更新日: 2020年11月3日
「東京ジャーミイ」でトルコを体験する! 東京駅から25分のゴージャスな非日常空間
海外旅行の醍醐味と言えば、慣れ親しんだ日々から離れて「非日常」を目いっぱい体験すること。
歴史深く美しい建造物、食べたことのないスパイスがふんだんに使われた食事、異文化とのふれあいなど、海外旅行に行けない今となっては懐かしく感じる方も多いことでしょう。
そんな方におすすめなのが、東京駅から25分の場所にある「東京ジャーミイ」。トルコをはじめとするイスラム文化に触れられる施設で、海外の雰囲気を味わいましょう!
目次
日本で一番大きなモスク「東京ジャーミイ」
代々木上原駅から歩いて5分、おしゃれな雰囲気の街中に突然現れる不思議な門。これが「東京ジャーミイ」の入口です。
東京ジャーミイとは、東京都代々木上原にたたずむ日本最大のモスク(イスラム教寺院)です。「ジャーミイ」とはトルコ語で、「大規模なモスク」のこと。最近はテレビ番組等で特集をされたこともあり、海外旅行好きやイスラム文化に興味がある方の間で、じわじわと話題になっています。
美しい礼拝堂はインスタグラマーの間でも大人気。イスラム教のモスクにはなじみがないという方も、百聞は一見に如かず。実際に東京ジャーミイを訪れてみましょう!
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスク着用が求められます。必ず持参してください。
■東京ジャーミイ・トルコ文化センター
住所:東京都渋谷区大山町1-19
電話:03-5790-0760
交通:小田急小田原線「代々木上原駅」から徒歩5分
営業期間:通年
営業時間:10:00~18:00※金曜日は集団礼拝のため見学は14時以降
休業日:無休
料金:無料
駐車場:なし
無料の東京ジャーミイガイドツアー(土・日曜、祝日の14時30分)に参加!
東京ジャーミイの館内は1Fがトルコ文化センターとなっており、イスラム文化に関する本やグッズの売店があり、誰でも自由に入ることができます。その奥にある大広間はきらびやかな待合スペースで、トルコのお茶「チャイ」や、デーツ(なつめやしの実)が無料でふるまわれています。入った瞬間から、異国情緒をたっぷりの空間が広がっています。
東京ジャーミイの前身は「東京回教礼拝堂」という礼拝堂。ロシア革命が起きた時、当時ロシア帝国に住んでいたイスラム教徒たちが日本に移住、建設したもの。その後、老朽化により閉鎖・取り壊され、今の東京ジャーミイが建設されました。人々の「信仰を守りたい」という強い思いが、建物にこめられているようです。
そんな東京ジャーミイでぜひおすすめしたいのが、無料ガイドツアー。触れたことのない歴史や背景を知ることで、これからはじまる見学がぐっと面白くなるはず。所要時間は45分~60分程度で、誰でも気軽に参加することができます。予約は不要ですので、気軽に参加してみてくださいね!
なお、礼拝堂を見学する時は、男女ともに肌の露出の多い服装を避け、女性は髪の毛を覆うのがルール。スカーフ等を持参するとよいですが、用意がない場合は、礼拝堂入口で貸してもらえます。また、写真撮影はOKですが、礼拝に来た方の迷惑にならないようにしましょう。礼拝中の撮影は禁止です。
時間になると1Fエントランスホールに人が続々と集まり、いざ、ツアーに出発です!
ツアーではお話好きのガイドさんと一緒に、東京ジャーミイの内外をぐるりと一周。東京ジャーミイの歴史、建物に隠された秘密やイスラム教について知ることができますよ。
■日本語ガイド付きツアー
開催時間:毎週土曜・日曜・祝日 14時30分~
※祝日と金曜日が重なった場合ツアーはお休み
料金:無料
予約:不要
イスラム教徒が集う礼拝堂へ
エントランスから期待に胸を躍らせつつ階段を上り、いよいよ礼拝堂前に到着です。
大理石でできた縞模様のアーチは、イスラム建築の最高傑作と言われる、スペインのアルハンブラ宮殿を思わせます。その下には、イスラム文字のカリグラフィー * や、緻密な細工が凝らされた大きな扉が。細かい部分まで手が込んだ装飾は、イスラム芸術好きでなくとも見とれる美しさです。
さあ、この扉の向こうがお待ちかねの礼拝堂。いざ、中へと進みます!
