍色の顔料を使って絵を描いていきます。呉須は濃いものと薄いものがあらかじめ用意されていますが、自分で水を加えることでさらに薄くすることもできます。筆も太いものから細いものまでひととおり揃っていますので、思うままに描きましょう!
とはいえ筆で絵を描くのはなかなか難しく、四苦八苦。表面に筆を置いた瞬間に呉須がスーッと染みこんでいくため、思い切りのよさが大切だと感じました。ちなみに鉛筆の下書きは焼成したときに消えますので、そのまま消さずに残しておいても問題ありません。染付の所要時間は、素材の大きさにもよりますが30分から1時間ほどとのこと。筆者は45分ほどかかりました。
染付した作品は窯で焼成され、完成するのは約1ヵ月後。直接取りにいくか、遠方の場合は配送にも対応してもらえます。
焼き上がった招き猫がこちら
招き猫型貯金箱が完成しました!呉須の藍色がとても鮮やかで、ツヤツヤと光るその姿はまるで命を吹き込まれたかのよう。筆者のつたない絵付けでも、何だか立派に見えます。
染付の状態では色の濃い部分と薄い部分の差があまり分かりませんでしたが、焼き上がるとかなりハッキリします。思い通りの柄を描くには、濃淡の使い分けがポイントになりそうです。
焼き上がりの高さは約16.5cmで、飾っておくのにちょうどいいサイズ。底の部分にゴム製のフタを取り付けてもらえますので、中に貯めたお金を取り出すときに割る必要はありません。
できあがった招き猫を見たとき、予想以上に感動しました。苦労した分だけ愛着がわき、かわいく見えます。猫を飼っている人は、愛猫をモデルにしてもいいのではないでしょうか。
お土産はミュージアムショップと隣接する「おもだか屋」で
1階のミュージアムショップでは、「現代の招き猫」を購入することができます。さらに招き猫ミュージアムに隣接する「おもだか屋」では、招き猫をはじめ、ステーショナリーやネコグッズ、干支の置物などが勢揃い。「自分でうまく作れるか自信がない…」という人は、各ショップでお気に入りの子をお迎えするのもおすすめです。
かわいくて個性たっぷりな招き猫に会いにいこう
古くから人々の願いを込めて作られ、愛されてきた招き猫。身近なものであると同時に、歴史や土地の文化が色濃く映し出される工芸品でもあります。招き猫ミュージアムでは、福よ来いと手招きするかわいい姿に癒やされながら、自分だけのオリジナル招き猫を作ることができます。
全国各地で作られた個性あふれる招き猫や、まだ見ぬあなただけの「未来の招き猫」に会いに、ぜひ足を運んでみてください。
取材・撮影・文 Ayako
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】にゃっぷる編集部
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