*カリグラフィー・・・文字を装飾し、美しく見せるための手法。イスラム圏では、アラビア文字を美しく描く「アラビア書道」が発展している。
礼拝堂に一歩入るとそこは異国
礼拝堂の中に一歩入ると、まず目に飛び込んでくるのは美しいアラベスク模様が描かれたドーム型の天井です。ステンドグラスは太陽の光を受けて色とりどりに輝き、アラビア文字をかたどって作られたシャンデリアはとても豪華。とても日本とは思えない光景に、思わず息をのんでしまいます。
見たことがないような豪華な装飾が施され、荘厳な空気が流れる礼拝堂。不思議と心が落ち着いてきます。イスラムの文化に思いを馳せるも良し、何も考えずに頭をからっぽにするも良し……。忙しい毎日から離れ、ゆっくりとした時間を感じてみてください。
ガイドツアーのイチオシポイントは、礼拝が見学できること。通常、イスラム教徒でなければ見ることができないものですので、大変貴重な体験です。
礼拝堂の中で時間を過ごしていると、イスラム教徒の方々が少しずつ集まってきます。礼拝に来る皆さんは顔なじみ方が多いようで、談笑をする人、到着するなりお祈りを始める人、それぞれに自由で穏やかな時間を過ごしていました。
イスラム教では男女は別々にお祈りをするため、3階には女性専用の礼拝スペースもあります。
モスクでの礼拝を見学
そうこうするうちに一人の男性が到着し、マイクを手に、礼拝への呼びかけである「アザーン」を唱え始めます。ゆっくりと、独特の抑揚で語られる「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」という言葉。言葉の意味はわかりませんが、心地よい音楽を聞いているかのよう。
イスラム教徒の皆さんはメッカの方角を向き、横一列にずらりと並んでお辞儀や床に頭をつけるような動きで礼拝を始めます。少し離れた場所で、10分ほど静かに見学をさせていただきました。イスラム教徒の人々が何よりも大切にしている神聖な礼拝。その空間で過ごしているうちに、ここが東京の真ん中であることを完全に忘れてしまいます。
ガイドの方は様々なお話を聞かせてくれますが、中でも特に印象的だったのは、「モスクは人間や動物の、シェルターのような役割を果たす」というお話。その言葉の通り、東京ジャーミイの外壁には鳥の巣箱や、牛や馬の水飲み場として使われるという蛇口があります。
また、「私たちは日々、他人と比べたり競争したりすることばかり。横一列に並ぶことで、日ごろの自分に気づくことができます」というお話からは、異文化や異なる価値観を持つ人々でも、決して拒絶せず受け入れるという考え方を学びました。
人々の心の拠り所として建てられたモスク。イスラム文化に馴染みのない私たち日本人でさえも、自然と惹きつけられてしまいます。
東京ジャーミイ内にあるハラールマーケットとカフェへ
別館には新しくカフェが開店。メイン料理、スープ、サラダ、ピラフ、チャイ等のドリンクがついたトルコ料理のランチプレート(1,500円・税込)や、バクラヴァ(パイのような生地にナッツをはさみ焼き上げたお菓子)や、スミット(ゴマと塩味がきいたドーナツのようなパン)などといった、トルコの伝統的なスイーツも200円~500円で楽しめます。
「世界三大料理」と名高いトルコ料理。本格的かつリーズナブルにいただけるのは嬉しいですね!
最後はハラールマーケットに立ち寄りましょう。ハラール食材(イスラム教徒が食べることを許されている食材)や、日本ではなかなか出会えないようなトルコの民芸品、雑貨がずらりと並んでいます。
お店を散策していると、イスラム装飾が美しいポーチのような商品を発見。筆者がマレーシア旅行で一目惚れして購入したものに似ていて、「まさか東京で出会えるとは」とびっくりです!異文化との再会を楽しんだり、家族や友人用に、イスラム文化ただようゴージャスなお土産を探してみたりしてはいかがでしょうか?お土産探しも、まるで海外旅行に来た気分で楽しいですよ!
東京の真ん中でトルコ旅行へ!
大好きな海外旅行に行けないこんな日々、新型コロナウイルスによる影響で新たな世界を知る機会が奪われてしまうのはもったいないこと。日本国内で気軽に行ける異国、東京ジャーミイでゴージャスな非日常を体験してみませんか?
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